「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち

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著者 : 石井光太
  • 新潮社 (2016年8月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103054566

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「鬼畜」の家:わが子を殺す親たちの感想・レビュー・書評

  •  3件の子殺しの事件。いずれも、殺した親だけではなくその親、あるいはまたその親まで遡る「連鎖」。ひどすぎる事件の裏側にあるには、数十年も続く貧困と教育の失敗。つまり行政。
     日本小児学会は2013年頃の年間に虐待で死亡した子どもの実数を約350人と推計しているという。この3件はまさに氷山の一角で、この実態は完全に行政の敗北。そして、ずっと手をこまねいているのは、マジョリティにとって「関係ない」から。これは、ホームレスなどの問題とも根は同じ。
     
     本社会に潜む闇を照らすノンフィクション。この社会、このままていいはずがない。
     

  • 重い重いノンフィクションだった。
    いつもながら、著者の取材力に感心する。
    テレビ、新聞などで事件を知る時、信じられない親だな、鬼畜だなと思う。しかし、深く考えることなく過ごしていると、また同じような事件が起こる。
    「鬼畜」であることは確かにしても、その親たちの生育環境はひどすぎる。6人の父母たちすべてが想像を絶する育ち方をしている。罪は罪だが、これを読んで、誰がまともに彼らを責めることができるか。

    このような事件をなくすためには、その人たちを罰すると言うより、この世に生まれて来た子供すべてが、親か親の代わりの誰かに愛を注がれ、手間をかけられ育てるような社会にするしかない。

    やりきれない、暗い気持ちで読み終えるのかと思っていたら、最後に、事情がある女性の出産を助け、養子に出すNPO法人のことが紹介されていた。
    このような活動をする方がいてくれるというのは希望だ。しかし、誰でもができるわけではなく、では自分に何ができるかと考えてみる。

  • 教育に携わる人間は特に読むべきである。虐待やネグレクトなどは、個人の問題でもあるが社会的問題でもある。

  • 実際に起きた虐待事件を追った本。

    子持ちには堪える内容だった。

    個人的には嬰児殺害事件が一番辛かった。
    加害母親の置かれた状況があまりにも酷すぎる。
    こんな家庭に生まれたら・・
    ゾッとした。

  • ふと、こういう本が読みたくなる。
    あの事件、どうなったんだっけ?と。
    うさぎゲージに3歳の男の子を監禁し死なせてしまった夫婦。育児放棄の果てに死なせてしまったこどもを7年もの間放置していたのにそれでも自分はこどもをきちんと育てていたという父親…。
    どの事件も、心がこどものまま育たなかった大人が、何も考えず犬猫のように身体を繋げた結果産まれてしまったこどもを、産まれてしまったならしかたがないと、こどもの遊びの延長のように親子ごっこはじめてしまったが故の悲劇としか思えない、こどもだけが可哀想な事件。
    どんな親でもこどもに愛情はあるとか、どんな親のこどもも親が大好きだとか、寝言言ってるんじゃないよと。
    こどもを虐待する親の過去を辿るとその親も虐待されていたから…って、それが自分のこどもに虐待していい言い訳にはならない。何より大事なのはこどもの安全と健やかな成長であって、親への同情ではない。こどもを愛してるというなら大事に育てられないこどもを手離すことも愛だろう。それをできない親ならば、周りの気づいた大人達が、それをしてやるべきなのに、見ていても知っていても手を差し伸べない、差し伸べられる世の中じゃないことも問題。
    こどもを産み育てることに未熟な人間が何人も何人もこどもを産んで雑に育ててるかと思えば、こどもがほしくてほしくてしかたない人がこどもに恵まれない身体だったりするの、本当にやるせない。

  • 逃れられない負のスパイラル。ネグレクトや虐待は、当人だけの問題で留めておくべきことではなく、社会全体として受け止め守ってゆかなくてはいけないもの。

  • 厚木市幼児餓死白骨化事件、下田市嬰児連続殺害事件、足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件の3つの虐待死事件のルポ。ウサギ用ケージは何となく覚えている。しかし、親たちが皆似通っているのは何なのか。親のその親も。そして地域性。虐待の連鎖はよく言われるけど、ほんとどこが始まりなのか、どうやったら連鎖を切れるのか。子育ても知性の一つなのか。知的に低いだけではなく、やっぱりコミュニケーション障害なんだろう。今日も虐待死事件がニュースになっている。最後特別養子縁組を勧める団体が紹介されてて、わずかな光を感じるけど、一貫して切ない。ほんと「鬼畜」と呼びたくなるのは分かるけど、ほんとどこが悪いのか、誰が一番悪いのか、と考えるときりがない。

  • エピローグのBabyぽけっとに出てくる、19歳で特別養子縁組に子どもを出して大学へ行く女の子の話はたぶん他の本で読んでいる。養子縁組の話、なんて本だったかな?
    どの親にも共通しているのが、社会的適応力が極端に低いこと。幼稚。幼い。
    そして皆、生育環境に難があった。彼らの親もまた同様だ。ずっと連鎖している。
    やはり、人の罪は本人だけに帰すことはできない。そうなってしまった原因をつくった環境、背景にも問題がある。
    支え合い共に生きながら人は成長する。すべての人は、その環境さえ整えば、きっと社会で真っ当に生きて行けるのだ。たとえ個人の脆弱性があったとしても反社会的な素養があったとしても、環境さえ整っていたら、きっとカバーできるのだ。犯罪にまで至らずに済むはずなのだ。
    だから、何とかしたい。あなた一人の責任ではない、絶対に何とかできる。支え合って助けあってみんな生きているんだよ、こんなに苦しまなくていいんだよ、そう言いたい。

    今の社会はあまりにも自己責任論に偏り過ぎている。
    おそらく、多くは個人ではなく社会の問題。そのことにみんなが早く気づくべき。

  • 常識では考えられない、なんでこんなひどいことが起きるのかという残酷な三件の虐待事件がとりあげられている。どうしてこんなことになってしまったのか、関係者をめぐる背景をさぐっていく。大事な命が失われるまえに誰かが手を差し伸べられれば、、どこかでチャンスはなかったのか。とても考えさせられる

  • 何でこんな事してしまうのか?
    実際にはこんな事とは少しも思ってないという事が恐ろしい。

  • わかりやすいルポで、読んで良かったと思う。
    3件の事件の加害者は似たようなタイプなので、著者の伝えたいことが、よくわかる気がした。
    虐待のすえ死に至らしめる親にはいろいろなタイプがあるとは思うけれど、この本で取り上げられた加害者のような親、は、紙一重でたくさんいるのだと思う。
    エパローグに、そうした助けの必要とする母親に、手を差し伸べる機関があることが書かれていて、
    私は全く知らなかったので、知ることができて良かったと思う。
    教育が人の命を守るんだな、と痛感したけれど、小学校に行っただけでは学べないし、、と思うと、なんだかモヤモヤしてしまう。

  • 親子なり、夫婦なりが同じ屋根の下に一緒に暮らしていて、小さな諍いがあったりすることはまま、あるだろう。だからといって、それが、傷害事件だったりDVにまで発展することが信じられない。ましてや、本書で殺されたのは、幼子である。大人の人間のなりをした人間未満の成人が親になり、親業を通して、人間的成長をしていく(はずだった)。
    ところが本書で取り上げた事件の子殺しをした親たちは、残念なことに、大人未満で、人の親になる資格などない。負の連鎖でなないが、犯人になった大人未満のその親も、その素因を形成したと言わざるを得ない劣悪な環境でわが子を育てた(育った)のだ。

  • 人間が壊れている、と思った。清潔感とかケジメとか、人が快適に生きることを望む、そのために努力することが崩れていくとこうなっていくのかと。でもどこか他人事ではないという恐怖もある。

  • 世間を騒がせ震撼させた子殺し三件を詳しく取材した一冊。

    まずは胸くそ悪い。色々事情はあるだろうし本人なりに一生懸命だったのもわからなくはないけど胸くそ悪い。子供が子供作るな。バカは子供作るな。貧乏人は子供作るな。あとクズは子供作るな。つか死ね。

    色々あるだろうけど、やっぱり親の教育はとても大事で、特になんだかんだで母親の影響は極めて大きいことを改めて痛感した。

    後はね、結局運なんですよ、残念ながら。我々は生まれる時代も場所も選べないからね。でもそれだけに、まともな親の元に生まれ育った自分の境遇には感謝しなきゃいけないなぁと。

    それと同時に、親に普通に愛し育ててもらった事を改めて心から感謝するし、今子供たちを普通に愛し育てていられる自分はとても仕合せなのだなぁと痛感する。

    子育てはツライこととか面倒くさいこととかたくさんあるけど、そんなときはこの本の事を、この本の中に出てきた子供たちの事を、その子供たちがされてしまった事を思い出してみよう。その分という言い方はおこがましいかもしれないけれど、自分の子供を精一杯愛してあげようとか思える。

    あと親が子供のことを愛するのは本能だ、とかってやっぱり嘘なんだなぁと改めて思った。子供が生まれたらやっぱり可愛いよ〜本能ってやつだよねぇとかそんなこたぁねぇよと。それは脈々と受け継がれてきた先祖からの愛なんですよと。本能論とか子育てにはかんけーねぇと改めて痛感した次第です。

    あとはまぁ教育大事だよねぇ…

    それと、不幸にも亡くなってしまった子供たちには心から冥福を祈る。

  • 3つの事件に関する記載、これらが全て現実に有った事とは思えない程の内容。
    ここに書かれた「モンスター」のような人間が、世間にはまだまだ沢山居るのかと思うと、胸の奥がどうしようもなく締め付けられます。

  • 「厚木市幼児餓死白骨化事件」「下田市嬰児連続殺害事件」「足立区ウザキ用ケージ監禁虐待死事件」。
    3件ともテレビで大きく報じられ、衝撃を受けた事件でした。どうしてこんな事になってしまったのだろう、なんという身勝手な親なのだろう、と当時思ったものでしたが、この本を読んで親個人の資質の問題と切り捨てられる問題ではないような気がしました。子どもは親を選べないけれど、親も望んで産む子ばかりではない、ということも悲劇がなくならない一因かもしれません。望んで産んだ子だったのに、育児に疲れて虐待してしまう、ということも有り得ることで、保護されなければ生きていけない幼い子は為す術がありません。胸が締めつけられる思いです…。
     3件とも親に罪の意識があまりないように思え、亡くなってしまった子があまりに切ないです。彼らが生きた短い生涯に幸せを感じる時間はあったのでしょうか。虐待した親自身も家庭には恵まれず、育児の仕方を知らなかったのかもしれませんが、だからといって許されることではないです。
     親にも免許制度があって免許を取得しなくては親になれない、子どもをつくれないということになれば、少しは悲劇が減るかしら、と思ってしまいました。

  • 親の因果が子に報い、という事なのでしょうか。世の中には高いお金を払って不妊治療をする人達がいるというのに、この人たちの畜生腹ぶりにはむしろ驚嘆を禁じ得ない。石井光太の著作の中ではあまり熱を感じない作品でした。

  • ボクは以前から暴力は遺伝するのだと思ってきました。息子の同級生が親に叩かれているとか、親からの荒い言動を見た息子は、いつも衝撃を受けて帰ってきます。

    ボクは子供に手をあげたことは一度もありません。それはボク自身が親に手をあげられたことがないため、子供を叩くという発想がないのだと思います。
    それは、両親がそれぞれその両親から手をあげられなかったことに繋がるのだと思います。

    逆に荒れた家庭環境で育てば、自分の子供たちにも、ついついそうしてしまうのだと思いました。
    自分が嫌で仕方なかった家庭環境のはずなのに、何故かそうしてしまうという心理には、どん底を知っているから、言うことを聞かない子供に対しての対応に暴力という選択しも自然と入ってくるのだと思いました。

  • 興味本位で読んでしまうが、エピローグで問題解決の方向が示されている。

  • これ読む意味あんのかって、胸糞でもなく、悲惨でもなく、あーあ、て感じ。
    次は自分かも、さして遠くない話に、自ら距離を置きたいのかもしれない。

  • わが子を手にかけるような親は、「追い詰められて」とか「社会に見捨てられて」以前の問題として狂った価値観を持った怪物だ。そして彼らが怪物になったのは、怪物に育てられたからだ。まさに因果はめぐる。
    竹ノ塚についての著者の評価が酷い。でも本当のことだから仕方がないか。
    あのあたりでは確かにこういう人たちが普通に歩いている。
    鬼畜と名指された親たちほとんどが「アトピーで荒れた肌」を指摘されているのが気になった。関連性あるんじゃないかと思わざるをえないほど、しつこく描写されている。全日本アトピー協会かなんかから苦情がこないだろうか。
    個人的には厚木の事件が一番怖かった。会社ではごく普通の青年だと思われているのに、徹底的に何かが壊れている犯人。経済的に困窮しているわけでもないのに水も電気も途絶えてゴミが1メートルも堆積した家にわが子を放置。ネグレクトをしていると本人はまったく思っていないのが怖いし、何よりこの家に自分も寝泊りしているのが怖い。たぶん人間じゃない。だから怪物なんだってば。

  • 子供が死んでしまうような虐待が発生した鬼畜の家についての本。
    わが子を殺す親の鬼畜さ異常さだけでなく、どうしてこのような親になってしまったのかを著者が取材を通して掘り下げる。虐待の連鎖は恐ろしいと感じた。どうしたらこれを断ち切ることができるのか。行政の助けも必要だし、周りの目も必要。
    子育てに自信がない人への親になるための学校ができればいいのにと思う。

  • 考えてみたら「親になる訓練」なんて、自分の経験しかないなかで、虐待をする親たちの「私なりに」という発言に対して、どう否定したらいいものだろうか。

    やはり子供のことを考え、最適な支援を行うのがいいのだろうが、言うは易し、といったところでしょう。

    「愛してる」「育ててる」という言葉が人によって異なる、というのは重い。

  • 綿密にコツコツ現場を訪れて風景など目の前に浮かんでくるようなルポをしている。世の中には私の想像を超えるような人間が沢山いる事に驚く反面自分だって、もしかしたら形は違っても虐待を行っていたかもしれないと振り返ってみて思う。なんともやりきれない3つの話だが、似通っているのはみんな貧窮さから生まれた事件が多いように思う。まあそれだけじゃないとは思うけれど、小説じゃなく事実だって事が1番怖かった

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「鬼畜」の家:わが子を殺す親たちの作品紹介

死んだ犬を捨てた荒川に、次男も捨てた……虐待家庭の「核」に迫る戦慄のルポ! 次男をウサギ用ケージに監禁、窒息死させ、次女は首輪で拘束した夫婦。電気も水も止まった一室で餓死させた父親。奔放な性生活の末に嬰児2人を殺し、遺体は屋根裏へ隠す母親。「愛していたのに殺した」という親たち、その3代前まで生育歴をさかのぼることで見えて来た真実とは? 家庭という密室で殺される子供たちを追う。

「鬼畜」の家:わが子を殺す親たちはこんな本です

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