- Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103096146
感想・レビュー・書評
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カエサル編終幕!まさに激アツ、古代ローマが産んだ稀代の天才政治家にして天才司令官にして天才文学者。現代のリーダーが見習うべきマネジメント、戦略思考、グローバルコミュニケーションのエッセンスが山ほど詰まっていたなー。アントニウスとクレオパトラの物語も面白い。そしてここから始まるオクタヴィアヌス、アグリッパ、メチェナスによる帝政ローマ、そしてパクスロマーナ!次官もとても楽しみだ。
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ルビコンを渡って以来のカエサル動きから、暗殺、混乱を経てアウグストゥスが派遣を確立するまでの物語。
実質20年に満たないが、内容の濃い時代。カエサルの類稀なるリーダーシップ、固定観念に囚われない決断力、人間的魅力、これらが制度疲労を繰り返共和政の中で彼が台頭した原因。しかし、民衆に愛されたカエサルも共和政エリートの中ではそうでは無く、独裁を強めた結果、凶刃に倒れる。
その後、カエサルの後継者を自認するアントニウスとオクタヴィアヌスが、ブルータスら下手人を討ち果たし、最後は西と東に別れて対決姿勢を強めていくが、ここで光彩を放つのがエジプト女王のクレオパトラ。アントニウスを絡め取るのは良かったが、アントニウスがこれで堕落し、女にうつつを抜かしたダメ男の典型のように部下やローマ人の信頼を失っていく。クレオパトラについては、特に女性の目からか塩野さんの視線は厳しいが、それにしても他の同盟諸国のようにローマ内の主導権争いを静観せず、肩入れしてしまったがためにプトレマイオス朝を滅びに追いやることになる。これに対して、オクタヴィアヌスはアントニウスの失点を冷静に利用して地歩を固めていく。現実の世渡りを考えても示唆に足る二つの対称的な生き方である。
これによってオクタヴィアヌスが、アウグストゥスとしてパックスロマーナを確立する基盤が整ったことになる。 -
20210509
カエサルがルビコン川渡河後にポンペイウスを始めとする共和制派を打ち破り、国政改革を実施して、暗殺される。その後、アントニウスとオクタヴィアヌスがブルータスを始めとした共和派を打ち破り、その後オクタヴィアヌスがアントニウスを倒してマリウスとスッラ以来続いた民衆派と元老院派の長かった内乱は集結する
・賽は投げられた、来た、見た、勝ったなどのフレーズを残したカエサルの文章力
・軍最高指揮官インペラトール、護民官特権、プリンチエプス、最高神祇官というローマ伝統の職務を兼任することで権威と権力を集め、合法的に元首政へ移行したスキームの確立
・オクタヴィアヌスの元老院尊重の建前に比べて、直截的すぎた元首政への移行が暗殺成功の一因
・ガリア指導層へのローマ市民権と元老院議席の付与、解放奴隷の役職登用は、ローマの敗者をも同化させ階級間の流動性を確保する、開放的なポリシーの積極的な実践
・1年365日、4年に一度の閏月という暦の改革
・クレオパトラの野心と、彼女への愛にのめり込むためにローマ市民としての立場を失ったアントニウス
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図書館長 井上 敏先生 推薦コメント
『ヨーロッパの歴史を理解するにはまずローマの歴史。独特な書き方だが、ローマの建国から西ローマ帝国滅亡までの通史を知るにはちょうどいい。研究者からの批判もあるが、理解しやすい。』
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/215025 -
ルビコン以後は カエサルとポンペイウスの内乱、元老院との政治闘争が中心。外国だけでなく、自国をも デザインしようとしたのが、ハンニバルやポンペイウスとの違い
カエサル50歳以後の 数々の改革は 驚く。ローマの安定成長の基礎を カエサル一人で 築いている -
歴史ドキュメンタリー。
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カエサルってすごい人やったんやねえ…。そして、クレオパトラって歴史にこう絡んでたのねー。次はいよいよ帝政か。