- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103056515
感想・レビュー・書評
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初めましての作家さん。
時系列がバラバラだったり、過去の秘密が少しずつ明かされていく感じが、私は好きでした。
幼い頃の記憶、出自の秘密など、美しいフードライターの美帆には、先を読ませる仕掛けがたくさんあり、惹きつけられました。
幼なじみの元極道の優司がかっこいい。
美帆の選んだ道はフィクションとしては最高ですが、実際ではいろいろ問題がありそう。
龍司が幸せになりますように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名作
引き込まれました -
複雑な家庭環境から、結婚、性、出産の間で複雑に揺れ動く女性の心情と行動が描かれている。が私はあまり共感できなかった。
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大人の恋愛小説。
美しい美帆とお似合いに見える丈ニ。
ヤクザになった幼なじみの優司。
皆、幸福とは言えない出自があり、闇がある。 -
登場人物全員の生立ちが普通じゃなさ過ぎで、あまり感情移入できなかった。
パンチのある材料をいろいろと使いすぎた料理・・のような感じがしないでもない。
娘として、母として、恋人として、女性としての生き方に悩み拘る主人公の美帆。
最後には幸せを得るけど、優司という存在あってこそ。
そういった運命の人との関わり合いを描いている著者の本を何冊か読んだけど、どこにでもいそうな平凡な人物を描いた物語の方が、モノクロの絵にどんどんと色がついていくような感覚があって感動がある。
本書は、そういった感覚は全くなかったのが残念。 -
主人公にあまり共感できなかった。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou16003.html
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母、ママ、お母さん、良かったね。
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う〜ん…それなりに面白いとは思うけど。イマイチぼやけててよくわからない部分もあって読み終わっても納得できる部分がなかった。現実味もあまりないし。そういう意味ではこれぞ白石一文という感じなのかな。
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良かった点
別れ話の際に彼女が彼を攻撃した所。
脅し文句が下衆いけど、今まで我慢してきたこと、言えなかったこと、辛かったことのほんの一部でも吐き出して投げつけられたのはいい選択だったと思う。
良くなかった点
どっかで見たような、知恵袋っぽいネタがいくつも入ってるのが欲張りすぎじゃないかと思う。キャラの形成に全部のエピソードが必要だったか、過去を匂わすだけの方が余韻があった気がする。
総評
連ドラのネタ本のような設定と描写が眠い。一生懸命なのは伝わるんだけど、所々「おっ?」と思わないこともないんだけど。うーん、ポテト屋のバナナシェイクのような、カロリーはあるんだけど栄養がないというか、食べたのに食べた感のない小説で残念。 -
初めて読んだ白石一文。
・・・この作者さん、いつもこんなに薄っぺらい作品なんでしょうか。
まず主人公の美帆にまるでリアリティがない。同じ女性として彼女の思考回路についていけない、共感できる部分がない。これならまだ荒唐無稽な設定でも、足を洗ったヤクザの優司の方がリアリティがある。
ラストもよくわからない。実の母が投げ捨てたのではなく一緒に飛び降りたのだとわかっただけで「恨んでごめんね?」。
投げ捨てようと一緒に飛び降りようと、自分の身勝手で娘を殺そうとした事実に変わりはないと思うのだが。
全体を通して「男性が一生懸命考えたけど成功しなかった女性キャラクターの小説」という匂いがぷんぷん。もうちょっとこう、深みのある仕立て方はできなかったんですかね?
この女主人公のリアリティのなさときたら、百田尚樹の『モンスター』の主人公和子に匹敵するよ。 -
美人で頭が良くて仕事もできる美帆
一度分かれた彼氏と寄りを戻したものの結婚に踏み切れない
最後に求めたのは昔から知っていた心安らぐ相手だった
よく結婚は思い切りが大切だ、と聞くが、この主人公を見ているとつくづくそう思った。でも、最終的には、自分の心の闇と向き合え、かつ、ハッピーエンドぽかったので、よく考えて決めるのもありだと思った。 -
主人公:美帆と幼馴染の元ヤクザのオトコ。恋愛関係にはならないけど、お互いを必要としてる。自分を理解し大切に思ってくれてる人がそばにいることで強くなれる。そんなメッセージを感じました。
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思いがけない本との出会いは素晴らしい。
ただ単に図書館でそこにあったから、手に取ったまでなのに。
だからこそ読書はやめられない。
大人のための恋愛小説だ。
汚いものを知りつくしたからこそ、見えてくる美しさってあると思う。
同じ養護施設で育った二人。
時を経て再会した彼らの日常の歯車が、微妙に狂い始めて…
今では足を洗った元やくざの勇司。
しびれる… -
物語のはじまりは二十年とすこし前の片瀬。そこで養子としてお金持ちの家に貰われた美帆は、大腿の内側に龍のような痣があった。弟が溺れているところを同い年の優司に救われ、お前の為なら死んでもいいと言われる。
それから現在、恋人に結婚を迫られながらも、曖昧にしか返事できない。そして優司との再会で、いろいろな真実がほどけていく。
こどもは自分の力で親から産まれてくる。産み出されたのでなく、自らの意志でこの世界に産まれたということ。生き死には結局はひとつのことだから、命というのは自分の意志でどうすることもできる。それでいてまったくどうすることもできない
終わり、絶対に優司死んじゃったと思って落ち込んで立ち直れなくなってたらまさかのうれしい。このひとの作品は順風満帆なすべてを自ら嬉々としてぶち壊して、それで未知の、自分のすきな世界を構築していく主人公が多い感じ!!!弟すごくいいひとっぽいからもっと出演してほしかった
かすみさんとかリリコとか、美帆も、強い女のひとだった。でもだからといって美帆のほんとうのお母さんとか、いまのお母さんが弱いかというとそんなことはなくて、やっぱりみどりさんがいちばん弱い。見た目とか肩書きとか、そんなあってないようなもので判断して世界を狭めているひとって沢山いるけど、それってあまりに残酷で可哀想なことだと思った -
白石作品の中では、一番好きかもしれない。
福岡は白石一文作品ではよく舞台となるが、この作品ではヤクザの世界や、少年少女時代の記憶、肉親との関係などが折り重なってストーリーが展開。
なかなかいいんだなぁ。この流れが・・。 -
白石さんの作品、読後 すごく落ちてしまうものがあるのですが、これは希望がありました。
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暗い過去を持つフードコーディネーターの美女、政治家を目指す野心的な浮気男、元極道の優しい目の刺青男。恋愛小説になるのかな?入り込めないまま、無理矢理読み終えた。産まれる、生きる、死ぬ、簡単な事は何一つ無いって事は伝わってくるが、登場人物の設定のやり過ぎた感じが気持ち悪く感じた。
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同じ女主人公だったら「私という運命について」のほうが好き
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色々あるけど・・・
ラストがいいよね -
主人公に同じ女として凄く共感するところがあったお話。
最後は温かい気持ちになります -
うー。。期待はずれ。
女の視点で描くのは、やっぱり無理があるんじゃないかな。
白石さんらしく、もっと、男の屁理屈で描いてほしかった。
今まで読んできた彼の著作と比べるとかなりやわらかくて、個人的には興ざめ。 -
ふーんって感じ。ストーリー自体、日常に近いところにある話なのに、登場人物の設定が日常から遠過ぎて…。
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●他人のために自分はどこまでできるだろうかと考えた。
**のために参拝をしたけど、会社を辞めてついていくことはできなかった。
**のことは大切な友達だけど、部屋を貸して同居することはできなかった。
目に映る全ての他人の生活に関わっていたらとても生活していけない。
関わりあうことのできる人は限られている。いざというときに何もできないのに、深い関係になるべきではないと思った。
ある人との人間関係の深さは、その人のためにどこまでできるかということに集約されるかもしれない。
P28
<<ようやく丈二の目が開いた。ぽかんとした顔で美帆を見ている。
その間の抜けた顔を見ながら、一度裏切った人間は、また必ず裏切る、と心の中で思う。私はかつてこの男にしたたかに裏切られた。>>
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P150
<<「だったら、政治家になるのなんて止めればいいじゃない。私と結婚することと選挙に出ることとどっちが大事なの」
「おいおい、あんまり無茶を言わないでくれよ」
丈二が苦笑する。>>
●付き合っている女性のことより大事な仕事なんてあるはずがない。たとえ仕事を失うことになっても女性のために生きることを伝えるべきだろう。まぁ、そもそも女性からこんなことを言われてる時点で終わってるが。
P246
「俺は動転した。こげな俺のために命ば投げ出す馬鹿がおるとは思うとらんかった。俺は必死で手足ば動かした。俺のために飛び込んだお前ばどうしても助けないかんと思った。お前だけはどんなことがあっても死なせられんと思うた。俺は、あんときお前のために生きないかんて心底思った。だけん、目を覚ましたときお前の姿ば見て、俺は声も出んかった。一生であれほど嬉しかったことはなかった。お前が生きとったこと。そして生きたお前とまた会えたこと。もうあげん嬉しかことは二度とないと俺は思うとる」
読了日:2010/07/13 -
白石さんの小説は「設定がしっかりしている」「展開も工夫されてる」けど、「くどく理屈っぽい」「人物像が中途半端」となる。心理描写がこじつけ気味で、設定と人物にずれがある感じ。この作品も美貌の女主人公と幼馴染の元ヤクザの関係、交流は無理があっても読ませる。ただ、これでもかという感じの積み重ねは疲れる。もっとシンプルでいいんじゃないかなぁ~
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美帆の物事の判断基準が私にはイマイチ理解できなかった。
国会議員とやくざ、そんな男性を天秤に乗せたことがないから、理解できないのも無理ないかも。
我が子を抱いて命を絶つ、、、小説とわかっていても読んでいるだけで辛いです。 -
タイトルと表紙にぎょっとしつつも、つい先日著者が福岡市文化賞を受賞している模様をローカル番組で拝見したのと、サイン本だからという理由で買ってしまった本。
別に極道小説というわけではない。
生きるということが、登場人物の視点を通して、また「死」を身近におくことによってよりはっきりと描かれている。
以前読んだ別の著書でも「死」を眼前におくことで生きるということが持つ意味が描かれていたが、こちらの作品の方がよりわかりやすいと思う。
何より時間と記憶の描き方が秀逸。敢えて過去と現代をいったりきたりする中で、その時によって記憶の幅が違ったりするのはまるでリアル。現実には、知らないわけではない、忘れているわけではない、しかし、引き出しの奥にしまい込まれた記憶というものもあり、その記憶の顔の出し具合で感情が左右されることなど誰しもに起こっていることであろう。
「美人はなかなか幸福になれない」
という言葉が印象的だった。
テンポよくぐんぐん読める作品。 -
図書館にて。
前回この人の作品を読んだ時はきついなーと思ったけれど、今回は爽快な気持ちで読めた。決して明るい作品をではないけれど、潔い主人公の生き方に共感が持てた。
「男の人はね、みんな生命力が弱いの。あの人たちはね、女が子供を産んで生きていくための道具なのよ。」
この文章を男の人が書いたということがすごいと思う。
どっかの政治家に言ってやりたい。 -
どんな人も悩んでるんだなって思った
それは案外大事なことだと思った