キアズマ

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著者 : 近藤史恵
  • 新潮社 (2013年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052548

キアズマの感想・レビュー・書評

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  • いや~なんという爽快感。すごぶる面白かった。

    大好きな伊庭、チカ、赤城さんなど出てこないから…迷った果ての予約でしたが、推理が入っていない分、シリーズの中で一番シンプルで燃えた。(チラッと赤城さんが出てきた時はうれしくって、うれしくってたまらなかった)

    櫻井と岸田が二人メインでの世界。「キアズマ」というタイトルの意味とか、考えると感動して泣いた。本を閉じたくないな、と久しぶりに感じた一冊でした。余韻にひたってじーん…とする。


    ㊟最後に出てきた櫻井のセリフのDNFは
    “DNF=Do Not Finish スタートしたけどゴールできずリタイア”という意味。

  • サクリファイスシリーズ4作目。
    といっても、チカや伊庭が出てくるわけでも、赤城&石尾の過去話などでもなく、今作の舞台は大学自転車部。
    新たな主人公・岸田正樹は一浪して大学に入学した帰国子女。
    周りに少し壁を感じつつも、それを解消しようという意思も特別持たず、淡々と毎日を送るつもりでいた。
    そんなある日、はずみで自転車に乗った学生とぶつかる。ガラの悪い関西弁丸出しの相手に、正樹は思わずその場から逃げ出してしまう。それがきっかけで事故を引き起こし、ケガをしたのが先の学生の所属する自転車部の部長・村上。
    正樹のせいだけではない事故だったが、責任を感じる正樹に村上が提案したのは「自転車部への入部」。
    一度は断る正樹だが「一年間だけ」という条件付きになり、承諾する。
    実は正樹は心に抱えた古傷のようなもののせいで、危険な競技はするまいと決めていた。のに、入部後どんどん自転車競技にのめりこんでいき、そんな自分に負い目を感じはじめ……。
    一方、件の関西弁男子、名を櫻井という。
    彼の走りに惚れ込んだ村上が自転車部を立ち上げたという実力の持ち主で、名実ともに自転車部のエース。
    櫻井にも背負ったものがあり、そのために彼は誰よりも強くなりたい思いで走っている。
    努力や経験だけでは手にできない天性の才能、才能だけでは育たない経験と走ることへの強い思い。
    ふたりの選手がいろんな重荷を振り切って、または背負って、走る姿が清々しいです。
    正樹がフランス帰りということや、ちらっと出てくるオッジのあの方やらをフラグだと思って、チカちゃんサイドとの融合はあると考えていいのでしょうか。
    そこも含めて自転車の世界に足を踏み入れたばかりの正樹の成長・櫻井の今後などどう描かれてゆくのか、また楽しみなシリーズになった。

    ・・・余談。
    モペット自走で脚力がついていたといっても、柔道と自転車の選手では筋肉の付き方がぜんぜん違うので、そんなにすぐにいい結果が出るのかなーというのが気になったところ。
    いくら合う競技だとしても体が重くて、絞り込むまでは結果が出なさそうなのに……と思ったのだけど、「弱ペダ」の田所先輩を見て、ちょっと考えを改める(笑)

  • サクリファイスシリーズ四作目。やっと図書館の本棚で発見。
    今回は今までの話から離れ、大学生の自転車部の話になっている。主人公・正紀がひょんな事から自転車部に入部する事になり、ロードレースにのめり込んで行く。
    私は正紀に凄く感情移入してしまった。というのも、立場や場所は違えど、同じ様な状況になった事があるから。好きになったものに夢中になり、意外とそれは自分に向いていてスムーズに進むためますます張り切ってしまい、ライバルに負けたくないなんて気持ちも湧き…なのにちょっとした事から情熱を失ってしまう。私もそんな経験を何度かしたので、正紀の最初の高揚感や急に襲ってきた喪失感など非常に共感できた。
    私と違ったのは、正紀には櫻井のような人物がいた事。物語の最後はあっさりとしていたけれど、今後の彼らの事を想い胸にじんとくるものがあった。

  • 4作目にして、これが一番自転車ロードレースに詳しくない人向きかもしれない。
    しかし一方では、わからないままにもやはり1作目サクリファイスの方が自転車競技の臨場感が豊富で面白かった。

    ひとえに私が信頼するブクログお友達のレビューから興味を持って4作目まで読み進めてきた。

    私はゆっくりペースでたまにマラソン大会に出る程度のジョガーだが、本作は心情がマラソンに当てはまる部分もあって共感を覚えた。

  • サクリファイスから始まって今回のキアズマでシリーズ4作目。
    長すぎず短すぎず、中だるみなくラストまで一気に読んでしまいました。

    どのシリーズを読んでもいつもジーンと目頭が熱くなる。
    もちろん今回も!

  • 『サクリファイス』から始まった、近藤さんの
    ロードバイクのシリーズ4作目。
    今回も、ぐいぐい読ませてくれる。
    そして、考えさせてくれる。
    今回は、主人公が今までと違って大学生であり、
    テイストは、若干軽い印象もある。
    でも、相手の責任が大きいとは言え、大学に
    入学早々、先輩に大けがを負わせてしまった
    正樹の心情を思うと重い気持ちになってしまう。

    その先輩、村上はいい人のようだけど、あの展開は
    私には村上の責任の方が大きいと思うけどね。。。
    ケガをしたことで責任軽減はないような。

    一気に自転車にはまる正樹。
    彼の親友、豊とのいきさつ。
    先輩櫻井の過去も気にかかる。
    レースだけでなく、いろんな要素が絡み合って
    面白かったのだけど、話があそこで終わってしまうと
    若干、いろんなところが積み残されているような
    気がしてしまう。
    そこがちょっと残念。

    シリーズ前作までは物語の中心にいたチームオッジ。
    ちょこっとでも登場してよかった~。
    正樹や櫻井って、前作までに出てきてた選手だっけ?
    と思って調べてみたけど不明。
    そういうつながり方なのかと思ったのだけど。

  • 大学生の自転車部を舞台にした、青春スポーツ小説。
    シビアなプロとは違い、のびのび。
    素人からのスタートだからこそ、のめりこみ、成長していくさまが、楽しい。
    違った強さと弱さを持つ、正樹と櫻井が魅力的。
    続編に期待。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-ed07.html

  • 自転車競技シリーズの4作目。

    エースとアシスト、という特殊&非情な試合運びから出てくる物語は当然辛いものが多く、そこに面白さがあって読んではいたのだけど、今回はこれまでで一番楽に読めました。(#^.^#)

    主人公・岸田正樹はフランスからの帰国子女で大学に入ったばかり。ずっと柔道をやってはきたけれど、ひょんなことから自転車部へ、という導入。

    何も知らない正樹よりは私たち読者の方が自転車競技のあれこれには詳しいよ(#^.^#)という嬉しさを根底に、正樹の過去や、めきめき力をつけていく過程を興深く読みました。

    のっけにトラブルとなった、“柄の悪い”櫻井先輩の描き方がちょっと痛いかな、という気がしたのですが、彼のしゃべりのワケもなんかすんなり解説されていたりして、うん、なるほどね、なんて。(#^.^#)

    途中出てきたチーム・オッジのスカウトマン。ほんのちょっとの出番だったのにやけに印象深い&好感のもてる人だなぁ、と思ってたら、こちらのサイトで、あの赤城さんだった!ということを教えてもらい、そっかぁ~と。(#^.^#)私ったら前三作の登場人物、きちんと把握してないんだなぁ、これはまとめて全部読まないとかなぁ、という新たなお楽しみまででき、また正樹の今後も気になるし、まだまだ連作は続きそうですよね。

  • 待ちに待った「サクリファイス」シリーズ4冊目!
    死と紙一重のスポーツであることを数年前のジロ・デ・イタリアの落車でも思ったが、改めて考えさせられるものだった。
    死や他人を傷つけてしまう恐怖など、託されたものは重い。
    正樹も櫻井も互いに成り代われるわけではなく、お互いの抱える問題は個々に違うものだけれど、それは一人で抱え込むんじゃなくて分け合うものだ。
    だから勝利はこの上なく皆にとって尊い。
    最後に彼らが本当にチームになったのだなぁと感慨深く思った。
    多感でぶつかりあって、成長してゆく彼らの物語がまだまだ読みたいです。

  • 『サクリファイス』『エデン』『サヴァイヴ』に続く
    自転車ロードレースシリーズの第4弾。

    ですが、主人公はこれまでとはまったく関係のない人物。
    これまでのシリーズからひとりだけちらりと登場する程度。

    タイトルの「キアズマ」とは…
    うーん、難しいので本の冒頭を読んでくださいませ。
    おそらく、「交換」とか「交差」がキーワードなのかなと推測。

    この1冊自体もこれまでの3冊と今後どう絡んでいくんだろうか。
    とっても気になります。

    主人公の正樹は大学入学してすぐに起きた出来事がきっかけで
    1年間限定で自転車に入部することになる。
    それまで柔道をやっており、自転車は畑違いで全くの未知の領域。

    それでも急速にそして着実に力をつけていき、レースでも結果を
    残せるようになっていくと、チームのエースである櫻井にまで
    対抗心を燃やすように。

    正樹と櫻井。性格は全然異なるふたりだったが、それぞれが
    抱えているもの、背負っているのものの大きさ・悲しさには
    共通するものがあり、それがまたふたりを強く結びつけていく。

    といった物語です。
    正直、これまでのどれも、そしてこれも『サクリファイス』には
    到底及ばないと思う。
    だけど、スポーツもの青春ものとしては面白いし、今後の展開は
    大変気になるところ。
    今回登場しなかった誓や伊庭のその後も、
    今回の主人公の正樹や櫻井のその後も、
    どっちも気になるよー!
    近藤さん、このシリーズの刊行ペース、もっとあげてください!!!

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キアズマの作品紹介

決して交わるはずのなかった、俺たち。喪失を超えるように、ただ走り続ける――。命をかける覚悟? 誰かを傷つける恐怖? そんなもの呑み込んで、ただ俺は走りたいんだ。ひたすらに、自分自身と向き合うために。助けられなかったアイツのために――。一年間限定で自転車ロードレースに挑むことになった正樹。「サクリファイス」シリーズ4作目、新たな舞台は大学自転車部! ファン待望の最新長編小説。

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