スティグマータ

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著者 : 近藤史恵
  • 新潮社 (2016年6月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052555

スティグマータの感想・レビュー・書評

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  • すっかり人物を忘れていてうっすらと覚えてはいるけどメネンコって誰だっけ…という状態で読み始めたので、序盤はなかなか入り込めませんでした。

    『エデン』と合わせて『スティグマータ』も再読したい。恨まれている、脅迫されていると言ってチカに協力を約束さえた割にメネンコが際立って嫌なヤツではないように思えていたけど、イストワール(物語)が必要だったってそういう物語なのね…と仰天した。(ずる賢いやつだ)

    アシストの使命や誇り、同じ日本人である伊庭への嫉妬やコンプレックス、人種的な壁、周囲からのプレッシャー、年齢と共に衰えてゆく体力、彗星のように現れる新人、追われて消えてゆく人…など哀愁や悲哀を感じた。

    わたしは伊庭とニコラが好きなのですがチカは毎回カッコよ過ぎる!ニコラへのアシストは完璧だしレースだけでも大変なのにトラブルまでも抑えてしまうところがすご過ぎる。(ほんとボディーガードか!)

    毎回タイトルとその由来や回収が楽しみの一つでもあるのですが今回も見事でした。いろいろな意味があるんだろうその中に『爪痕』も含まれているんだろうなぁ…と読み終える頃に感じました。

    106ページのアンリエッタが言いよどんだ意味がはっきりとわからなかった…。気がつかない伏線がたくさんあったと思う。近松門左衛門とかもチラッと入っているので『エデン』読んで再読した方がいいかも。

  • ツール中継を見ながらこれを読める幸せ!臨場感倍増!
    ロードレースはルールや記録以外のセオリーがあって、そこが見どころでもあるのだけれど、アシストとして極めようとするチカがかっこいい。

    今期限りで引退を宣言しているカンッチェラーラの走
    りを見ながら、一人の選手の新人の頃から引退までを見届けられる幸せを感じているこの頃、このシリーズにも同じようなものがある。

  • 自転車ロードレースシリーズの『サクリファイス』シリーズの最新刊。
    ようやく読みました。
    過去を思い出しながら読み、改めてロードレースというものが一般的なスポーツと異なる『サクリファイス』な要素を持つということを理解しつつも、そこまで自分をコントロールするストイックな姿勢に感銘を受ける。
    参加するチーム、個人がそれぞれ異なる思いを持ち競う世界を、観戦するだけで体感できるのかな?と思う部分もあります。
    が、百聞は一見に如かずとある通り、観ないとダメですね。
    面白そう。

  • 前作の「キアズマ」は大学の自転車部の話だったので、
    すっかり今までの登場人物を忘れてしまい、
    思い出すのに苦労しました。

    でも、相変わらず面白い!

    だんだんチカが歳をとっていく・・。
    いつまでもチカのレースを見ていたいと思いました。

  • うわー、チカちゃん、年取ったね。
    でも、格好良くなったな。

    ツールドフランスの過酷なレースの描写が
    無知な私にも少しだけ世界を見せてくれる。
    自分には理解できないけど、
    この世界で戦っている人たちには敬意を払いたい。
    皆、一人一人、すさまじいプロだ。

    そして、最後のチカちゃんは、プロ中のプロだ。
    あそこで終わっているのが憎らしい!
    近藤先生、ずるいっすよー。

  • 「サクリファイス」からつづくサイクルロードレースを描いたシリーズの最新作、今回も楽しませて頂きました!

    世界最高峰のレース・ツールドフランスを舞台に、レースそのものの厳しさ、出場する選手たちの不穏さもはらんだ人間模様を描きつつ、物語はテンポよく展開していきます。

    アクションを描くのに比喩は不要…というような言葉を小説家の方が言われたことがあるようですが、たしかに、この作品でもかなり比喩表現を抑えたシンプルに徹した文章により、余計にレースの緊迫感や疾走感が引き立っているように感じます。

    今回はレースの進行とともにひとつの謎を追う展開にもなっていて、緊張感を高めています。その謎そのものと、主人公の行く末、そしてレースの雲行きがどうなるのか…、さまざまな要素が詰め込まれていてなかなか濃い味わいがあります。

    …憧れだった存在がそうでなくなり、そして今また「何を考えているのかわからない存在になっている」というのは、うそ寒い感覚にさせられる、ような気がします。自分がここに立っているということそのものを揺らがせるような、不安を抱かせる、というか…。それを乗り越えてこそ、人は成長していくのでしょうが、切ないものを感じたのでした。

  • 自転車ロードレースのシリーズ長編。
    白石誓が新たなチームでツールに挑む。問題のある人物と、それを取り巻くチームメイトやライバル達、そして白石自身の心理描写がとても良かった。派手な展開はないが、心にずしっときて余韻に浸れる一冊だと思う。

  • 相変わらず、素晴らしいシリーズ。引き込まれます。
    チカの最高のアシストは日本人らしさに溢れていて誇らしくもあります。
    このシリーズがなぜこんなに好きなのか…それはチカの目線がとても健やかだから。ナイーブだけど空気を読む力に優れていて、決して卑屈ではない。己を制することができるクレバーなアスリートです。彼が天才ではないのも魅力。
    チカの目線で語られるロードレースは、正直リアルなレースよりも私を興奮させます。
    大好きなミッコとの交流もあったし、最後はチカにも春が来たのかな?
    幸せな読書時間でした。傑作。

  • 初読。図書館。『サクリファイス』シリーズ。チカがニコラのアシストとして、ツールを走る。伊庭もミッコも敵チームで走る。「おお、みんないる、いる」という高揚とともに、シリーズ前作の死の影を持ち込み、冒頭から不穏な気配。いつも思うけど、近藤さんのこの不安感の煽り方は本当にウマイ。さらに近松をぶち込むなんて近藤さんにしかできない。近藤さんの描くツールを走る競技者の「業」って、他シリーズの歌舞伎役者の「業」に通じるところがあると思う。ステージ優勝を手放すチカの恰好良さは、1作目のタイヤを譲る場面を思い起こさせた。

  • 「サクリファイス」「エデン」「サヴァイブ 」「キアズマ」に続く5作目。実際のツール・ド・フランスでは新城幸也が活躍中!堪能しました!!

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スティグマータの作品紹介

得体の知れない過去の幻影が、ペダルを踏む足をさらう。それでもぼくたちはツールを走る。すべてを賭けて! 黒い噂が絶えない、堕ちたカリスマの復活。選手やファンに動揺が広がる中、今年も世界最高の舞台(ツール・ド・フランス)が幕を開ける。かつての英雄の真の目的、選手をつけ狙う影、不穏なレースの行方――。それでもぼくの手は、ハンドルを離さない。チカと伊庭がツールを走る! 新たな興奮と感動を呼び起こす、「サクリファイス」シリーズ最新長編。

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