ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096115

感想・レビュー・書評

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  • 前巻でイタリア半島を統一したローマが、その領土を地中海全域へ拡げることとなったポエニ戦役を中心に描かれる第2巻。しかし、主人公はローマ人ではなく、ローマのライバル国カルタゴの武将ハンニバルだ。

    とにかく、このハンニバルが圧倒的存在感を醸し出す。部隊を率いてアルプス山脈を越えて、ローマへ侵入、イタリア半島を縦横無尽に動き回り、ローマを混乱させる。

    しかし、ローマに若きヒーロー、スキピオが登場したことで形勢逆転。ハンニバルをイタリアから追い出し、「ザマの会戦」で直接対決が実現する。

    2人の英雄の関係はガンダムのシャアとアムロっぽい。

  •  戦いに明け暮れる感じの2巻。戦争だから人が死ぬ。それもものすごくたくさんの数が。特にローマ兵士達の誇らしげな戦い方が心に残る。強制されて戦うのではなく、自分たちが大切に思うものを守るために戦っているんだな、という感じが実に伝わってくるのだ。ちょっとやばいかもしれない。

     ハンニバルとかスキピオとか、名前と一行くらいの業績を知っていたくらいだったけど(スキピオはそれも怪しいが)、いかにそれがやせた歴史のとらえ方だったのかということがとてもよくわかる。
     それと同時に、いかに天才であっても、個人は個人でしかなく、結局はシステムと、それを支える多くの人の意識が、世を動かし歴史を変えているのだと言うことがよくわかる。

     この時代のローマ人の判断の仕方が好きだ。理性と論理、誠実さと名誉を重んじる集団は美しいと思う。
    2007/3/16

  • ハンニバル、すごい人だな。
    職業としての軍人がストレートな形で存在しない日本では、
    軍人として生きる男の感覚が、私には肌で理解できない。
    そういう意味でもこの小説の男たちが、どう考え、どう生きたのか
    知るのはとても興味深い。

  • O市図書館より借用。

    第一次ポエニ戦役からカルタゴの滅亡までを、ハンニバル、スキピオの両武将を中心に描く。
    面白くて、2日間でいっきに読んでしまいました。

  • ハンニバルとスキピオ。両雄のぶつかり合いだけでなく、人としての交わりが素晴らしい。他の指導者とはまったくレベルの違う指導者だったんだろう。塩野さんの読ませる文章でずんずんと読んでしまった。


  • 日本で言う2000年前、弥生時代の頃のローマが描かれている

    ハンニバルの攻撃戦略、ハンニバルに苦戦しながらもスキピオ・アフリカヌスの戦略・戦術が

    図解を用いて分かりやすく解説

    英雄と今日でも称えられる彼らの戦略には当時の現状を考えると脱帽です

  • 第2巻はイタリア半島を統一したローマが、ハンニバルの率いるカルタゴを滅亡させるまで、紀元前264年から紀元前146年。

    ハンニバルとスキピオの対決する第二次ポエニ戦役、ザマの会戦の描写は素晴らしい。2000年前の北アフリカにいて、激闘を見ているような迫力である。著者の筆力に感嘆しながら読んだ。

    「天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることの出来る人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである」
    「年齢が頑固にするのではない。成功が頑固にする。抜本的な改革は、優れた才能を持ちながらも、過去の成功には加担しなかった者によってしかなされない。しばしばそれは若い世代による」
    「ローマがカルタゴとの間に結んだ講和は、正義が非正義に対して下す、報復・こらしめではなかった。戦争という、人類がどうしても超脱することの出来ない悪業を、勝者と敗者でなく、せいぎとひせいぎに分けはじめたのはいつ頃からであろう。分けたからといって、戦争が消滅したわけでもないのだが」
    「他者よりも優れた業績を成しとげたり有力な地にの昇った人で、嫉妬から無縁で過ごせた者はいない。機会は、相手に少しでも弱点が見えたときだ。・・・」
    「歴史現象は必然的な勢いで進行したと考えがちであるが、ほとんどはそのようにはきれいに進まない」
    「カルタゴ滅亡のとき、ローマの勝将・・・かっては栄華を誇った帝国の滅亡という、偉大な瞬間に立ち合っている。だが、この今、私の胸を占めているのは勝者の喜びではない。いつかはわがローマも、これと同じときを迎えるであろうという哀歓なのだ」

  • ハンニバルにイタリア半島まで攻め込まれたローマ。19年に渡る防衛戦で遂に勝利し、やがて地中海世界の覇者となる。遠い時代の、遠い所の、知らない歴史。その叙述が何故こうも面白く思えるのだろう。

  • 2023年9月15日読了。塩野七生の大著『ローマ人の物語』第2回、通商国家カルタゴの名将ハンニバルがローマを攻める「ポエニ戦役」の戦いの推移と、カルタゴ・マケドニアの滅亡までの物語。「古典ラジオ」で語られたストーリーが気になって読んでみたが、ほぼ「まんま元ネタ」であることに驚く。(まあこの話を魅力的に要領よく語るだけでもすごい技術が必要であると思うが)情報を収集し分析して最善と思われる仮説を立て、犠牲覚悟で果断に決断し味方を鼓舞して戦いに挑む、と当たり前のこと・やるべきことを当然のようにやっているだけと本人は言うかもしれないが、偉大な準備に偉大な結果が伴う、ということか…。ハンニバルがローマにいればどうなったのだろう?ローマのシステムに合わず出世することもかなわなかったのだろうか?ローマにスキピオが現れなければどうなった?それともスキピオのような存在が現れることもローマの優れたシステムが生み出した必然なのだろうか。歴史は面白い。

  • カルタゴの名将ハンニバルのイタリア侵攻とローマの敗北、ハンニバルとローマの名将スキピオの戦いが軸に書かれています。
    戦いの戦術も書かれており、大変面白かったです。

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