ギンイロノウタ

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著者 : 村田沙耶香
  • 新潮社 (2008年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103100713

ギンイロノウタの感想・レビュー・書評

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  • 村田さん2冊目。これは…感想書きにくい本ですね。。。どちらもホラーかと思ったよー。そしてホラーよりも怖かったよー。


    歪んでいる、痛々しい。「ひかりのあしおと」の方が救いがあったような気がする。愛菜ちゃんへの愛情は本来は誉にむけられるべきものなのに、母である愛菜があんな状態じゃあね…。蛍の存在が救いに近いような気がして少しだけホッとした。けどたぶん…蛍や恋人に母の愛を求め続けるんだろうな。苦しい。


    「ギンイロノウタ」は歪んでいて狂気の世界だった。愛情欠如と家庭の歪みと、10代の不安定。危う過ぎてグロさも入り混じり哀しみがいっぱい詰まっている話だった。



    こういう話をこの年齢で書けるなんて病んでいるのか、引きづっているのか、狙っているのか、10代その当時の暗黒ノートが手元に残っているのか…そういうことばかり気になってしまう。(余談…私は暗黒ノートは20代で全部燃やした!呪いのポエムも30代でやっと捨てた!←この時とてつもなくスッキリした。母とのしがらみもこの時期を境に軽くなった。)



    「しろいろの街の その骨の体温の」も気持ちのいい話ではなかったけど、この作品はつらいというか、切ないというか、同情でもなく…。「可哀相」とか「哀れ」だとさえ感じた。同性にそう感じられるのって…救いがないかもしれない。



    でも私も有里だった時期もあるし、アカオさんだった時期もあるから、気持ちわかる自分も存在するという事実…。



    何冊か読みたいと思うけど読み時を間違えるとつらいかもしれない。帯には『恐ろしい。村田沙耶花はホンモノだ』と書かれていたけど、…恐ろしい90%でした。(「ギンイロノウタ」は特に…出版していいの?色々なのに影響与えてない?とさえ思った。)



    並行して「きりこについて」も読んでいるけど、少しかぶる部分があったり。「きりこ」が、とても明るく感じる。

  • 久しぶりに読み進めるのが辛い本だった。
    でも、読み進めなきゃならない気持ちにさせられる。
    ちょっと怖いぐらい。

    短編二つとも、「何か」に怯えそこから狂気に向かう少女が主人公。

    最後には救われたように描かれているけれど、私にはとてもそうは思えなかった…
    でも、別の作品も読んでみたい。

  • いつか、読んでみたいとずっと気になっていた村田沙耶香さん。
    なかなか過激な設定のものが多いというのは聞いていました。だから、恐る恐る手に取り、読んでみました。

    ちょうど体調を崩していたときだったからでしょうか。
    読み終わった後に心臓がばくばくして、恐ろしい世界に引き釣り込まれていくようでした。
    これは、心身が弱っているときに読んではいけないやつだ。

    「ひかりのあしおと」と「ギンイロノウタ」の2編が読めます。
    どちらも喋ることが、自己表現が、苦手な女の子が主人公。
    そんな彼女らに世界は優しくなく、彼女たちから見た世界は目眩がするほど生々しく、読んでいるだけで気持ちが悪くなってきさえする。

    食事の一節だけでも気持ちが悪くなってしまえる自分がいた。
    「虫の卵を大量に茹でたような白米、水彩絵の具を塗りつけたサランラップのような大量のレタス、古い機械油みたいなドレッシング」…
    終始こんな調子で、描かれる世界にくらくらと酔ってしまう。小説は小説に過ぎないとはいえ、著者がこんな感性を持ちながら今まで生きてこれたのだとしたら、ものすごいことだ、と思ってしまうくらい、読んでてしんどくなってしまった。

    では、もう著者の本なんて読まない!とか、著者とは合わない!と思ったかというと、それは違う。
    体調のいい日にまたいつかリベンジしよう。
    自分の目では絶対に触れることのない世界に触れる、強烈な体験でした。

  • とても独自な世界が広がっていた。
    草間彌生さんの自伝を読んだ時のような
    精神世界。

    作家さんはどんな生い立ちだったのか
    気になっちゃうくらいの本。

  • 2作品とも、主人公の少女時代に何かが足りないのでしょうね。村田さんの本は3冊しか読んでおりませんが、小学生の少女が主人公で、その後の成長を書いているものばかり。作者はこの頃、色々と複雑な気持ちが入り混じっていたのでは?とついついそんな事を思いながら、読了しました。

  • 表題と「ひかりのあしおと」の二編。
    アカオさんという表現には心底びっくりした。これ以上のぴったりな表現ってないと思う。覚えがあるだけに怖い。
    どちらの話も最後までニコリとも出来ない話だが、私にとってはこの本、変な母親によって育てられた子の行く末…みたいな気がして気が気じゃなかった。やがて母と娘の立場が逆転する。我が身を化け物と位置づけながら…。寝付くのにとても時間がかかった一冊。

  • 「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」の二話。どちらも世界からはじき出されてしまっている女の子が主人公で、この女の子たちが生きるために自分をゆがませていく過程が凄まじい。

    特に「ギンイロノウタ」は小さな声で始まった禍々しい祈りがエンディングに向かって何もかもを覆い尽くしていくような迫力があり、出色の出来だと思う。ちょっと急いで書いてますねっていう箇所がなくもないのだけれど、こってり描写されたら耐えられなくて読み続けられなさそうだから、この分量で助かったような感じもある。

    「ひかりおのあしおと」の自意識ゼロ系男子の蛍は、読み終わってみるとほとんど聖人みたいな存在だった。聖人に体を張ってもらえなければ終了だった女の子の話。なんでこんな辛い話を書くんだろうなあ。

  • 『ひかりのあしあと』と『ギンイロノウタ』の2作が収録されています。実に凄まじい作風でした。
    2作とも幼少期に強いトラウマを持った少女が成長と共に精神の破綻に向かって進んでいくインモラルな精神世界が描かれています。少女の心の蠢きや精神の超越的な遷移が生々しく描写されており、まさにシュルレアリズム文学と言えるでしょう。
    両作とも主人公は現実離れてしまった世界ではなく、本人だけが不意に感ずることのできるむき出しの現実や精神的に当事者にとって上位の現実に溺れていきます。自身ではどうすることもできない激しい感情に翻弄されていく姿は壮絶なものでした。
    ある意味で、精神世界に溺没した者だけが感ずることのできる崇高なものが表現されている作品なのかな・・と感じました。

    読後感=硝子の精神世界を・・彷徨う。

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  • 週間ブックレビューで山崎ナオコーラがオススメしていたので、読んでみた。
    本書は、「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」二編を収録。
    どちらも登場人物が同じような感じ。
    どうせ二編収めるなら、違った作品を収めた方がいいのになと思ったが、村田沙耶香さんの作風なのでしょうか。
    僕的には「ひかりのあしおと」のほうが完成度が高い気がするな。特に前半の主人公の描写はよく書けていると思う。
    主人公の発する言葉ひとつひとつが、非常にリアルに感じれるし、ものすごく言葉を選んでいるせいもあり、人物がものすごく際立っている。
    残念なのは、後半の妄想世界の描写がイマイチなところ。
    凄く個性ある作家さんだし、この路線でがんばって欲しいとは思うのだが、非現実を描くのにまだ力量不足な気がします。
    閉塞感を感じながら生きるリアルな10代を描いた作品でも充分力を発揮できるとおもうのですが、それでは売れたり話題になったりしないのでしょうか?
    今後に期待します。
    表題の「ギンイロノウタ」は、「ひかりのあしおと」を読んだあとだけに、ちょと飽きてしまった。
    本の構成的に順番が逆の方がよかったかも。
    装丁は凄くいいし、出版社が売る気まんまんなのはわかるきがする。
    乙一よりは面白いとおもうし、北上次郎の最近のオススメよりは光るものがあると思う。
    なので、そんな意見に期待を持ってくれる方にはオススメです。

  • 内に内にのめりこんで、あらぬ方向へ裏返ってしまう。
    自己否定の先の先に生まれた狂気の話。

    女の子らしいぬめりけと生臭さが怖くて、
    でも一気に読んでしまう。読まされてしまう。
    紙一重だなぁ。

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