甦る零戦 国産戦闘機vs.F22の攻防

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103069621

作品紹介・あらすじ

核をちらつかせる北朝鮮を前にして、日米同盟の呪縛により混迷を続ける日本の防衛戦略。次期主力戦闘機選定を巡り日米の鍔迫り合いが水面下で激化する中、一方で国内自主開発プロジェクトが胎動していた-。「見果てぬ夢」の実現は可能なのか?日米の暗闘を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 都立図書館で読む。非常に興味深い本でした。日本の航空機産業を過大評価している気がします。完成品こそ競争力がありませんが、部品は競争力があります。これが、誤解なのです。付加価値が高いのは部品ではなく、ソフトの部分なのです。この部分を欧米に握られている以上、飛行機はできないのです。また、大部分の利益は、欧米のものになります。多分、著者も、取材相手の防衛省の幹部も分からないのです。それだけです。

  • 猛禽類という異称を有するF22。

    次期主力戦闘機の攻防が明らかになったいまとなっては、
    日米の駆け引きの結果は虚しさが感じられてしまう。

    ただ、純国産を・・・という熱意の結晶については、
    何も知らなかっただけに驚きだった。
    もちろん、書けないこともあるのだろうが。

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  • いつか、必ずその「戦場」でお互いの知識、経験、ノウハウや創造性を持ち寄ってしのぎを削ってみたい。その結果、日米両国の力を結集させて開発する戦闘機tこそ、真の意味での「日米共同開発機」と呼べるのではないか_。


    感動した。自分が高校の頃に無理だろと、調べもせずに切り捨てた国産を信じて何世代も引き継いできた”思い”があった。
    知らないことはもはや”害”だと感じた。果たして身の回りのいくつの判断を、徹底的に調べてから下しているのだろうか。せめて自分の中で一番の事だけは徹底したい。
    そしてやはり自分の努力なんてしてないにも等しいほど、激しい努力を継続していらっしゃる方がいた。まだまだだ。

  • 一見技術開発の話に見えるが、その実は、官民を交えた外交のお話。防衛政策と産業政策、通商政策は、それぞれバラバラには存在しないのだ。読み終えたとき、「上兵は謀を伐つ。その次は交を伐つ。その次は兵を伐つ。その下は城を攻む」(孫子 謀攻編第三)が頭に浮かんだ。

  • 零戦以来、FSXが日米開発になり、次は心神がとりあげられている。現実F-22ラプターが生産終了、F-35ライトニングⅡがまだまだ開発途中であることを考えると、今後どのような展開になるのか、その意味でも一読するべき本。

  • ここ数ヶ月の間に読んだノンフィクションでもっとも面白かった。F-2開発の裏でのやり取りで日本側として独自開発を推していた事実は感慨深いものがる。一国民の自分としては純日の丸国産戦闘機っていうものができてほしいと思う。それを大々的に公表して年金がもらえないんだったら正直許せてしまう。将来性があって、航空機の先端技術を獲得し技術立国ができると考えられるからである。
    そして、今F-22をアメリカが輸出せずF-35を推しているようだ。しかし、F-35が日本の要求する水準を満たすとは思えない。日本が欲しているのはインターセプターである。単発、軽量機でそれが満たせるとは思えない。とはいえラプターはいくらなんでも高価すぎるとは思う。日の丸ラプターみたいけども・・・。正直タイフーンで悪くないと思っている。魔改造したタイフーンとか見たい。で、イーグルの後継に独自開発の心神量産版というのが日本にとって悪くないと思う。NATO同士であるわけだからインターオペラビリティも悪くないと考える。
    そんな風に久しぶりにF-Xに夢を持ったり、日本の防衛の罠、とう面白い本であった。

  • 日本の防衛の在りかたを考えさせる本。

  • 心神の開発よりも、日米関係や国防と政治の状況・問題点などにページを多く割いている。
    単純にジェット機開発を進めることができない日本の現状を考えると仕方のないことなのだろう。
    「国産戦闘機開発」の歩む道は綱渡りの綱よりも細く、儚い。

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著者プロフィール

春原 剛
春原 剛:日本経済新聞社編集委員

「2013年 『オバマと中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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