空白の桶狭間

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 152
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103110330

作品紹介・あらすじ

不可能を可能にしたのは誰か。不都合な事実を書き換えたのは誰か。今川義元の不気味な触手が尾張へ伸びる!相互不信と玉砕主義が蔓延する織田家中。剛毅に振る舞う主君でさえも、その内実は判断停止。恃みはもはや、秀吉の血統が受け継ぐ秘密のみ。秀吉一世一代の密約を容れ、"影の人々"が今川軍団を死地へ誘う。そして奇跡の勝利を手にした後、信長が捏造した"史実"とは-。眼力無双の歴史ミステリー、ここに誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 今川義元を打つため、秀吉は山の人に助力を願う...

  • 桶狭間って謎が多いけど、そうだったのかも。
    家康、信長、秀吉のそれぞれの特徴と想いがわかりやすく、スピーディに展開されるので、読みやすい。

  • 星4つ

  • 謎と言われている桶狭間の戦い。新しい視点で見てみると面白い。実際のところは謎のままだが、本当の話のようにも感じる。サンガの存在に興味あり。

  • 加藤廣先生の歴史観が際立つ作品です
    1)秀吉=山の民 やや上から目線で分析してる
    2)信長=三白眼 後世から過剰に評価されてる
      地域環境からの行動が先進性あるやに!
    で、史実と異なる桶狭間の真相を見せてくれます♪

  • 題名に引かれたが全くの期待外れ

  • 織田信長が今川義元を破った桶狭間の戦いについての話で、主人公は羽柴秀吉です。

    この本では、秀吉は「山の民」の出身で、「山の民」の訓練により、小さい頃から投石や火打などの特殊技術を覚え、「山の民」である父からは算術を習うなど、こういう努力をしたおかげで、後年の活躍があった、としています。

    桶狭間までは非常におもしろい感じでしたが、その後もいろいろと話があり、何だかわからなくなりました。
    秀吉は優秀、家康はまあまあ、信長や今川義元はちょっとだめ、今川氏真は全然ダメ(これは定説だが)、ということで、秀吉よりも信長の方を買っている自分としては、ちょっといまいちな感じでした。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-a1d4.html

  • 小説の終わり方は様々ですが,この小説の終わり方はもっとも良い点で終わっているように思いました。終わると考えられるべき点で終わらず,少しエピローグが長く続いて唐突に終わる感じです。

    有名な桶狭間の戦いについて,確かに2万5千の今川に対し,その10分の1とする織田が奇襲をかけたとするにはあまりにも無謀で,その後様々な策略をもって覇王となる信長がこの戦だけは一か八かというのは少し不自然な感じはあります。
    それだからこそ,桶狭間の戦いの内実には様々な説があるのだとは思いますが,この小説は異端な説として面白く読めました。

  • 加藤氏の本は今まで3冊読んできましたが、個人的には本能寺の変よりも興味をもっていた「桶狭間」を話題にした小説であり、一気に読み終えてしまいました。

    奇襲攻撃で織田氏が今川に格好良く勝利した、今川方は油断していたというのが定説のようですが、昔から何かおかしいのではと思っていましたので、この小説で書かれているようなこと(織田のだまし討ち)もあったかも知れません。それはともかく楽しく読むことができました。

    以下は面白かったポイントです。

    ・人は皆、その地位よりひとつ上のことをさせれば、目の色が変わる(p29)

    ・尾張が水浸しになるエリアであったため、尾張の政治と地域経済に特異な性格を与えた、1)領内の産業が繊維産業(根が深い)に傾斜し、楽市楽座へ発展、2)女子労働が多く、男は比較的自由があり、兵の通年採用が可能(p107)

    ・当時の信長の動員兵力は4000人、清洲城守備兵:1500-2000人、那古野城:1500人とすると、2000人程度が動員できる限界(p109)

    ・100対80の兵が戦うと、80の部隊は全滅し、相手の部隊には致命傷を与えることができない、100の二乗と80の二乗の差である3600(60の二乗)のため(p136)

    ・源平の戦いの「一の谷の戦い」も、謀略の可能性がある(p143)

    ・桶狭間に参加した織田の20騎は、最終的には800となっていった(p221)

    ・今川氏真は、江戸の家康の元で、わずかな知行をもらって77歳まで品川に在住した、徳川から禄をもらっているので家康の陰謀参加は門外不出となった(p223)

  • 棺もこれも、秀吉が大好きになってしまう。
    加藤廣を加藤鷹と読み間違えて買ったのは俺だけなのだろうか…。

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著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

加藤廣の作品

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