アカペラ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103080114

感想・レビュー・書評

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  • 中学3年で進学しないというタマコと共に暮らすおじいちゃんの日常を描いたアカペラ。

    家出して20年たち父親の死をきっかけに実家に帰ってきたハルイチを描いたソリテュード。

    社長の愛人と囁かれながら30年勤めながら身体の弱い弟と暮らす志保子を描いたネロリ。


    どの作品をとっても、どろりとした感触で少しきみの悪さもある。
    人にはそれぞれに弱さや脆さ、汚さなどがあって
    見えているもの、見えていないものがあるだけ。

    読み心地は良くないけれど、自分の汚いところから目をそらさずに。

  • 3編からなる短編集

    ①アカペラ
    ②ソリチュード
    ③ネロリ

    ①アカペラより
    「〜勉強はやりたくなったらできるから。〜略〜
    ずっと先のことよりも、あたしは二、三年先くらいのことを大切にしたい〜略」

    上の文章に関心してしまった。

    主人公の歳である中3の時何を考えて生きてたかなと頭の中の思い出を掘り起こすと、
    学校生活を時流れに従ってただけに思う。
    将来なんてまだ先の先くらいの感覚。


    どのお話も読みやすく、一気読みしてしまいました。

  • 3つの短編集。全て近縁での関係がテーマにある。
    どの作品も登場人物の主観毎に場面が展開していく。

    ▪️アカペラ
    タマコの独特の語り口調ですすんでいく。仕事をするには学歴は関係ないと思うけれど、学歴があった方が選択肢が広がるのも事実。
    この話(全話通じて)で1番共感できるのは、教員の蟹江。
    仕事とプライベートの境目が曖昧になっていく感じがリアル。
    今の仕事を好きでやっているわけでなく、なし崩し的にやっているところも共感。

    ▪️ソリチュード
    高校生で家でして東京にでて実家に一度も帰らず、父の死をきっかけに帰宅する春一の話。
    いとこの美緒とその娘一花との関係を軸に話がすすんでいく。
    春一の親友武藤が春一に対して言ったスナフキンのくだりは上手いと思った。
    長い間不在にしているとどんな関係性でもやっぱり少しずつ変わってくるのだと思う。
    それが元恋人であれ、夫婦であれ親子であれ。
    最後は東京に戻ってよかったんだろうね。

    ▪️ネロリ
    独身の中年姉弟を描く。弟は病弱で定職につけない(つかない?)。先行きが不安な中で姉の離職、結婚の話が出るが弟を思うと何事にも踏み切れない。
    弟の恋人(友人?)の心温の最後の語りが衝撃。
    自分の名前の由来を知った時はどう感じたんだろうか

    どの話も目を背けたくなるシーンがある。
    決して手放しで幸せとは言えないけれど、どん底の不幸でもない。
    ただ報われることのない関係に流されている人々。
    みんな懸命に生きているだけに辛いものがある。
    どうしょうも無い袋小路でもがいている人こそ幸せになってほしい。




  • 2冊目、かな。
    通勤時に心が軽ーくなるような本探していて手に取りました。
    まぁ、軽ーくなる、というより、しばし日常を忘れられるという点では良かった。仕事疲れで結局通勤時は寝てばかりであまりこれは読めなかったかな。
    三作入っていて、それぞれ別の話。音楽系でまとめられているかと思いきや、三作目のタイトルは、アロマオイルの名前だった。一作目のタイトルであり、本のタイトルでもある、アカペラ、はいま思い出してもなぜアカペラだったのかわからないぜ。

  • (๑-﹏-๑)

  • 山本文緒さんの復帰作と言う事で、期待していたからか、ちょっと今までと違うものを感じました。「アカペラ」は途中で読むのをやめようかと思ってしまうくらい。後の2作はさらさら読めました。

  • うーん、家族のきずなはわかるけどちょっと気持ち悪かった。

  • 他の山本文緒作品とは少し毛色の違う感じ。他の作品では異常な中にもリアルさを感じられるのだけど、この作品はあまりリアリティがなかった。

  • ブラック。

  • 著者復帰作。中編3編。
    人生から少し外れたような人達の話。
    味わいはあるが、好きな話ではなった。
    (図書館)

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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