夜中にジャムを煮る

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著者 : 平松洋子
  • 新潮社 (2008年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103064718

夜中にジャムを煮るの感想・レビュー・書評

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  • 台所、おいしいものにまつわるエッセイ集。

    なんておいしい文章なんだろう。
    どれもこれもおいしそうで、すばらしい。
    料理は得意ではないけれど、私もキッチンは大好きな場所で、道具なんかも好きなものをじっくり選んでそろえたくなっちゃう性質。

    蒸し物がめんどくさそう、とか、スパイスから作るカレーは大変そう、とか、読みながら「そうそう」って思いながらも、あ、そうやって簡単に考えてもいいんだなー、とか気がついたり。

    「飲みたい気分」の話なんて読んでたら、お酒飲めないのに飲みたくなっちゃうよ。あー、おいしそう。

    すてきなエッセイ集でした。

  • 平松さんが日々の暮らしを丁寧に営まれている様子がよく分かるエッセイ。

    夜更けの静かさの中で一人ジャムを煮る。
    読んでいるだけで、あの甘くとろけそうな香りが漂ってきそうだ。
    そう言えば実家の母もよくジャムを煮ていたっけ…。
    厳かな儀式により果物の一番美味しい時季をぎゅっと封じ込めて、後から時間をかけてじっくり味わう。なんて贅沢!

    この他、平松さん流の食のこだわりがエッセイのアチコチに沢山詰まっていて楽しめた。
    料理をする際の出汁や塩等の微妙な加減や見極めは、何度料理をつくっても難しい。

    平松さんのように、お酒と簡単なおつまみ片手に、一人でオトナのピクニックに出掛ける余裕が欲しい。
    大和煮の煮しめた牛肉をつまみにカップ酒…こんな小粋なオトナになれるかなー。
    一人で飲み屋に入ることさえ出来ない私はまだまだ修行が足りない、としみじみ思う。

  • この方の文章は本当に豊かだ。食に対して、真摯で、誠実で、優しくて、厳かで、敬虔だ。漆を日常使いで育てる。夜中にジャムを煮る。だしと手を結ぶ。塩かげんをぴしりとキメる。おいしい飯炊き道にハマる。手でおいしさを生み出す。ええ加減にお茶をおいしく淹れる。蒸し物名人になる・・・丁寧に、しっかりと食に向き合って生きる。本当に心から憧れる、地に着いた丁寧な暮らし。手元に置いて、何度も読み返したい一冊。

  • 私の食エッセイの評価基準は、何よりも美味しいものを食べた時の追憶ができることと、未知なる食べものへの好奇心がそそられることである。
    なのでこのエッセイは★5つ!
    昔、母が作ってくれたちらし寿司は、著者と同じくうちわでせっせと酢飯をあおいだっけ。
    韓国の臭い食べ物なんてどんな味か想像つかないくらい美味しそう。
    料理本を読むと愕然とするような出汁やスパイスの小難しさも、この本では自分の好きな味を求めればいいと背中を押してくれる。

    著者のような「ていねいな暮らし」に片足突っ込んだ食生活を送ってみたいものだが、まだまだ私には時間もお金も余裕もない。真夜中にジャムを煮る生活は果たしていつになることやら…

  • 日々刻々と変化する果物の食べごろを見極めるのは非常に難しい。でもジャムにすれば、いちばん幸福なときに鍋の中で時間を止めてしまえる。さらに夜更けの静けさの中でジャムを煮れば、夜のしじまが甘美な香りで満たされて幸福感で胸がいっぱいになる。
    母が作ってくれたごちそう、ごはん炊き修業、塩かげんの極意、だしの頼もしさなど、台所で考えた大切なことを綴ったエッセイ。

    料理エッセイはいろいろ読んでいるつもりだが、この本は「おもしろい!」と純粋にわくわくした気持ちになった。他の料理エッセイとの違いは何か・・・それは、食べ物にたどり着くまでの著者の苦労とこだわりが詳細に描かれているからではないだろうか、と感じた。
    例えばごはん炊きのエッセイでは、電子レンジを捨てたことをきっかけに自分の五感を使って料理をすることに目覚めた著者が、炊飯器を使わずにごはん炊きに挑戦する。戸棚の奥に放置されていた文化鍋から始まり、コンパクトな羽釜、お値段3万8000円の土鍋等で試行錯誤を繰り返す。しかし鍋に翻弄された著者の脳裏によぎったのは、割烹の主人の言葉だった。「最終的に愛情ですわ。おいしいごはんを食べさせてあげたい、その気持ちさえあれば、おいしく炊けるもんです」
    目的のものを口にするまで何度も試してはやり直して、著者の研究熱心さがうかがえる、ちょっと読み応えがあるエッセイである。しかし決してストイックなのではなく、おいしいものを追求すること自体を楽しんでいる著者の姿が浮かんでくる。だから読み手である私もわくわくした気持ちになってしまうのだろう。

    しかし残念な点がひとつある。私は読むだけで食べられない。著者が苦労したり手間をかけたりしてでも口にしたい味とはどんなものだろうか。私も夜更けに台所に立って、試してみよう。

  • 調理から器、調理器具まで退屈させないエッセイ。
    一番は題名かな。自分は夜中に味噌汁あっためてます。

  • 2017.11.6

  • 食べることの楽しみを教えてくれる、良い本。

    「今日はなにも食べたくない。どうしても食べる気が起きない。料理なんかしたくない。湯も沸かしたくない。台所に立ちたくもない。
    そんな気持ちになる日は、むりせず逆らわない。いったん自分を受け容れて、よしよしとふところにおさめる。食べたくない気持ち、そのかたすみには、自分でも気づかない、または知りたくない感情も膝をかかえてひっそり潜んでいるから。
    けれども、食べたくない日をどうにかやり過ごせば、きっとそのつぎの日はやってくる。」
    「たったひとりの味を知っていれば、誰かといっしょに食べるおいしさはそのぶん深く、ありがたい。」

  • 今日こそ、今夜はジャムを煮よう。BIOの檸檬を無駄にしない為にも!と決意しているその日にこの本に出会った。
    ジャムはやっぱり銅鍋なのか…。ぐずぐずしていたら、一番美味しい時を逃してしまう。
    『夜のしじまに甘美な香りが混じり始める』…平松さんの食エッセイ。食いしん坊には堪らないな。今晩は絶対にジャムを煮る!!

  • 平松さんの本の読中感はとても気持ちがいい。文章で食べること、料理することの楽しさ、生活と食の深い仲を伝えてくれる人だと思う。それが本のつくりにも表れているような気がする。この本も、巻末にエッセイにちなんだ食べもののレシピが付いていて、そこにさらにその料理に関する一言が添えてあった。

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夜中にジャムを煮るの作品紹介

大切なことは、いつも台所でかんがえる。昭和の母たちのご馳走。ごはん炊き修業。だしの頼もしさ。春の昼酒。台所をめぐる17のエッセイ。

夜中にジャムを煮るの文庫

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