烈しい生と美しい死を

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 78
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103112235

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに、寝る間も惜しんで読みたいと思った。私が知りたいことを調べていると、だいたい寂聴さんが既に本にしている。この本も、伊藤野枝の生き方を知りたくて調べていたらあった。知りたかったことがほぼほぼ書いてある、ありがたい本。伊藤野枝や、「青鞜」に携わった女性たち、岡本太郎の母親・岡本かの子(この人についても寂聴さんの著書あり)、大逆事件で幸徳秋水と殺された管野スガ、等々、明治のぶっ飛び女たちの生き方が書かれている。主に恋愛周り。遺族や、恋人、子孫など、実際の関係者たちに会って取材しているのもとてもよかった。これも長生きな寂聴さんしかできないこと。もう亡くなってしまっている方がほとんどなので、とても羨ましいと思った。
    「明治の女性たちの生き方」が書かれているが、明治維新だの女性解放運動だの、教科書みたいなことでなく、もっと人間らしい、ひとりの女の烈しい生き方が描かれている。今も昔も人間の業は深いものである。
    やりたいことやって死ねるっていいな、と思う。
    どうして、こういう人間らしい一面を、学校で教えないのかと思う。そしたら、もっともっと日本史が楽しくなると思うのに。日本史は人間が紡いできたものなのだから、もっと人間らしさを出してもいいんじゃなかろうか。
    この本の登場人物と寂聴さんで、恋のから騒ぎをやったらすごく面白いと思う。

著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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