皇帝フリードリッヒ二世の生涯 下

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096382

感想・レビュー・書評

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  • 優れた革新性ゆえに同時代人から「世界の驚異」と評された、13世紀のドイツ・イタリアに君臨した神聖ローマ皇帝の伝記。下巻はローマ法王との闘いが激化する治世後半から没後の後日談と、皇帝を支えた周辺人物が列伝形式で紹介されている。悲劇的な皇帝一党への作者の愛情が伝わってくる一方で気になる反対勢力の言い分。紙幅は割かれていないものの興味深く感じたのが、半世紀ほど後にやはりローマ法王と対立したフランス王フィリップ4世との対比。このテーマは浅学ゆえか初めて読んだけれど、メインで取り上げた本はないのかなぁ。

  • 上・下巻の感想をまとめて。

    司馬遼太郎の小説もそうだけど取材の多さが推測される良い歴史小説だと思う。「現代では~のようになっている」という文体も司馬遼太郎とよく似ている。個人的にはこういう報告書然とした書き方は好きなので良かった。

    全く予備知識はなくても中世ヨーロッパの特徴や法王と皇帝の関係。古代ローマ帝国との違いなどが分かりやすく書かれている。地図も多く載っていて町の位置関係も分かりやすかった。

    フリードリッヒは皇帝だからローマ法王の理不尽さに対抗出来たんだろうけど、異端裁判(魔女裁判)に代表されるように故なく罪に問われた犠牲者の数はいかばかりか。

  • フリードリッヒ2世ってだいぶ時代の先をいったなあと思う。
    中世の枠から離れている。ルネサンスも通り越している。
    法で治めるとか。はっきり言って、すごいとかいうしかない。

    中世ヨーロッパ舐めてました。
    ごめんなさい。

  • 1代で出来ることは全てやった人生だった。
    彼の死とともに、それは崩れ始める。時代が追いついて居なかった。
    しかし、彼のやったことは新しい時代の萌芽にはなった。
    まさしく「一粒の麦地に落ちれば…」な人生だと思う。
    当時のバチカンより破門された彼のほうが、キリストの言葉に沿っているよぅに思えるのが皮肉です。

  • 死んでしまったら何もない。

    全力で走り続ける人生、素敵。
    著者のフリードリッヒ愛がとまらない。

    期待を裏切らない、楽しい読書2週間でした。

    次は、カエサル。

  • 読み終わった時、感動した映画を観終わって席を立てなかった時のようでした。

    「世界の驚異」と呼ばれる男。
    こういう人が歴史上にはあらわれるのですね。

  • 今まで名前しか知らなかったが、こんなに凄い天才的な皇帝が存在したのかと驚いた。誤解を恐れずに言えば、スケールのでかい織田信長ですね。統治者としても、文化人としても素晴らしいけど、それでいて女好きという点ではカエサルにも共通する。彼がいたから、ルネサンスが生まれたというのは、間違いではないだろう。

  • 今年の目標は、本棚の飾りになっている「ローマの人の物語」だが、道のりは遠い。まずは、最新刊のフリードリヒから。塩野七生を完読したのは、はじめてでした。

  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯。

    それはまさしく激動だった。

    中世の歴史において、欠かせない人物だということだと思った(個人的にはそう思う)。
    50数年という人生は、短かったのか長かったのか。

    常に法王と正面から闘い抜く。
    圧倒されるままに、上・下巻ともに読み切る。

    この本を通じて、いろいろなことを知った。
    当たり前だが、学校では教わらないこと。
    しかし、この本を読んで、中世の歴史の一部ではあるが、理解が深まったと思う。

    人物の評伝を書いても、やはり塩野七生さんの文章が光っていると感じた。

  • イタリアの歴史はやはりこの人だね
    全然面白くないのにすっごい面白い
    半世紀昔の高校以来の中世ヨーロッパを楽しんだ
    地図が頭に入っていないので、何度もページ逆戻りしながら、それでもわくわく読んだ
    前書きにあるように、中世とはどういう時代であったか、ルネサンスの必然がのみこめた気がする
    《 生涯は 太陽のごと かけぬける 》

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