- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103112235
感想・レビュー・書評
-
今から百年前、女性がまだ男性の属物として扱われていた時代に、奔放に生きた女性たちについて綴っている。彼女たちの生き方は、今でも圧倒されるほど烈しい。まさに時代を生きたという表現がピッタリだと思った。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011年は「青鞜」発刊100年目だったという。そのことにマスコミはほとんど触れなかったと著者は言う。初めと終わりに第一線で活躍するキャリアウーマンとくったくのない若い女性たちの章を設けつつ、100年前の青春の声を800字で新聞連載した「この道」の書籍化。
取りあげられた人物たちの強い個性と、それを活写する筆力に強く惹かれた。 -
昔の方が 自由奔放な恋愛をしていたと実感した。というか、何事にも 真剣に取り組んでいた結果だと思う。
寂聴さんの語り口が さらっとしていて 読みやすかった。 -
瀬戸内さんがこれまで取材、執筆してきた女性たちから、
"烈しい生と美しい死”をテーマにまとめられたもの。
伊藤野枝はじめ、平塚らいてう、岡本かの子など、
時代を彩った女たちは、まさしく烈しい生を生きていた。
わずか二十数年で亡くなった伊藤野枝は、
その寿命を悟っていたのかと思うほど精一杯で、
3人の男を巡り歩き、子供を多く生み、
「青鞜」に、社会運動に精魂を注いだ。
寂聴によって語られる彼女を読むと、
おそらく背筋の伸びた、はっきりと物を言う女性
だったんだろうなと思う。
妻のある大杉栄との愛えさえも、
なんの憚りも無く自信に満ちた堂々たるものだった。
きっとそれだけ自分に自信を持てる生き方をして
いたんだな。
なんてことのない「日常」の大切さは頭では分かっているが、
その「日常」が続く先にあるものが見えていないと、
それはなんの意味もない。と感じてしまう。
進みたいという道があるものの、現実を見て先延ばしにしてしまう。
そんな私自身の現在のもやもやに、熱々の石を投じられた気分だ。 -
久しぶりの瀬戸内節。子供の頃、母の本棚に出家前の「晴美さん」の小説があって、隠れて読んだら、子供にはエロの何物でもなかった。平塚らいてう、岡本かのこ、伊藤野枝、おそるべし。女の武器はなんとやら。本能のまま生きる、とはこのことか。女性が生きにくい、生きることが苦しい時代だからこそ、なのか。
聞き書きという手法がところどころに生かされていて、これが森まゆみ氏評するところのうらやましさにつながるわけだ。それは確かに。