月のころはさらなり

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著者 : 井口ひろみ
  • 新潮社 (2008年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103063612

月のころはさらなりの感想・レビュー・書評

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  • 「宮部みゆき絶賛」の帯に騙されてしまった感じかな。でもよくよく考えてみると宮部みゆき自体苦手だったんだ(^_^;)

    ファンタジックな雰囲気で描かれる大人との境目にいる少年の一夏の物語といったところか。
    好きな人はたまらない感じなんだろう。
    庵、祠、鈴鳴らし、魂振り。大人になると失われていく不思議な力。
    いや、決して嫌いな設定じゃないけれどちょっと浅いか。人物描写もその背景も。
    どうしても主人公の母親に共感できず、嫌悪感すら覚えてしまい物語に入っていけなかった。

    もっとさらっと読めばいいのかもしれないけど、私には微妙でした。

  • 主人公の人生論が好き。途中、これはホラーかとドキドキしたけれどそんなことなかった。できれば夏に読むべき。一夏の思い出。

  • 十五夜読書にて。
    田舎の古びた庵を舞台に、静かな雰囲気で綴られていく、ちょっと不思議な物語。
    鈴鳴らし、預かり子、魂振り…と不思議な能力が描かれていて、好みの雰囲気でした。
    ファンタジックな要素と世知辛い現実の厳しさとが対比になり、緩やかな時を刻んでいく。
    わりとあっさり物語の幕が下ろされてしまうので、もう少し読ませて欲しかったなーという物足りなさも若干。
    月の下の夜の描写がとても美しくて、十五夜読書にぴったりな作品でした。

  • 大人の一歩手前の
    夏休みの記憶…かな。

    身につまされるような
    切実さとか、そんなんはなくて
    柔くて。

    いつか悟はこの夏を
    忘れてしまう気がする。
    でも、それで良いような。

  • 「月のころはさらなり」・・・枕草子のフレーズに惹かれて手にとった一冊。

    庵で高校生の悟とその母親園子を暖かく出迎えたのは、おんば様と呼ばれる老婆。
    そして庵には預かり子の美少女、茅が。
    彼女は人見知りが激しく、なかなか悟たちの前に姿を現さない。
    そして茅に異常に執着し、悟を敵視する小学生、真。

    母の様子がおかしいことに不安を覚えながら、悟は真と、真の言いなりになっている茅から、この地に伝わる不思議な力について知ることになる。

    庵に行くことを極端に反対する真の父、その姿にいつも弱いものに対して辛く当り散らす父の姿を重ねる悟。

    悟は家を出る前に父を殴っていた・・そしてその父は行方不明に。

    不審な母の行動、谷底で横転していた母の車・・

    悟は思う、あの車のトランクには何が入っていたのか・・?

    最初、真の茅への執着と、真のいいなりになっている茅に、一種の気持ち悪さを感じるのですが、話が進むにつれて他愛も無いというか、「茅に手を出すな」と何度も言ってる真の台詞が可笑しくなってきます。
    そして、言われれば言われるほど、逆に茅を意識してしまう悟・・これって逆効果じゃないの?笑
    年下の真からの暴言を浴びせられながらも、いつの間にか絆が芽生えていく真と悟。
    茅、真、そして悟までもが不思議な「鈴鳴らし」の能力を持っていることで三人の気持ちが近づいていくところもいいなぁ・・。
    そして更に祠の神様の御霊を感じたり、体から魂が抜けて空に浮かんだり・・幻想的です。
    生意気な態度の真が抱える心の傷も、そうだったんだぁと驚いたり。

    悟の父とイメージが重なる感じの真の父だったけれど、ラストは全然違っていたなぁと。
    真のことで悟が思わず叫んだ言葉に心を打たれる真の父、父が感激したことを真から知らされる悟。お互いに温かい気持ちになれるよね。

    『俺は結構感激していたりする。自分の云った言葉が、誰かに通じたことに。』

    ・・悟の気持ち、すっごく分かるなぁ。共感っていいよね・・


    当の真は事の真相を知らなくて、悟が何を言って父を感激させたのか知りたくて、やきもきして悟に問いただしてるのがまた面白い。

    そしてこの地に育った悟の母の決意と、母と大人の話が出来るようになった悟の心の成長もいいな・・。

    母親にとって息子は分からないことだらけだけど、やっぱりどこか繋がっているんだなと安心したり、息子が頼もしくなっていくのが、親として嬉しかったり。
    言葉でなかなか表せないけれど、そんな気持ちがあるんだなと思いました。
    最近、うちの息子も子どもっぽさが抜けてきて、私をフォローしようとしてくれる時があります。
    頼りになるなと思えた時は嬉しいものです。

    そして車のトランクには何が?っていうところは、ぞわりとしますね。
    靴を脱ぎ捨て、川で発見された悟の母の行動も。
    いろいろ想像させられる部分があって、それも引き込まれます。

    日本の田舎の夏・・
    そこに伝わる不思議な現象と風習。
    清流の先にある祠。
    蝉の鳴き声が聞こえてきそうです。
    月の夜の幻想的な光景も目に浮かぶようです・・

    思春期の男の子の気持ちに少し触れたような気がしました。
    同じような年頃の息子を持つ私にとっては収穫かな・・。
    最後は清々しい気分が湧き上がってきました。

  • 読み始めはなかなかとっつきにくい感じでしたが、途中から一気に読めました。
    登場人物みんなに魅力があり、ぼやかしてある彼らの過去に気になります。
    続編があったら読みたい。

    悟がなんか良い子過ぎて泣ける。

  • ■母に連れられ田舎の古びた庵にやってきた悟が出会ったのは、不思議な力を持つ美少女と生意気な少年。女と子供しか入ることのできないこの庵の役割とは?そして、殴りつけたまま家に残してきた悟の父の消息は?懐かしいのに新しい、切なくて優しい新感覚青春ミステリ、誕生。第三回新潮エンターテインメント大賞受賞作。

    ■■朝のニュースで紹介されてたのを見て興味を持ったんですが。面白かったです。出だしは陰鬱とした雰囲気のお話しかと思ったんですが、存外そんなことはなく、明るかったり落ち込んだりしながらテンポ良く転がっていきます。主人公の控えめながら、しっかりと前を見据えた性格が、なんか気に入ってしまいました。優しい。底に落ちた人間が優しいものに触れながら少しずつ立ち直って、前に向く力を得ていくお話でした。

  • 宮部みゆき、絶賛とのことで手にしてみた。ファンタジー&ミステリー?ある庵に戻ってきた、特殊能力を秘めた母&息子の夏休み。深夜の2時間ドラマ向きの話。

  • 母さんについてやって来たのはおんば様の棲む庵だった。
    2人の会話には鈴鳴らしとかたまがけとか
    わからない言葉がたくさん出てきたが、
    どうやら母さんは小さい頃ここに預けられていたらしい。
    家電もないところだし悟は長居する気はなかったのだが
    母さんが足をくじいてしまった。
    怪我が治るまで庵にいることになり
    悟るは預かり子の茅と地元の少年真と出会う。
    装画:久村香織 装丁:新潮社装丁室

    ぼくの夏休み、みたいな話です。
    山奥に住む不思議な能力を持つ少女とか
    普段は味わえないような自然とか。
    庵の役割についての真彦の考えに頷いてしまった私は
    競争社会に毒されているのだろうか。
    悟が17歳にしては幼い。中学生くらいでもよかった気がします。

  • 母に連れられ田舎の古びた庵にやってきた悟が出会ったのは、
    不思議な力を持つ美少女と生意気な少年。
    鈴鳴らしや魂翔けなど不思議系要素はあったけれど、
    なにより悟の母思いなところに心打たれました。
    何もわからないのに辛抱して、口にしないけど気遣って、良い子だな。
    生意気な少年・真も猪突猛進で可愛かった。

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