- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103054511
作品紹介・あらすじ
そこで見たものは、戒律から外れたイスラームの性-。辺境を探訪する体験的ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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石井光太 という著者を初めて知った
貧しさの現実、って
生易しくない
なんとかしたい、という気持ちが
中途半端な、冷たく言えば自己満足的な、接触になってしまう
それでも 見てみないフリをするよりは
いいのだろう、
きっと。
石井光太さんのHP
http://www.kotaism.com/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レンタルチャイルドを読み面白かったので、こちらも手に取ってみた。
一つ一つのエピソードにおける物語や人物描写が秀悦で、感情投入してしまい涙が出る話もあった。
描かれる人たちは、生活が苦しい中でもお金に固執しすぎず、人情が垣間見れるのが興味深い。
一夫多妻制は、男の数が少なくなってしまった中で民族存続のためにある制度であるというのは勉強になった。
100%ノンフィクションというよりも、ある程度脚色はしているように読めるが、ぎりぎりリアルで良い(レンタルチャイルドは脚色感が強すぎた)。
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ノンフィクション
思索 -
これを読んだ人はハーフ・ザ・スカイも読んでほしい。。。
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最近でも、強姦された女性が逆に刑罰を受ける等のニュースがあった、女性の性にはとても厳しいイスラム教。
イスラム教と言えばどうしても中東のイメージがあるけど、言われてみれば、東南アジアもイスラム教徒が多い地域。
そんな、中東、そして東南アジアのイスラム教徒のお話。
私もこの著者のように、何かが出来る訳ではない。
宗教の問題はとてもデリケートで、一個人はもちろん、国同士でだって解決出来ないものばかり。
きっと、このような問題がある、その認識だけで終わってしまう。
でも著者も書いていたように、存在を認識するだけでも良い。知らないよりは、ね。 -
わずか28歳のライターが6カ月程度で「イスラーム世界の性」という大きすぎるテーマを書くというので、どうも眉つばものではないかと警戒しながら読み始めたが、意外にも、自分自身の立ち位置を誠実に自覚している著者の視点や態度は共感できるものだった。興味本位の消費的ルポでもなく、大上段に対象をジャッジすることもなく、つねに逃げ場をもっている自身のずるさを隠そうとしないところに好感がもてる。取材対象者たちの言語を知らずに、あそこまでニュアンスある話をどうやって知ることができたのかという疑問はなきにしもあらずだが・・・もっとも、本書をもって「イスラームの性」を理解できると考えるのは、やはりあまりにも粗雑というべきだろう。この書き手の真価は、この先どういうものを書くかによって定まるように思う。
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インドや中東のスラムや貧困に喘ぐ村を訪ねた石井さんのドキュメンタリーだが、今回はターゲットを女性に絞って取材している。
紛争地帯から逃げてきて生きるために売春をしている女たち。
公園に住むストリートチルドレンの女の子は、常に強姦や誘拐の危険にさらされている。
イスラム教やヒンドゥ教の地域は女性の地位が極端に低い。
それは浮浪者の世界でも同じで、女性の物乞いは男よりもさらに過酷な中で生きている。 -
イスラームは厳格な宗教だ。破ってはならない戒律がとても多い。いわば、巨大な「タテマエ」が存在しているということである。しかし、光あるところに影があるように、同等の「ホンネ」も存在しているはずなのだ。本書はホンネの部分、特に「性」の問題に焦点を合わせている。
内容は、とても直視できるようなものでない。悲惨すぎるのだ。影に隠れていた「ホンネ」は想像以上に巨大である。「タテマエ」ばかりに目を奪われていては、本当の現実は見えてこない。「ホンネ」を知ることも大切だ。
アッラーは慈悲深い、とされている。厳しい戒律も人間を守るためのものなのだ。そう、人間は弱い生き物なのである。(神の御心を忖度するのは不遜であるが、)アッラーもこの現実に心を痛めているのではないだろうか。