ギンイロノウタ

  • 259人登録
  • 2.89評価
    • (9)
    • (17)
    • (51)
    • (25)
    • (11)
  • 57レビュー
著者 : 村田沙耶香
  • 新潮社 (2008年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103100713

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ギンイロノウタの感想・レビュー・書評

  • 村田さん2冊目。これは…感想書きにくい本ですね。。。どちらもホラーかと思ったよー。そしてホラーよりも怖かったよー。


    歪んでいる、痛々しい。「ひかりのあしおと」の方が救いがあったような気がする。愛菜ちゃんへの愛情は本来は誉にむけられるべきものなのに、母である愛菜があんな状態じゃあね…。蛍の存在が救いに近いような気がして少しだけホッとした。けどたぶん…蛍や恋人に母の愛を求め続けるんだろうな。苦しい。


    「ギンイロノウタ」は歪んでいて狂気の世界だった。愛情欠如と家庭の歪みと、10代の不安定。危う過ぎてグロさも入り混じり哀しみがいっぱい詰まっている話だった。



    こういう話をこの年齢で書けるなんて病んでいるのか、引きづっているのか、狙っているのか、10代その当時の暗黒ノートが手元に残っているのか…そういうことばかり気になってしまう。(余談…私は暗黒ノートは20代で全部燃やした!呪いのポエムも30代でやっと捨てた!←この時とてつもなくスッキリした。母とのしがらみもこの時期を境に軽くなった。)



    「しろいろの街の その骨の体温の」も気持ちのいい話ではなかったけど、この作品はつらいというか、切ないというか、同情でもなく…。「可哀相」とか「哀れ」だとさえ感じた。同性にそう感じられるのって…救いがないかもしれない。



    でも私も有里だった時期もあるし、アカオさんだった時期もあるから、気持ちわかる自分も存在するという事実…。



    何冊か読みたいと思うけど読み時を間違えるとつらいかもしれない。帯には『恐ろしい。村田沙耶花はホンモノだ』と書かれていたけど、…恐ろしい90%でした。(「ギンイロノウタ」は特に…出版していいの?色々なのに影響与えてない?とさえ思った。)



    並行して「きりこについて」も読んでいるけど、少しかぶる部分があったり。「きりこ」が、とても明るく感じる。

  • 久しぶりに読み進めるのが辛い本だった。
    でも、読み進めなきゃならない気持ちにさせられる。
    ちょっと怖いぐらい。

    短編二つとも、「何か」に怯えそこから狂気に向かう少女が主人公。

    最後には救われたように描かれているけれど、私にはとてもそうは思えなかった…
    でも、別の作品も読んでみたい。

  • いつか、読んでみたいとずっと気になっていた村田沙耶香さん。
    なかなか過激な設定のものが多いというのは聞いていました。だから、恐る恐る手に取り、読んでみました。

    ちょうど体調を崩していたときだったからでしょうか。
    読み終わった後に心臓がばくばくして、恐ろしい世界に引き釣り込まれていくようでした。
    これは、心身が弱っているときに読んではいけないやつだ。

    「ひかりのあしおと」と「ギンイロノウタ」の2編が読めます。
    どちらも喋ることが、自己表現が、苦手な女の子が主人公。
    そんな彼女らに世界は優しくなく、彼女たちから見た世界は目眩がするほど生々しく、読んでいるだけで気持ちが悪くなってきさえする。

    食事の一節だけでも気持ちが悪くなってしまえる自分がいた。
    「虫の卵を大量に茹でたような白米、水彩絵の具を塗りつけたサランラップのような大量のレタス、古い機械油みたいなドレッシング」…
    終始こんな調子で、描かれる世界にくらくらと酔ってしまう。小説は小説に過ぎないとはいえ、著者がこんな感性を持ちながら今まで生きてこれたのだとしたら、ものすごいことだ、と思ってしまうくらい、読んでてしんどくなってしまった。

    では、もう著者の本なんて読まない!とか、著者とは合わない!と思ったかというと、それは違う。
    体調のいい日にまたいつかリベンジしよう。
    自分の目では絶対に触れることのない世界に触れる、強烈な体験でした。

  • とても独自な世界が広がっていた。
    草間彌生さんの自伝を読んだ時のような
    精神世界。

    作家さんはどんな生い立ちだったのか
    気になっちゃうくらいの本。

  • 2作品とも、主人公の少女時代に何かが足りないのでしょうね。村田さんの本は3冊しか読んでおりませんが、小学生の少女が主人公で、その後の成長を書いているものばかり。作者はこの頃、色々と複雑な気持ちが入り混じっていたのでは?とついついそんな事を思いながら、読了しました。

  • 表題と「ひかりのあしおと」の二編。
    アカオさんという表現には心底びっくりした。これ以上のぴったりな表現ってないと思う。覚えがあるだけに怖い。
    どちらの話も最後までニコリとも出来ない話だが、私にとってはこの本、変な母親によって育てられた子の行く末…みたいな気がして気が気じゃなかった。やがて母と娘の立場が逆転する。我が身を化け物と位置づけながら…。寝付くのにとても時間がかかった一冊。

  • 「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」の二話。どちらも世界からはじき出されてしまっている女の子が主人公で、この女の子たちが生きるために自分をゆがませていく過程が凄まじい。

    特に「ギンイロノウタ」は小さな声で始まった禍々しい祈りがエンディングに向かって何もかもを覆い尽くしていくような迫力があり、出色の出来だと思う。ちょっと急いで書いてますねっていう箇所がなくもないのだけれど、こってり描写されたら耐えられなくて読み続けられなさそうだから、この分量で助かったような感じもある。

    「ひかりおのあしおと」の自意識ゼロ系男子の蛍は、読み終わってみるとほとんど聖人みたいな存在だった。聖人に体を張ってもらえなければ終了だった女の子の話。なんでこんな辛い話を書くんだろうなあ。

  • 『ひかりのあしあと』と『ギンイロノウタ』の2作が収録されています。実に凄まじい作風でした。
    2作とも幼少期に強いトラウマを持った少女が成長と共に精神の破綻に向かって進んでいくインモラルな精神世界が描かれています。少女の心の蠢きや精神の超越的な遷移が生々しく描写されており、まさにシュルレアリズム文学と言えるでしょう。
    両作とも主人公は現実離れてしまった世界ではなく、本人だけが不意に感ずることのできるむき出しの現実や精神的に当事者にとって上位の現実に溺れていきます。自身ではどうすることもできない激しい感情に翻弄されていく姿は壮絶なものでした。
    ある意味で、精神世界に溺没した者だけが感ずることのできる崇高なものが表現されている作品なのかな・・と感じました。

    読後感=硝子の精神世界を・・彷徨う。

    <a href="http://novel.blogmura.com/novel_contemporary/">にほんブログ村 現代小説</a>

  • 週間ブックレビューで山崎ナオコーラがオススメしていたので、読んでみた。
    本書は、「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」二編を収録。
    どちらも登場人物が同じような感じ。
    どうせ二編収めるなら、違った作品を収めた方がいいのになと思ったが、村田沙耶香さんの作風なのでしょうか。
    僕的には「ひかりのあしおと」のほうが完成度が高い気がするな。特に前半の主人公の描写はよく書けていると思う。
    主人公の発する言葉ひとつひとつが、非常にリアルに感じれるし、ものすごく言葉を選んでいるせいもあり、人物がものすごく際立っている。
    残念なのは、後半の妄想世界の描写がイマイチなところ。
    凄く個性ある作家さんだし、この路線でがんばって欲しいとは思うのだが、非現実を描くのにまだ力量不足な気がします。
    閉塞感を感じながら生きるリアルな10代を描いた作品でも充分力を発揮できるとおもうのですが、それでは売れたり話題になったりしないのでしょうか?
    今後に期待します。
    表題の「ギンイロノウタ」は、「ひかりのあしおと」を読んだあとだけに、ちょと飽きてしまった。
    本の構成的に順番が逆の方がよかったかも。
    装丁は凄くいいし、出版社が売る気まんまんなのはわかるきがする。
    乙一よりは面白いとおもうし、北上次郎の最近のオススメよりは光るものがあると思う。
    なので、そんな意見に期待を持ってくれる方にはオススメです。

  • 内に内にのめりこんで、あらぬ方向へ裏返ってしまう。
    自己否定の先の先に生まれた狂気の話。

    女の子らしいぬめりけと生臭さが怖くて、
    でも一気に読んでしまう。読まされてしまう。
    紙一重だなぁ。

  • 「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」の二編。
    どちらも幼少期~高校、大学生くらいまでの主人公の成長過程を描いている。

    どちらもディープにおかしい女の子で、根底にあるのがトラウマだったり狂気だったりと結構はっきりはしているものの、描写がくどくどしいわりに肝心な部分の説得力に欠けるのがいまいち。

    ただ、両方とも人格形成に深く影響してくる「家庭」のおかしさもしっかり描いているのですんなりと物語に入っていけた。

    「ひかりのあしおと」の正気を保つためっていうつじつまはすごいと思った。

    上記まで昨日mixiに書いたけど、一夜明けて「かなり圧倒的だった」の一言をつけたしたくなりました。

  • 社会に適合できない女の子の話2編。
    学年に必ず一人いるような、何考えてるのか全く解らない、交わることのなかった子、今思えばこんな感じだったのかな…
    と、村田さんの本を読むといつも思う。
    生きている場所が全く違う、わからない人が、ちょっとだけわかった気持ちになれる。
    読んでて息苦しい、救いのない話。
    二話とも最後、救われたのか?こういう感覚を持ち合わせてない平凡な私には、一般な救いは無い、としか解らない。

  • 今まで読んだ村田さんの作品の中で一番辛かった。

    少女の痛々しくて恐ろしい飢えた欲望。
    折り合いをつけることもできないし、そのままでいいよと言ってあげられるには危険性を宿しすぎてしまっている。
    一言でいうと救いがない。
    ちょっとわたしの手には負えない。
    だけど、単純に自分とは全く別の生き物で「怖い」「かわいそう」と他人ごとで片付けられない。
    読んでいるうちに自分まで狂人なのではないかと錯覚してしまう村田マジック。
    普段、見ないようにしているだけで自分にもどこかに狂気が孕んでいる気がしてかなり怖くなった。

  • 自己保身にまみれた親、大人、人間社会からの疎外、虐待。「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」の2編とも壮絶な物語だ。

    そこには自我の問題、自分と何か?という問題が密接に絡んでいる。純粋な自我ではこの世は生きられないのだ。いわゆる普通に生きるということが難しい人にとって、「適応」はとてつもない「もがき」が必要とされる。もがいても報われるとは限らない。しかし、避けては通れない。

    物語では、最後にどちらも「扉」は開かれる。その先は、茨の道かもしれないけれど。

  • 著者の作品に触れたのはこれが2冊目。
    (最初は「ハコブネ」)

    今回は恐怖と気味悪さがずっとあって…
    なかなかサクサクとは読めなかった…。
    読み終えると、嫌悪感と読みきれてよかった感が。
    「コンビニ人間」読むの迷うな。

  • ひかりのあしおと
    は一気に読んだ
    誉、子供の様な誰にでも愛されるキャラを持つ母に嫉妬とは違うなぁ
    自分とは違う物を強く感じて反発?反抗?
    最後蛍君に救われるハッピーエンド・・

    ギンイロノウタ
    有里
    父に気を遣い
    おかあさんからあかおさんになる母に違和感を持ち歪んでいく
    最後は分からん、どうなった
    読み易かったでも
    若く無くても読めた

  • わかんなかったー!
    良く読み切ったなぁ
    特に一話目が意味わかんなかった
    二話目は途中から意味がわかんなかった
    こういうの描いてる人は怖いよ
    村田沙耶香怖い

    白い骨の~は普通に読めたけどこういうのは無理だ

  • 作家だけどコンビニ店員の村田沙耶香さんの「ギンイロノウタ」、2008.10発行です。ひかりのあしおと、ギンイロノウタの2話です。「ひかりのあしおと」は小学2年の古島誉が大学1年になるまで、光の恐怖を受けながらの世界、「ギンイロノウタ」は、小学2年の土屋有里が高校に入りコンビニでバイトするまでの内気で自分の殻にこもった世界が描かれています。どちらも著者の「おいたち」でしょうか・・・。妄想、考え事、ひたすら「性」と「殺人」への思いが。愛称が「クレイジー沙耶香」との著者の片鱗がうかがえる作品です。

  • 誰もが理解不能の化け物だと私を罵るだろう。そのことを誇らしく思った。私は死体を演奏し、音楽を奏でる。私はもう人間ではないのだ。
    (P.208)

  • 独特の言い回しに惹きつけられるものがある。言い回しが独特ということは感性が独特ということでもあり、そういった意味では強い武器を持っている作家だと思う。「しろいろの町の・・」はそれが柔らかく表現されていたのでとっつきやすかったけれど、これはだめだ。主人公があまりに異常すぎてついていけない。日常との境目にある風景ならば共感や共振を呼ぶこともあるだろうが、これはただの異常者の物語にすぎなかった。ひたすら気持ち悪い。

  • +++
    私となんの関係もないあなたを、私は殺したい。ブログで、書評で、注目度No.1の新鋭、最新作品集。
    +++
    表題作のほか、「ひかりのあしおと」
    +++

    初読みの作家さんである。好みが分かれるという評判は聞いていたけれど、さもありなんという感じ。思春期の、自分で自分を制御しきれず、自分の躰の中で何かが暴れ出して、皮膚を突き破って出てきそうな焦燥感とか歯がゆさとか、いらだちなどが、とても適切に描かれていて、この年齢で読むから訳が分かるけれど、思春期ど真ん中の人たちが読んだらどんな感想を抱くのか、気になるところでもある。大人との関係や、自分の存在そのものに対する懐疑。程度の差こそあれ誰しも通ってくる道である。大多数は、なんでもないことのような外側をしてやり過ごすのだろうが、それができない不器用さで真正面から立ち向かう姿は痛ましくも逞しい。人の成長っていろいろ大変なのだと改めて思わされる一冊でもある。

  • もうこの作家の作品は読む事は無いと思う。
    歪んだ気持ちの悪すぎる女の子の話。
    読んでいて気分が悪くなった。この本を通して何が言いたいのか?
    全くわからない、わからない私は正常なのだろう。

  • 村田沙耶香さんの『ギンイロ丿ウタ』を読了。たまにあるいやあ読むのつらいなあと思ってしまった本でした。短編が二つ収められているのだがどちらの作品もみんなとなじめないちょっと辛めの少女時代を送っている女の子の語りで構成されている物語で、彼女らのいいようもない孤独感が伝わってきて読み進めるのがつらい本だった。いい子だったり、普通の子供だったり、親になった人はその子の特質や思いだったりは別に自分の物差しで子供達に期待を持ってしまうのが多いと思うのだが、この本はそんな状況の中で親の思いや周りの子供達とは違う自分を持て余し、ちょときつい毎日を送ってしまっている。ちょっと反省させられる物語だ。そんな子を持つ大人に鏡を突きつけるようなお話を読むのに

  • 【ひかりのあしおと】
    『二人力をあわせて白濁液を出すのが私達に課せられている義務であり、いかに最小限の労力でそれを成すか、という一致した目的のもと、私達はお互いにベストを尽くしているのでした。』

    『少し早まったところで、レンアイが使い捨ての救命胴衣であることには変わりはありません。』

    『恋人同士という誓約を交わしているかぎり、あの人の湿った粘膜を舐め、ねじこまれ、摩擦される、一通りの義務を課せられるのは私なのに、他人からとやかく言われる筋合いはないはずです。』

    『別れを切り出すほうが勝利したように言う人がいますが、私はそうは思いません。別れを切り出すほうは敗北者です。要するに、失敗したということなのですから。』

    『私はだんだんと面倒になってきていました。これもいつものことです。始めるのはあれほど容易いのに、終了するのはどうしてこんなに煩わしいのでしょうか。』

    『口に入れるものが美味しいということが、いま、自分が正しい場所にいる証明である気がします。』

    【ギンイロノウタ】
    『こんな小学生の男子さえ覗きをはたらくほど「女の身体」というのは価値がある物体なんだと思うと、誇りと驕りがからみあって下半身から這い上がってきた。』

    『価値が低いなら私は安さで勝負するしかない。
    私は誰よりも私を安く売るんだ。そして誰よりも喜ばれて見せるんだ。』

    『私には小さな柔らかい穴があいている。とりえのない私は、二分の一の確率でたまたま自分についていた、その穴の商品価値に、浅ましくすがりつくしかない。ずっとそう思っていた。でも、私を失敗してしまったのだ。穴の付属品としてすら、私は出来損ないだったのだ。』

    『青い天井にこんなにしっかりと塞がれているのに、なぜここを「外」と呼ぶのか、私には理解できなかった。天井は少しずつ淡い水色になっていき、また少しずつ藍色へ変化する。その、事務的な点滅一回分。私にとって、一日というのはそれだけのできごとだった。』

    『天井は今、何色だろうか。早く藍色になればいい。』

    『6月10日
    バットで後ろから殴って、意識をなくさせてからだったら、きっと大丈夫。』

    『私は改めて思った。やはりこの感覚は私だけのものだ。誰もが理解不能の化け物だと私を罵るだろう。そのことを誇らしく思った。』

  • この作者の作品3冊目。うーーんこれもページ進むごとに重くて歪んでて苦しい。アカオさんって表現が頭に残る。

全57件中 1 - 25件を表示

ギンイロノウタを本棚に登録しているひと

ギンイロノウタを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ギンイロノウタの作品紹介

私となんの関係もないあなたを、私は殺したい。ブログで、書評で、注目度No.1の新鋭、最新作品集。

ツイートする