有名な歴史作家なので期待していたが、読み飛ばしてやっと終わった。読むのが苦痛だった。
神功皇后が海の神の子という、キリスト教の処女懐胎のような設定。仲哀天皇のキャラクターがただのエロ親父で、ずる賢い参謀役がいる。ヤクザっぽい。そして皇后の懐刀になる武内宿禰には、本作では意外な裏設定がある。
資料にもとづいた歴史小説を期待したのだが、古くさいファンタジーの域を出ないし、キャラクターの言動も幼稚すぎる。姫尊は駄々っ子だし、色気を感じない。
荒れた海のシーンが頻出するが、描写が浅くて臨場感がない。やっつけ仕事で書いた感じが否めない。風俗とか西成とか薄汚れた世界を扱ってる人が書いたら、こうなるのか。
淡々とした説明口調で、とくに心を掴むものはない。
ただ閨のシーンだけ目立っているような三文小説。
当時古代史ブームだったせいか、この程度の古代史小説でももてはやされたのだろうか、と思ってしまう,失礼ながら。