ナニワ・モンスター

著者 :
  • 新潮社
3.30
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本棚登録 : 2000
感想 : 328
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103065739

感想・レビュー・書評

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  • 今回は新型インフルエンザの大騒動や道州制を取り上げながら、痛烈な官僚批判です。
    でも、ただの読み物ではなく・・・
    新型インフルエンザの時の異常な大騒動は我々はみんな知っているのに、滑稽なほどの厚生労働省の対応とマスコミ報道。
    官僚とマスコミ、いろいろなものが見えてきます。
    また、将来の日本のあり方も提示されています。
    是非この本も出来るだけ多くの人に読んでもらいたい一冊です。
    最後は次回にいつながるのでしょうが、ドキドキのまま終わっています。
    早く次の作品も読みたいと思います。

  • 海堂さんのバチスタシリーズの流れにある「ナニワモンスター」です。文庫版の発売を気に、単行本を図書館にて。

     得意の医療ミステリーと思いきや、大きく良いほうに期待を外して、政治色の強い、日本の官僚社会を批判するようなストーリー。久しぶりに、着地点が全く見えない話に、読みながらドキドキする小説でした。

     キャメル、カマイタチ、ドラゴンの3部構成ですが、時系列では、カマイタチ、キャメル、ドラゴンの順です。

     霞ヶ関に関わる部分では、読んでいて自分の位置が行方不明になる難解さがあります。これは私の読書力が不足しているんですが、先を読みたいのに、再確認が必要なのは、歯がゆいです。

    本文引用ですが、
    「日本の人口は減少に転じ、社会は滅びのフェーズにはいっている。必要なのは拡大文明の背骨を支えた過去のロジックを踏襲ではなく、縮小文明の店じまいルールの新たな構築です。」
    これには、正直、シビレました。

     バチスタで活躍した白鳥圭介が、キーマンで少し登場。浪速府知事の村雨弘毅は、おそらく当時の橋下さんがモデルですね。
     物語の主軸に居る、彦根新吾。この人は、バチスタシリーズのどこに居た人でしょうか?「医療界のスカラムーシュ」と呼ばれる彦根医師の暗躍?も読んでみたい。

    バチスタシリーズは、虫食いのランダム読みで、関係性は整理できていないのですが、恐ろしいシリーズですね。

    「ナニワモンスター」もお勧めですよ!!

  • 最後にどうしてあっちを選んだのだろう

  • 海堂さんによる、桜宮サーガの一つ。
    舞台は浪速、現実でいう大阪を彷彿とさせる都市でしょうか。

    スカラムーシュ彦根と斑鳩、鎌形、そして村雨知事。
    Aiを巡る戦いがここでも勃発しています、、司直 vs 医療の。

    この他、カジノ、道州制、医療立国、といった現実とリンクするガジェットも。
    「小説はその時代の鏡」との言葉を実感しました。

    そして、ラストの一つの葛藤が波紋を投げかけて終わります。

    気宇壮大だが、この風呂敷の広げ方はむしろ心地よい。
    極北の物語と併せて、続編が待ち遠しい物語です。

  • 新型インフル・キャメルのパンデミックものかと思い、それなりに期待して読んでいたら、途中から雲行きが…
    結局、検察やら政治が絡んで来て、焦点が絞られてない感じ。
    結局、キャメル問題は簡単に済ませてしまい、消化不良。

  • 毎回のことですが、実話じゃないのかと惑わされる
    実際はこうじゃないと断言出来ないほど、政治の世界は歪み、人は自分本位になっていく
    既得権益にしがみつく縦割りの行政では何も変わらない
    今回選挙があったって自分たちのことは棚に上げ、ネガティブキャンペーンばかりの政党
    どうなっていくのだろう。この国は
    国中の人が、「ありがとう」の感謝の気持ちと「お蔭様」との気持ちがあればもっとよくなっていくのに
    後は、子供たちに綺麗な地球を!

  • あらすじを読まず読み始めたが、10年以上前の作品に関わらず現在のコロナ禍と超絶リンクしていて著者の想像力に感服した。しかし、仮に過去に発生した伝染病の類いの知見があれば予測可能なのであれば、世界共通でパンデミック時のガイドラインが整備されていて欲しかった。作中で第一感染者と認定された家族は地元への出戻りを余儀なくされ、現実社会では出戻りすら拒否されたりしている。また、感染元と疑われている中国人に似たアジア圏人種への暴行事件は酷く痛ましい。3権に医療も食い込ませるべきではないかと考えさせられた。作中の浪速都知事が活躍するのと、現実の大阪都知事が奮起しているのも絶妙リンクでツボ。

  • この作家さんらしく、他の本との繋がりが強い。

    繋がりが判らなくても面白い部分は多い。

    浪速診療所で新型インフルエンザが確認される部分は、リアルで面白い。

    それ以外は、頭上で弾が飛び交っている感じで話が大きすぎていち庶民にはわからない。

    その大きすぎるスケールの話に、他の本で登場した人物達が出てくる。

    その人達を既に忘れてしまったり、読んでなかったりする。

    これを好きな人にはたまらないいんだろうな。

  •  ちょっと話が大きすぎてついていくのが
    苦しかったりしましたが。

     鎌形雅史検事や医師の菊間徳衛さんのものや
    人の見方、考え方は参考にできる部分があると
    思いました。

  • ああ・・・やっぱりまたその話かい・・・しかし、あああ~、そうなってしまうのかい・・・!まぁ、凄いといえば、凄いんですけどね~。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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