ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (1993年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096115

ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記の感想・レビュー・書評

  • ハンニバルかっこよすぎるううう!史実だから結末は分かってるのに、なんでこんなにハラハラするんだろう。この戦いを見届けるまでは絶対寝ないぞ!っていう気持ちになる。久しぶりの一気読み。ハンニバルとスキピオの師弟対決、めちゃくちゃ面白かったです。10個くらい星をつけたい。

    スキピオが大好きだったので、晩年は切なかった…カトーなんかとのケンカに何故負けたし…!

  • 前巻でイタリア半島を統一したローマが、その領土を地中海全域へ拡げることとなったポエニ戦役を中心に描かれる第2巻。しかし、主人公はローマ人ではなく、ローマのライバル国カルタゴの武将ハンニバルだ。

    とにかく、このハンニバルが圧倒的存在感を醸し出す。部隊を率いてアルプス山脈を越えて、ローマへ侵入、イタリア半島を縦横無尽に動き回り、ローマを混乱させる。

    しかし、ローマに若きヒーロー、スキピオが登場したことで形勢逆転。ハンニバルをイタリアから追い出し、「ザマの会戦」で直接対決が実現する。

    2人の英雄の関係はガンダムのシャアとアムロっぽい。

  •  戦いに明け暮れる感じの2巻。戦争だから人が死ぬ。それもものすごくたくさんの数が。特にローマ兵士達の誇らしげな戦い方が心に残る。強制されて戦うのではなく、自分たちが大切に思うものを守るために戦っているんだな、という感じが実に伝わってくるのだ。ちょっとやばいかもしれない。

     ハンニバルとかスキピオとか、名前と一行くらいの業績を知っていたくらいだったけど(スキピオはそれも怪しいが)、いかにそれがやせた歴史のとらえ方だったのかということがとてもよくわかる。
     それと同時に、いかに天才であっても、個人は個人でしかなく、結局はシステムと、それを支える多くの人の意識が、世を動かし歴史を変えているのだと言うことがよくわかる。

     この時代のローマ人の判断の仕方が好きだ。理性と論理、誠実さと名誉を重んじる集団は美しいと思う。
    2007/3/16

  • ハンニバル、すごい人だな。
    職業としての軍人がストレートな形で存在しない日本では、
    軍人として生きる男の感覚が、私には肌で理解できない。
    そういう意味でもこの小説の男たちが、どう考え、どう生きたのか
    知るのはとても興味深い。

  • O市図書館より借用。

    第一次ポエニ戦役からカルタゴの滅亡までを、ハンニバル、スキピオの両武将を中心に描く。
    面白くて、2日間でいっきに読んでしまいました。

  • ハンニバルとスキピオ。両雄のぶつかり合いだけでなく、人としての交わりが素晴らしい。他の指導者とはまったくレベルの違う指導者だったんだろう。塩野さんの読ませる文章でずんずんと読んでしまった。


  • 日本で言う2000年前、弥生時代の頃のローマが描かれている

    ハンニバルの攻撃戦略、ハンニバルに苦戦しながらもスキピオ・アフリカヌスの戦略・戦術が

    図解を用いて分かりやすく解説

    英雄と今日でも称えられる彼らの戦略には当時の現状を考えると脱帽です

  • 第2巻はイタリア半島を統一したローマが、ハンニバルの率いるカルタゴを滅亡させるまで、紀元前264年から紀元前146年。

    ハンニバルとスキピオの対決する第二次ポエニ戦役、ザマの会戦の描写は素晴らしい。2000年前の北アフリカにいて、激闘を見ているような迫力である。著者の筆力に感嘆しながら読んだ。

    「天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることの出来る人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである」
    「年齢が頑固にするのではない。成功が頑固にする。抜本的な改革は、優れた才能を持ちながらも、過去の成功には加担しなかった者によってしかなされない。しばしばそれは若い世代による」
    「ローマがカルタゴとの間に結んだ講和は、正義が非正義に対して下す、報復・こらしめではなかった。戦争という、人類がどうしても超脱することの出来ない悪業を、勝者と敗者でなく、せいぎとひせいぎに分けはじめたのはいつ頃からであろう。分けたからといって、戦争が消滅したわけでもないのだが」
    「他者よりも優れた業績を成しとげたり有力な地にの昇った人で、嫉妬から無縁で過ごせた者はいない。機会は、相手に少しでも弱点が見えたときだ。・・・」
    「歴史現象は必然的な勢いで進行したと考えがちであるが、ほとんどはそのようにはきれいに進まない」
    「カルタゴ滅亡のとき、ローマの勝将・・・かっては栄華を誇った帝国の滅亡という、偉大な瞬間に立ち合っている。だが、この今、私の胸を占めているのは勝者の喜びではない。いつかはわがローマも、これと同じときを迎えるであろうという哀歓なのだ」

  • 余りにも有名なハンニバル戦役をふくむ三度のポエニ戦役を活写。第二巻でいきなり最高潮の物語。しかし、単なる合戦描写におわらず、戦勝国、敗戦国各々が抱える問題点が提示される。「戦争終了をどのように行ったかで、その国の将来は決まってくる」、「自主的な交戦権を認めない・・・これではカルタゴは完全な独立国であるとはいえない」。

  • ポエニ戦役からカルタゴ滅亡まで。
    1巻は流れを緩やかに追うような語りだったが、この巻ではハンニバルとスキピオの対決を焦点に、圧倒的な戦闘の模様を生き生きと濃密に描いている。
    過酷なアルプス越え、周辺諸国がどちらと共闘するか、そして戦術の対決。
    一気に読んでしまう緊張感ありました!

  • 戦後は勝者と敗者が生まれるだけだったのに、いつからか正義と非正義がついてきた、なるほど。

  • この本の面白さは、ローマ目線とカルタゴ目線の展開の早さと感じました。戦勝国や敗戦国として、どちらかを取り上げるのではなく 両方の目線で プロセスを分析する本だと思います

    正義とか悪とかの話ではなく、将棋の感想戦のように 行動の動機を考える本だから ビジネスマンに人気があるのでしょう

    ローマは 税の取り方をシステム化して、国を近代的に運営していることに驚きます

  • 天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
    ローマの元老院は、絶望的な現状の打開に、はじめから大風呂敷を広げるという誤りは犯さなかった。全戦線は視界に収めながらも、必要に迫られている戦線から、当時のローマの力でできる範囲で、反撃を開始したのである。
    シラクサには、アルキメデスがいたのである。一人の人間の頭脳の力が四個軍団にも匹敵する場合があることを、ローマ人は体験することになる。
    ローマは旧敵国の指導層の子弟、つまり旧敵国の指導層予備軍を選んでローマで学ばせ、ローマのシンパに育てるやり方を好んだ。人質といっても、牢獄につながれるわけではない。適当な家庭に預けられ、家族同様にあつかわれ、その家の子供たちと一緒にその家の家庭教師に学ぶのが、ローマ人の考える人質であったのだ。
    七百年もの長い歳月、カルタゴは、広大な土地を、多くの島々を、そして海を支配下に置いてきたのだった。それによって、カルタゴは、これまでに人類がつくりあげた強大な帝国のいずれにも遜色のない、膨大な量の武器と軍船と象と富を所有するまでになっていた。・・・それが今、落城し、完全に破壊され、地上から姿を消そうとしている。スキピオ・アフリカヌスは、伝えられるところによれば・・・、敵のこの運命を想って涙を流したという。勝者であるにもかかわらず、彼は想いを馳せずにはいられなかった。人間に限らず、都市も、国家も、そして帝国も、いずれは滅びることを運命づけられていることに、想いを馳せずにはいられなかったのである。

  • 個人の力量に過度に依存することなく、あくまでも政治のシステムに従い総力戦で難局を乗り越えたローマには勇気を与えられる気がする。

    現代の日本でも個人の力で動いている組織は少なくないと思う。そういう組織はハンニバルを擁したカルタゴのようにいつかどこかで綻びが生じるだろう。特定の個人に依存するのではなく総力戦で挑むという心構えを古代ローマから学びたいと思う。

  • ハンニバル対ローマの十数年戦いの物語。

  •  ハンニバルのアルプス越えに至る場面で、しおりをはさみ、会社に向かう自分…。クライマックスでの読書の中断がとてもつらい一冊。この巻も教養の宝庫。
     第一次ポエニ戦役では、ローマ軍は海軍を持っていなかったのに、カルタゴを模倣した軍船を作り、翌年には早くも海に操りだすという無謀さ。舟を一線に並べることさえ思うようにいかないのをカルタゴ軍に嘲笑されたにも関わらず、最初の会戦に勝利。
     第二次ポエニ戦役は、ローマ人曰く「ハンニバル戦争」。「カンヌの会戦」でハンニバルに歴史的大敗。ハンニバルとの戦いが、ハンニバルの悲願とは反対に、ローマを壊滅どころか強くしてしまうという歴史の皮肉。
     シラクサの攻略では、アルキメデスに苦戦させられ、「老いぼれ一人に振り回されるとは何ごとだ」と嘆く場面も。アルキメデスの最後は、陥落時の混乱の中でも数学の問題を解くのに熱中していて、殺されてしまったとのこと。(熱中している姿を想像すると微笑を禁じ得ない。)スキピオとハンニバルの没年は同じ年なのは、不思議な感じがする。
     カルタゴ滅亡の画面は、歴史家ポリビウス(カルタゴ陥落の現場に居合わせた)の『歴史』の、中世を経て3分の2も残っていないうち、カルタゴ落城の画面は断片でしか残っていないとあるが非常に残念。どこかの図書館に埋もれて残っていないだろうか。他の著作からの引用があるが、目の前で炎に包まれ瓦礫と化すカルタゴを、勝者であるスキピオ・エミリアヌスが悲哀を感じながら眺めるという画面においては、無常を感じずにはいられない。
     外交下手なカルタゴは、日本の外交下手に通じるところがあるのかも?ローマが覇者となり、同盟国への軍事介入を始める時期にあたるが、集団的自衛権について考えさせられる。
     また、自治と独立を求めたギリシア人が、逆にそれを求めてローマに戦いを挑み、手にしていた自治を失うことになるのも考えされられる史実である。

  • ハンニバルが強すぎる。
    最後のギリシャのせいでつぶれたカルタゴがかわいそうでした。ローマは悪くないと思うけど‥‥私にはとことん敗者に寛容な国に読めます。また多分か理解に対し、とても謙虚な姿勢に見える。
    ローマ軍は多国籍軍、この強さだなあ。
    若く魅力的なスキピオですが、最後はなんとも、かわいそう。

    敗将を罰しないのは平民の将では平民から反発が、貴族の将では貴族から反発がうまれるから、という考察はなるほど。

  • この第二巻は、ハンニバルのカルタゴとローマの戦いのポエニ戦役が舞台。

    ハンニバルはもちろん聞いたことはあるが、実際にどんな戦術でローマと闘い、どんな人物だったのかは、世界史を知らない私にはまさに未知の世界。

    実際、読み進めていくにつれ、ハンニバルへの思いが強くなり、フィクションの戦争小説を読んでいるような気持になった。

    歴史名を残す武将・ハンニバル。 彼の戦術は、2000年以上前のものとは思えないほどに緻密なものであった。

    私の完璧な偏見ではあったが、紀元前の世界では絶対王政、戦いは単純な歩兵同士の激突、と考えていたが、ハンニバルは違った。

    情報戦、今でいうインテリジェンスに長けた戦術家という印象を与えるハンニバル。

    そのハンニバルを破った、ローマの若き武将・スキピオもまた魅力的な戦術家である。

    著者は、スキピオをハンニバルの弟子と称しているが、優れた戦術を十分に生かし、さらにそれを己のものとして利用することができたスキピオは優れた才能の持ち主であったのだろう。

    今の時代でも、教えてもらったことをどう生かせるかが重要であることは同じである。

    それにしても、当時のローマの政治というのはおもしろい。

    戦いに敗れた国を征服、侵略するのではなく、同胞あるいは属州として存続させ、ローマ連合という大きな組織を作ることに成功しているのは、まさにローマ人ならではの考え方である。

    そんな紀元前のローマにも、嫉妬というのは存在していたというのも興味深い。

    現代ではスキャンダルによって影響力を失う政治家をよく見かけるが、昔も今も似たようなものなのか。

    ローマを守り、勢力を拡大させたスキピオは結局最後はローマを離れて死を迎えるわけだが、なんともさみしい終わり方である。 


    優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。
    率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思わせることに成功した人である。
    持続する人間関係は、必ず相互関係である。一方的では、持続は望めない。

    興味深く言葉である。 確かにその通りなのか・・・ 実際ハンニバルはそうであったようであるが。

    ポエニ戦役後、スキピオを失脚させたローマは大カトーの台頭により、穏やかな帝国主義から厳しい帝国主義へ変革していくが、これも歴の流れからいえば必然なのか・・・

    第三巻がまた楽しみになった。

  • カルタゴ国滅亡という結果に終るポエニ戦役。興隆の途にあるローマ人は、はじめて直面した大危機を“ハンニバル戦争”と呼び、畏れつつ耐えた。戦場で成熟したカルタゴ稀代の名将ハンニバルに対して、ローマ人は若き才能スキピオとローマ・システムを以て抗し、勝った―。歴史はプロセスにあり、という視点から余すところなく、しかし情緒を排して活写される敗者と勝者の命運。

  • 胸踊らせながら読める、史実を追った戦記物。
    必読。

  • 読みたい巻から読めばいいという話を信じて読んでみましたが、そのとおりでした。
    完全な伝記というよりは、事象を追うといった形で、会話文などはほとんどないですが、それでも楽しみながら読んでしまうのは、なんでなんだろうと不思議なところです。

    楽しみながらとは言っても、やはりサクサク読める内容でもないので、それなりに読み終わるには時間がかかりました。教科書で5行も、深く調べていくと、こんな壮大な物語が含まれているんだということに驚きます。

  • ハンニバルも良いけど、やっぱスキピオですよね。戦術大好きになりました(前からそうだけど)。包囲作戦は爽快。しかし悲惨。

  • イタリア半島に地盤を固めた共和制ローマが、地中海の覇権をかけて、カルタゴとの三次にわたるポエニ戦役を戦い抜く過程を描いています。中心となるのは、第二次ポエニ戦役のカルタゴの将軍、ハンニバル。アルプスを越えてイタリアに侵入し、卓越した戦術でローマ軍を苦しめる知将ハンニバルに対し、ローマは組織力で対抗します。直接対決を避けつつ、一歩づつハンニバルを追い詰めてゆくうちに、ローマでは若きスキピオがその才能を開花させました。そしてついにアフリカに渡り、カルタゴとの雌雄を決するザマの会戦へ。ローマがローマたる要因が何であったのか、それを如実に示す歴史が展開されます。

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カルタゴ国滅亡という結果に終るポエニ戦役。興隆の途にあるローマ人は、はじめて直面した大危機を"ハンニバル戦争"と呼び、畏れつつ耐えた。戦場で成熟したカルタゴ稀代の名将ハンニバルに対して、ローマ人は若き才能スキピオとローマ・システムを以て抗し、勝った-。歴史はプロセスにあり、という視点から余すところなく、しかし情緒を排して活写される敗者と勝者の命運。

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