越境者松田優作

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103064510

作品紹介・あらすじ

出生の秘密、苦悶の青春、そして知られざる死の真相-。壮絶な最期から二十年。元妻にしてノンフィクション作家の著者が描く、衝撃の評伝。

感想・レビュー・書評

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  • 松田優作の評伝。著者の松田美智子さんと結婚していた時期が中心である。
    渡哲也への感想、水谷豊、桃井かおりとの交流、主催していたF企画の仲間との様子など普段の松田優作の様子が垣間見れる。夜仲間を呼んだりするところも、そんな感じだったのかと思う。最後に会った時の様子もブラックレインの頃と思うと、あの表情とリンクするように感じられた。
    ただ、結婚していた時期は詳しいが、その前後はそれほどでもない。例えば亡くなる近くに行っていた居酒屋に行っても、自分の感想で証言はなかったりする。また、他の人も書いているが、自分の話が多いのも気になる。
    再婚の関係者と話すのは、なかなか難しいとは思う。近親者の評伝の難しい点かもしれない。

  • 松田優作の本来の生き様を垣間見る事ができた。松田美智子さんだからこそ書くことができた作品だ。彼女は、松田優作の最大の理解者といっても過言ではないだろう。
    この作品は、昭和の良さやゆるさ、空気感に浸ることができる。メディアで魅せた彼の人間臭さ、苛立ちや貪欲さの裏側で、顔を覗かせる繊細さや寂しさが、彼の表現力の豊かさにつながっていたんだなと読み終えて、あらためて感じる。今まで以上に彼のファンになった。

  • 松田優作世代ではないけれど興味があり読んだ。松田優作の人生については面白かったが、著者の主観が強く、取材した割に嫁や子供に取材が行き渡っていない印象で、暴露本の枠を出ないし、テニヲハがわかりにくいところも散見される。特に医者や宗教家についての評価は目に余る。松田優作のインタビューについて私の家族がどう思うか配慮が足りないと怒るエピソードが出てくるが、松田美由紀や子供達、松田優作の兄弟、医者、宗教家がどう思うか。

  • 優作さんの死から時間が経ち、彼を客観的に見ることができるようになったから書いたとあるが、全編かなりの主観。私情中心。

    随所に「元嫁」である著者の自慢話が何の面白みもなく書かれていて非常に残念。
    また、自慢の仕方がいやらしい。
    優作さんやその周りの人たちに著者自身が褒められた話が多めで、さらに後妻の松田美由紀さんに対する挑戦や批判とも受け取れるところがあり、同じ女性として読んでいてとても不快です。

    私が私が、という表現が多々あり、著者の自己顕示欲のあらわれがものすごい。この内容だったらタイトル名を変えた方が良いのでは?思ってしまう。
    優作さんの評伝というよりも、元奥様の(未練込みの)回想録として読むなら良いと思います。

  • 序章 去っていく後ろ姿;
    第1章 出会いから同棲へ;第2章 おいたち;第3章 スターへの道;
    第4章 離婚;第5章 闘病、そして死;終章 片目の男
    要旨(BOOK):「太陽にほえろ!」「探偵物語」「ブラック・レイン」―。時代を熱狂させ、ハリウッドに渡った矢先、40歳の若さで逝った伝説の俳優。栄光とともに語られるその人生の裏側には、壮絶な苦悩と葛藤があった。
    在日韓国人という出自への強烈なコンプレックス、ストイックすぎる仕事への姿勢、そして死の真相。今まで明かされることのなかった人間・松田優作の真実の姿を描く傑作評伝。

    元松田優作の妻松田美智子による、ドキュメンタリー。
    娘との最後の約束(NYみやげ)は買えなかった。年末に受験頑張れと伝えたのが最後。
    癌があそこまで悪かったことを理解していなかった。
    自分の母が韓国籍であることを隠していた。
    太陽にほえろ!台詞はアドリブ。「なんじゃこりゃ」自分で考えた。
    実の父は日本人。不倫で自分は生まれた。母は売春宿で生計をたてた。
    原田芳雄の年末餅つきとは日をずらした。
    引越し好きで模様替えすき。演技に関しては熱くい。納得しない仕事は断っていた。人間の照明は大作すぎたが、角川が気に入り出演。
    ラブシーンのある映画では、見るなと言われた。ブラックレインのために運転免許を取得。腎臓が片方しか機能していない。長風呂による発汗で調節していた。
    「自分が在日だと知るとファンが悲しむ」と帰化申請理由に書いた。
    松田の兄が初めて挨拶にきた時は「暗い」と怒られた。
    祖母の家を訪れた時、ファンにサインするように祖母に言われていた。
    髪の毛は、自分がカット。本当は直毛。安いパーマをしていた。
    最後は宗教系に頼っていた。インタビューは拒絶された。

  • 09028

  • 絶対に読まねば

  • 等身大の松田優作を語れるのは彼女をして他にいないでしょう。

  • 片方の意見であることは間違いないだろう、前妻の人が書いた松田優作。尾崎豊もこんな感じなのかも。

  • デビュー当時から大好きで、特に映画はほとんど観ています。「蘇る金狼」「野獣死すべし」・・・よかったなぁ。だから、たびたび暴力事件を起こしたときも、また復帰してほしい、と願っていたし、糟糠の妻と別れて、若い女優さんと結婚したときも、酷い!とは思いながら、役者松田優作が好きだったから、応援していたんですよ・・・。でも、この本は読むのが辛かった。元の妻である美智子さんが今でも愛するパートナーにささげる一冊、というつもりで書かれた、松田優作の人となり、なんだろうけど、こんな人を美智子さんはずっと好きだったわけ???と悲しくなりました。もう、なんでもかんでも自分が中心で、カッコいい自分を作り上げるために、ウソとも思わずにウソをつき、家族も犠牲にし、挙句の果ては「別れてくれ」・・・。役者バカと言ってしまえば、あぁ、そうなのかも、と思えますが、知りたくなかったなぁ。ホントに好きな役者さんだったのに。悲報を知ったときには、しばらく立ち直れないほどがっくりしたのに。

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著者プロフィール

料理研究家、日本雑穀協会理事、テーブルコーディネーター、女子美術大学講師。一九五五年東京生まれ、鎌倉育ち。ホルトハウス房子に師事し、各国の家庭料理、日本料理、中国料理など幅広く学ぶ。一九九三年より「松田美智子料理教室」を主宰。季節感を大切にした、美しく作りやすい料理作りを心がける。二〇〇八年、使い手の立場から本当に必要なものを考えて開発した調理道具、食器のプライベートブランド「自在道具」を立ち上げる。『季節の仕事(天然生活の本)』(扶桑社)、『丁寧なのに簡単な季節のごはん 松田美智子料理教室「絶対の定番」』(小学館)など、著書も多数。

「2021年 『おすし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松田美智子の作品

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