消えさりゆく物語

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著者 : 北杜夫
  • 新潮社 (2000年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103062332

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消えさりゆく物語の感想・レビュー・書評

  • 久しぶりに北さんを読んでみようかと。。。
    北さん本人を思わせる老人が、街中で突如として時代や場所様々な幻視に入り込み、暫くして戻ってくるというパターンの多い短編集。
    もともと掴み所の無い作家さん。ユーモアたっぷりのマンボウシリーズ。ひたすら昏くて重い若い頃の「幽霊」や「夜と霧の隅で」。山岳文学の絶品「白きたおやかな峰」。未読ですが世評の高い「楡家の人々」「輝ける碧き空の下で」。
    最初は何が言いたいのか戸惑いながら読んでいたのですが、途中から若き日の北さんらしい感性(軽井沢や強羅の思い出、乗馬、少年愛など)が随所に現れてきます。一方でそれらを語るのは年老いて寿命を感じつつある北さんです。その二つのギャップが何か不思議な感覚でした。

  • 自らの生死を水に例えた 水の音は 異常に精神的で引き込まれた。
    無謀にも どこか に連れて行かされ戻れなくなる、引き返せなくなるこの感覚はどこか心地良くて苦しい。
    箱根登山鉄道の終着駅や南軽井沢のドライブインシアターの話はふと行ってみたくなるようなものだった。

  • 北杜夫の描く子どもは所謂「子どもらしさ」、ヤングアダルトのような悩みや無邪気さ、成長等々といったものとは遠いところにいる感じ。それでいて、子どもの頃の感覚を思い出すような。私自身は経験したことのない状況ばかりなんだけど。多分、北杜夫の描く子どもというのは良くも悪くも“子どもとはこういうもの”という概念(創作における)から自由なんだろう。子供の頃著者の感じていたこと、執筆している年齢の著者が感じていることが混ざり合っている。こういう子どもを描こうという作為があまりない気がする。
    (「みずうみ」が好きだった。後はあまり印象に残らず(今回は)。異国でヨーロッパ系の二人の少年が出会う話)

    北杜夫は会話文より、少年はそのとき◯◯を目に留めた、とか◯◯と感じたとか、何気ない動作や表情の描写といった、語り手の補足が良い。

  • 北氏の小説は瑞々しい感性が好きで、青年時代は「幽霊」「楡家の人々」などを愛読したものです。期待して読んだのですが、著者の老化を感じてしまいました。むしろ、年齢に応じた問題意識で当たり前ともいうべきですが・・・。初老期を迎えた男性の妄想の世界の哀しさを感じました。

  • 戦争体験に基づき現実と戦時中の空想世界を描いている?私の理解不足で著者が訴えたいことがわからない。途中から飛ばし読み。

  • <font color="#666666"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103062339/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/4103062339.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
    <br clear="left">
    短編と掌編が織り交ぜられた一冊。
    都会・ドライブイン・シアター・茸・駿馬・みずうみ・夕日とひげ・消滅・水の音の8編。

    エッセイかと思わせる風にはじまり、やがて奇妙な世界に入り込んでゆく物語が何編かつづき、そしてそのあとに、「死」を感じさせる小さな物語が配されている。
    エッセイではないのだが、著者の心の奥をのぞいたような心持ちが いましている。</font>

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消えさりゆく物語の作品紹介

初めはごく奇妙なお話がいくつか。そしてやがて消滅へ死へとつながる滑稽でもの悲しい物語がいくつか。著者20年ぶりの本格短編小説集。

消えさりゆく物語はこんな本です

消えさりゆく物語の文庫

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