神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く

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著者 : 石井光太
  • 新潮社 (2007年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103054511

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神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩くの感想・レビュー・書評

  • 石井光太 という著者を初めて知った

    貧しさの現実、って
    生易しくない

    なんとかしたい、という気持ちが
    中途半端な、冷たく言えば自己満足的な、接触になってしまう

    それでも 見てみないフリをするよりは
    いいのだろう、
    きっと。

    石井光太さんのHP
    http://www.kotaism.com/

  • これを読んだ人はハーフ・ザ・スカイも読んでほしい。。。

  • 最近でも、強姦された女性が逆に刑罰を受ける等のニュースがあった、女性の性にはとても厳しいイスラム教。
    イスラム教と言えばどうしても中東のイメージがあるけど、言われてみれば、東南アジアもイスラム教徒が多い地域。
    そんな、中東、そして東南アジアのイスラム教徒のお話。

    私もこの著者のように、何かが出来る訳ではない。
    宗教の問題はとてもデリケートで、一個人はもちろん、国同士でだって解決出来ないものばかり。
    きっと、このような問題がある、その認識だけで終わってしまう。
    でも著者も書いていたように、存在を認識するだけでも良い。知らないよりは、ね。

  • ■婆
    スマトラ島のスラム在住
    東ティモール出身
    戦争で歯を失い、膣に焼石を入れられる
    村にいられなくなり、スマトラに移住
    生きるために、豚肉をこっそり入れたスナックを売る
    愛されたいために、男性に無償奉仕

    ■兄弟の秘め事
    パキスタンのペシャワール在住
    兄14歳、弟12歳
    男娼として生きるために、お互いにその事実を隠しながら、家族を養っている

    ■死海の占い師
    レバノンの首都ベイルート在住
    フィリピン人のデブの占い師
    ミンダナオ島出身
    家政婦として出稼ぎに出たが、儲からず娼婦に転身。
    子供を産めない体になり、占い師へ。
    中東の地で、マイノリティとして虐げられる同郷の女性たちの、よき相談相手。

    ■砂漠の花嫁
    イラン西部のクルド人家族の話。
    一夫多妻制とは、もともと男性が女性を助ける目的でつくられた風習。
    イラクのクルド人虐殺から逃げてきた妻。地雷で足を失った娘。その娘の結婚(四人目の妻として嫁ぐ)。

    ■問わず語り
    ミャンマーの老人の話。
    妻が日本人に犯され、産まれた娘は日本人の子。かつ障害児。
    妻は村を出て売春婦となり、本人は不具の子に加えて、その他同じような訳ありの子たちを育てる。

  • わずか28歳のライターが6カ月程度で「イスラーム世界の性」という大きすぎるテーマを書くというので、どうも眉つばものではないかと警戒しながら読み始めたが、意外にも、自分自身の立ち位置を誠実に自覚している著者の視点や態度は共感できるものだった。興味本位の消費的ルポでもなく、大上段に対象をジャッジすることもなく、つねに逃げ場をもっている自身のずるさを隠そうとしないところに好感がもてる。取材対象者たちの言語を知らずに、あそこまでニュアンスある話をどうやって知ることができたのかという疑問はなきにしもあらずだが・・・もっとも、本書をもって「イスラームの性」を理解できると考えるのは、やはりあまりにも粗雑というべきだろう。この書き手の真価は、この先どういうものを書くかによって定まるように思う。

  • インドや中東のスラムや貧困に喘ぐ村を訪ねた石井さんのドキュメンタリーだが、今回はターゲットを女性に絞って取材している。

    紛争地帯から逃げてきて生きるために売春をしている女たち。
    公園に住むストリートチルドレンの女の子は、常に強姦や誘拐の危険にさらされている。

    イスラム教やヒンドゥ教の地域は女性の地位が極端に低い。
    それは浮浪者の世界でも同じで、女性の物乞いは男よりもさらに過酷な中で生きている。

  • ものすごく面白かった。

    けどそう言い切ってしまうのには躊躇するような、圧倒的な現実。

    理不尽に思えても残酷と感じても、地球はまるい、郵便ポストは赤い、そのくらいに彼らには当たり前のこと、選択しようのないこと。

  • イスラームは厳格な宗教だ。破ってはならない戒律がとても多い。いわば、巨大な「タテマエ」が存在しているということである。しかし、光あるところに影があるように、同等の「ホンネ」も存在しているはずなのだ。本書はホンネの部分、特に「性」の問題に焦点を合わせている。

    内容は、とても直視できるようなものでない。悲惨すぎるのだ。影に隠れていた「ホンネ」は想像以上に巨大である。「タテマエ」ばかりに目を奪われていては、本当の現実は見えてこない。「ホンネ」を知ることも大切だ。

    アッラーは慈悲深い、とされている。厳しい戒律も人間を守るためのものなのだ。そう、人間は弱い生き物なのである。(神の御心を忖度するのは不遜であるが、)アッラーもこの現実に心を痛めているのではないだろうか。

  • インドに行ったときのことを思い出した。
    旅行したい。
    底の見えない暗く、深い井戸を満たすようなものだ。
    日本、世界、伝統、文化、システム。
    誰がよくて誰が悪いかの二元論ではない。
    負の連鎖。

    重たい一冊。

  • 昔の日本で行われてたことが今でも世界の貧困層が暮らす所では当たり前のように行われてる。

    問わず語りの章がものすごく感銘を受けた。

  • 久しぶりにヒット。
    私がまだ現地の言葉も知らず、二か月ほどフラフラしていたバングラデシュで起こっていた出来事。幼児買春。私も近くを通ったかもしれない公園の中で生きる子たち。私がホテルでのほほんとタバコを吸っていたときにも行われていたであろう子どもたちの生存競争。

    己の無力さや汚さも隠すことなく書き連ねているところにも共感。
    本当はここに書けないようなもっと陰鬱でドロドロした葛藤もあっただろうと容易に想像もつく。
    ただ現地の言葉を知らずに通訳を介さずに行われたであろう売春婦とのやりとりには少し疑問を覚えた。そこは書く技術力と想像力で補ったのかな?

    方法論にどうしても目がいってしまったが、時にそれを忘れさせるような現地リポートにはただただ頭が下がるばかり。この間見た世界報道写真展といい、こうゆう仕事を見せつけられると揺さぶられる。

    途上国の社会問題に興味のある人にはオススメ。

  • どうしようもない、とはよく皆が言うけれど。
    日本国内の「どうしようもない」と、イスラム世界での「どうしようもない」とでは、絶望感に雲泥の差があると感じた。

    「絶対貧困」を読んですぐにこちらも読み始めたけど、こちらの方が筆者の葛藤や悔しさがより伝わってきた。
    インドでは女性の避妊手術が奨励されているなんて・・・猫じゃあるまいし・・・、絶句。

  • 旅をする人ならこの方の著書は何冊か読むべきですね。何もできることはないかもしれませんが、知ってるのと知らないのとでは雲泥の差。

  • 初めて読む石井光太。
    結構厚い本だったにも関わらず2日で読んでしまった。
    本当に衝撃的な内容ばかりで、引き込まれた。
    軽い気持ちでイスラームの方の風俗の話とかおもしろそ~と思って読み始めた本だったけど、読んでよかった。
    この作者のほかの本も読まなくては。

    それにしてもよくできた話ばっかりだよなぁ、すごい本当

  • 内容はとてもショッキングで、平和な日本に生きていることがつくづく幸せに思えてくる。と同時に、筆者の妙に善人なところ(いや、本当に善意の人なんだろうけれど)がなんとなく鼻についちゃって。実際にその場に行ってるから、と本人の主観がしょっちゅう入るんだけれど、善意はもちろん素晴らしいんだけれど、もう少し離れた視線で書いてもよかったのではないのかな。

  • 微妙である。
    イスラーム世界の底辺でもがく人々を取材した作品。しかしまず第一に、話がまとまり過ぎている。醜い部分を“きれいに”書きすぎているのだ。

    そしてなにより、著者自身が、知りたいというジャーナリスト本来の欲求を遥かに飛び越え、取材対象の現状にちょっかいをかけているのだ。もちろん、その度に筆者は反省している。しかしその反省も、なぜか心に響いてこない。従って、全体的に引っ掻き回しただけで終わっているという印象がぬぐえないのだ。

  • 前回の「物乞う仏陀」は面白かったのに、 今回はダメ。

    とにかく筆者が現地で何をしたかったのかがちっとも見えてこない。
    彼女たちの生活の中に興味本位でドカドカで入り込んで、 引っ掻き回した挙句、何も言わず立ち去ってゆく筆者に憤りすら感じる。

    そんなに悩んだり葛藤したりするんなら、 真剣に援助とかを考えて、援助組織を設立するとかすればいいのに、 あくまでも旅行者の目線・立場で、興味本位でしかないのに腹が立つ。

    あと、ノンフィクションのつもりか知らないけど、 展開が出来すぎ。脚色しすぎなんじゃないかと思う。

  • 142ページまで読んだ。

  • 何の前知識もなく読み始めたけど、いろんなことを考えさせられた。
    イスラム圏の各国を著者が実際に旅をして、表には出てこないような性にまつわる話をまとめたもの。
    貧しい国のさらに貧困層の女性…とも呼べないような女の子達が、毎日を生き抜くためにどんな生活をしているか。
    同性愛者の性処理の対象になっている仲の良い幼い兄弟。お互いに庇い合って、生きるために「働いて」いる。
    どの国のどのエピソードもかなりショッキングな内容。

    「仕方のないこと」と人々が言う。
    日本がどれだけ幸せか、その格差に涙が出た。

  • イスラム世界で夜に生きる人々を実際に作者が見聞きした話し。
    娼婦、レディーボーイ、路上生活者等々。
    親を亡くしたためだったり、紛争にまきこまれて、マイノリティーだったり・・・。
    あまり日本人が知らないイスラム世界じゃないのかな。

  • イスラム社会の最底辺? 普通には見ることのできないすさまじい現実を白日の下にさらしてくれた。僕らと同時代を生きているとは・・・・確かにそういう現実があることは知識としてはあっても、それでも俄かには信じられない現実。道義的に、僕は今こういう生活をしていていいんだろう・・・なんてことまで考えてしまう。知らなきゃ始まらない。

  • 3日で読んだ。

    イスラム圏の貧しい、底辺の底辺の生活を知った。
    今この世界で起こっていることとは思えないことばっかり。

    こちらの世界から見て、どんなひどい生活でもそれを周りがやってるとそれが普通になる。どんなことも。

    教育は大切。でもそこまでいくのには、今は程遠い。どうやったら近づけるか。

    今できることはないけど、まずは知ることから。

  • どんな世界でもその人たちなりのルールがある。
    それを安易に感情で他人が踏み込んではいけないのだと思った。

    それでしか生きていけない人もいる。
    それを幸せか不幸せかを決めるのは本人自身のみ。

  • 『物乞う仏陀』を読んだあとにすぐさま購入。
    中盤、やりきれなくなって読むのが辛かった箇所も
    あったけれど、世界の片隅におこる現実は息を呑むほど
    残酷な場合もあるのだと驚愕の連続だった。
    著者も私も裕福な国に住む若者。
    自分に何ができるか、偉そうに言えないけれど、
    ちっぽけなことしかできない私は、彼らの存在をそっと心の片隅において生活しようと思った。
    強く生きる、美しき戦士たち。
    叫びたくなるような痛みを、
    泣きつぶれてくじけそうになるような現実を
    抜け出そうとする戦士たち。
    そんな人たちを石井光太は文章にして教えてくれた。
    きっとそれが彼にできる、彼らへの愛なのだろう。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    そこで見たものは、戒律から外れたイスラームの性―。辺境を探訪する体験的ノンフィクション。

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そこで見たものは、戒律から外れたイスラームの性-。辺境を探訪する体験的ノンフィクション。

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