村上海賊の娘 上巻

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著者 : 和田竜
  • 新潮社 (2013年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103068822

村上海賊の娘 上巻の感想・レビュー・書評

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  • 「のぼうの城」の和田竜の作品。
    瀬戸内の海賊から見た織田信長と本願寺の戦い。
    斬新な切り口で、スピーディな展開。
    本屋大賞受賞作☆

    村上海賊の末っ子で一人娘の景(きょう)がヒロイン。
    自ら海賊働きをするのが大好きで、腕は立つが気が荒い、大変なおてんば娘。
    彫りの深い顔立ちは当時の基準としては醜女で、20歳になっても嫁の貰い手もない。
    父には甘やかされていて、世間知らずなのだが‥
    実は現代的な顔で、オランダ人が出入りする町ではけっこう美人と思われると聞いて?
    この姫が婿探しをしつつ、戦に巻き込まれていくのです。

    縁談の相手の児玉就英(こだまなりひで)は、毛利家直属の水軍の長で、美丈夫だがやや権高い。
    景の父が条件として持ち出した縁談を、最初は一蹴するが‥
    景が出会う眞鍋海賊の長は、眞鍋七五三兵衛(まなべしめのひょうえ)といい、力自慢の大男。
    なかなか器も大きそう?
    3人とも成長の余地ありなので、先の展開が楽しみです。

    天正4年。
    織田信長と6年も戦い続けている大坂本願寺。
    さまざまな要求に応じても来たのだが、本拠地を明け渡せという要求を断り、ついに徹底抗戦の構えに。
    鉄砲傭兵集団の雑賀党の鈴木孫市は、無謀な闘いと見て気乗りがしないが部下に一向宗信徒が多いため、味方として参じている。
    本願寺の顕如は、お公家さんだったという指摘も面白い。母は公家の出で父を早くに失い、若くして跡を継いだため、人柄はいいが世事に疎いところがあったのでしょう。
    現代では大阪とされる一帯は当時は難波と呼ばれ、大坂といえば大坂本願寺のことを指したそう。
    織田軍が砦で囲んで封鎖してくる中、立てこもる本願寺に食料を運び入れるため、海賊を頼ることとなる。

    瀬戸内では、海賊がいまだ勢力を伸ばしていた。
    海賊といってもむやみに略奪するわけではなく、複雑な海域を通行する船を管理するような立場で、通行料を取り、抗わなければ争うことはない。
    村上海賊で一番大きい能島村上のみが独立を保ち、他は既に大名家の配下同様だった。
    能島村上家の当主・武吉が景の父親。

    武吉に依頼に行くのは、小早川隆景の重臣で水軍の乃美宗勝で、武吉とは旧知の古強者。
    生き残りをはかって態度を鮮明にしない毛利家も、ここへ来て織田につくか、本願寺につくかの決断を迫られます。
    怜悧で賢しい小早川隆景や、豪胆な兄の吉川元治の思惑。
    この二人の甥(長兄の息子)で跡を継いでいる輝元などは、今の大河ドラマでもおなじみの顔で、なるほどと楽しめます。

    癖のある登場人物が生き生きしていて、ずばずばと描写され、面白く読めました。
    映像化にも向いてますね。
    ヒロインは栗山千明でどうでしょう。
    アニメのほうがいいかもしれない‥?

  • 2014年本屋大賞受賞作品。

    このところ、本屋大賞と直木賞は気にしているので、読みたいなぁと思いつつも、分厚い本2巻ということもあって、かなり腰が引けていたのも事実。

    そしたら、読書家の同僚であるセーネンが
    「これ、読みました?気になったんで買っちゃいました。
    よかったら、どうぞ!」

    彼は歴史小説が好きで私が時折、時代小説を読んでいることも知っていて声をかけてくれた模様。

    で、
    ひと月前に借りたのに、2週間たっても音沙汰のない私に、
    「その後どうです?」
    とたずねてきた。
    「1週間かかって、50ページしか読めてないの。もう少し貸してね。」
    と返事をしたところ、
    「最初はちょっと慣れないと厳しいかもしれませんね。ボクはこういうの好きだから数日で読めましたけど・・・。」
    と、少し申し訳なさそう。

    これから、盛り上がりますよとの言葉を信じて読み進める。

    あれれ、盛り上がらないうちに終わっちゃいましたけど・・・?(あくまで当社比)


    戦国時代、織田信長との対立により攻め込まれた大坂本願寺が頼ったのは、毛利家と瀬戸内の村上水軍。
    その村上海賊の王・村上武吉の娘、景。
    なかなかの荒くれ者で、海賊働きに明け暮れるこの娘は醜女で旱婦。その上、なかなかのメンクイのようである。

    立てこもる門徒に兵糧を届けることを求められた海賊たちではあったが、なかなか腰をあげようとはしない。そんなとき、安芸の門徒の口車に乗せられ、景は門徒たちと木津砦へと向かう。
    どうやら今の時代ならばタフで豪傑な美人らしい景には、難波の海で自分の価値を認めてくれて勇ましく惚れ惚れするような泉州の海賊の男を見つけたい!という魂胆があったのだが・・・。

    大坂本願寺で門主たちが集まって、戦いへと進んでいく場面も、貧しく一途な門徒たちとのやり取りも、毛利家や村上家の中で織田方もしくは本願寺のどちらにつくかという話し合いも、泉州の海賊・眞鍋七五三兵衛との出会いも踏み込みが浅いというか、感動する間を与えずどんどん進む。
    なんだか映画的であるような・・・。

    また別の同僚さんが
    「作者は大量の資料を読み込んで書いているそうで、史実に基づいているとのことですよ」
    と教えたくれたのだが、確かにそのようで、ドラマチックなスペクタクルも感動的な逸話もほぼなし。
    史実に忠実に、その範囲のなかで最大限の解釈とストーリーの展開を楽しむもののよう。

    私としては勢いが十分つかないまま、下巻へと続く・・・。

  • 『のぼうの城』の著者が放つ、胸が熱くなる戦国時代小説!
    単行本化をずっと楽しみにしており、さらに本屋大賞ノミネート作ということで、高まる期待を胸に読み始めました。

    織田信長と対立し危機に立たされた大坂本願寺は、毛利家に兵糧支援を願い出ます。
    その兵糧の運び手として白羽の矢が立ったのが、瀬戸内海の王者・村上海賊でした。
    本書の主人公・景(きょう)は、村上海賊の頭の娘で、海賊働きに明け暮れる地元では有名な醜女。
    彼女はひょんなことから、一向宗の門徒たちを大坂本願寺まで連れていくことになりますが…

    景がとてもかっこよくて、目が離せません。
    醜女といっても当時基準の醜女。
    約180cmの長身に、引き締まった手足、彫りの深い顔立ちにらんらんと光る大きな眼。
    顔もスタイルも抜群じゃないか…!
    それで男たちを従えて舟を乗り回し、刀を手に他の舟に乗っ取りをかけていく姿が目に浮かぶよう。
    まだまだ精神的に未熟な部分もありますが、とても魅力的な闘うヒロインです。

    また、泉州の海賊や侍たちの、阿呆なくらい突き抜けた明るさや騒がしさがすてきです。
    戦になっても騒がしさはそのままに、だけれども強いこと強いこと。

    景をはじめとする村上家と、泉州海賊・眞鍋家がどんな関係性になっていくのかが見ものです。

  • ブックカフェにて読了。図書館待ちする事もなかったのでラッキーでした。のぼうの城の作者、と聞けば期待も膨らみます。一瞬分厚さに怯みましたが読み始めればテンポ良い会話など、どんどん読み進められます。醜女という設定は知りませんでしたが、最初の景の描写で「いや悪いように書いてるけど、美人よね?」と感じたのですが結果正解でした♪夜這いをかけられるシーンは思わず吹き出します。後半の戦いの部分で一気に白熱していき続きがとても気になります。雑賀鉄砲隊、めっちゃ格好いい❤下巻も近々読みに行きます。

  • 今年の本屋大賞ということで、読み始めましたが遅遅として前に進まないストーリー、「ったくよお」とか「ないのかよ」とかの現代語に、違和感を感じます。とても下巻まで進めず、、300ページあたりで挫折。

  • 最初に綴られた説明部分で読み切れるのかちょっと不安になったが、本編に入ると村上水軍の娘景とその周りの人々とのやり取りが楽しくて入り込んでいった。

    ただ上巻はタイトルとは変わり後半は本能寺を取り巻く戦の場面が多く肝心の「村上海賊の娘」の出番が少なるが下巻どう描かれるか楽しみ。

    しかし、景が大阪を目指す理由が自分は地元では「醜女」と呼ばれるが大阪へ行くと「美人」と呼ばれるらしいからというなんとも単純な理由から大阪を目指すというなんとも言えない理由がやがて大きな戦の波にのまれていくのだから堪らない。

  • 2014本屋大賞受賞作。
    毛利家とのビミョーな関係から、石山本願寺への兵糧入れに一枚噛むことになった村上一族。
    タイトルロールである、当主・村上武吉の娘である景(きょう)は異形の姫君。
    代表作のぼうの城のじゃじゃうま甲斐姫をはるかに超える、真性S系の凶暴な女性は、鮮やかな色彩を放ちどハデに登場し、否が応でも興味を引かれる。
    毛利方と村上との会見シーンも視覚的で、数多い登場人物もすんなり頭に入ってくるし、半分近くまではぐいぐいと読み進んだ。

    が、その後が長い......
    景は勝手に一向信徒について大坂まで行っちゃうのだが、そこで一向門徒と織田の合戦がはじまって.....長い。
    一ヶ月かかっても一回の表が終わらない野球マンガを彷彿とさせる長さ。
    いやもう、そこの細かい描写いいから、先行こうよ、そういえば景ほったらかしだしさ.... と、ぜぇぜぇしながら前半終了。
    後半戦に期待。

    面相は全くちがいますが、映像化するなら景は杏くらいしか思いつきません。
    ぜぇぜぇ

  • (最後まで読んでの感想)
    上巻は3章の途中まで。4章が幕間で、5章がメイン。そういうわけで上巻は、全体から見ると壮大な序章というイメージがある。

    ところが、その序章が抜群におもしろい。戦国時代のあまり知られていない側面を扱っていること、登場人物が魅力的であること、物語のテンポがいいことが原因だろう。とても楽しく読むことができる。

    主人公の描き方はすばらしい。ある意味現代的な感覚で造形しているのだと思うけど、感情移入できるし、また見守りたい、応援したいという気持ちになる。だから、彼女を巡って物語が進んでいく時、彼女に係わって人が動いていく時、すんなりとそれが納得できるし、ワクワクしてくる。

    序章ではあるけれど、序章としてきっちりとひとつの事件としてまとまっているので、そういういう意味でも安心して読める。ただし、3章の途中で上巻が終わってしまっているから、読み終わると同時に下巻に手を伸ばさざるを得ないのだけど。

  • 読了。

    歴史物は苦手で最初読み辛かったけど、読み進めていたら慣れてきた。

    合間に解説も入るのでわかりやすかった。

    村上家がつこうとしている毛利家に肩入れしつつあったけど、話が進むと織田家のキャラクターに思い入れが深くなる。

    でも孫市どうなるの!?とか。門徒も心配。

    下巻楽しみ。
    (161130)

  • 読み進めるうちに主人公の魅力が減衰していったなあという印象。序盤の景は当時の価値観のなかで、何も憚らず自由に振る舞っていて、男社会の中でも周囲に引けを取らず強く生きる姿にとても好感が持てたのだけれど、(読み返せば目立たないだけで最初から一貫してそういう性格だったのだけれど)最後に思慮の浅さや甘さを露呈してしまってこれじゃあ「海賊」じゃなくてやっぱり「女の子」じゃん、と…
    どこまで描かれるのかはわからないけど、ここからの景の成長を含め下巻に期待。スピード感のある作風は好き。

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村上海賊の娘 上巻の作品紹介

『のぼうの城』から六年。四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、ケタ違いの著者最高傑作! 和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。

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