ロスト・トレイン

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 317
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103120827

感想・レビュー・書評

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  • 2010.6.14

  • ロスト・トレイン。それは、こことは違うところへ誘ってくれる幻の汽車。今の場所は自分の本来いる場所ではない。そんな思いのある平間さんは、ある日忽然と姿を消した。廃線めぐりつながりで知り合った牧村くんは、平間さんとはテツ仲間だった倉本菜月さんと一緒に、平間さんの行方を追う。向かうは東北の地にある幻の廃線跡地。平間さんと会えるのか、牧村くんに芽生えた菜月さんの恋は成就するのか、そして、廃線のレール跡を歩き遂げたものに訪れる軌跡とは何なのか。ファンダジー大賞受賞作「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」読まなくては。

  • 鉄道好きでなくても、ファンタジーが苦手でも、充分に楽しめる物語。
    後半の森の風景の描写がきれいで、思わず出掛けたくなるし、草笛線にも乗ってみたくなる。でも、終点には行きたくない。

  • 初中村さんでしたが鉄道ファンじゃなくても十分楽しんで面白く読めました。平間さんとの出会い、そして失踪。菜月さんとのまぼろしの廃線跡探し。
    終着駅が近づいてくる・・・どんな奇跡がおこるのか?
    最後はドキドキわくわくしながら幻想的な世界に浸ることができました。鉄道と人生との重ね具合もじんわりきました。

  • 日本のどこかにまだ誰にもしられていない、まぼろしの廃線跡がある。
    それを見つけて始発駅から終着駅までたどれば、ある奇跡が起きる。

    この文章に惹かれて、一気に完読。
    前作「天使の歩廊」もそうだったが、静かな文章の中にも、読ませる力がある、これからが楽しみな作家。
    後半のファンタジー色がかなり強かったため、残念ながら、星4つ。

  • 鉄道はわからない…

  • 廃墟や退廃好きにはたまらない一冊
    風景描写がすばらしい
    本のページを超えて、そこに行ってみたくなるような素敵な文体
    「幻の廃線跡」を求めた男が失踪し、その友人が男の行方を捜す話
    最後がファンタジー方面に行ってしまったのが残念に感じたが、本当に綺麗な話

  • 休日に時々 廃墟や廃線跡地を巡ることを趣味としている主人公「僕」は
    ある日 偶然であった平間要一郎という人物と 仲良くなる
    鉄道オタクの平間は 廃線跡地にも詳しく、親子ほども年が離れているにもかかわらず、「僕」にとって楽しく付き合える大切な友人になっていく
    しかしある日 平間は誰にも何も告げに 姿を消してしまう
    その少し前 「僕」に気になる言葉を残して・・・

    「あなた、まぼろしの廃線跡地の話を聞いたことがありますか?」

    「日本のどこかにまだ誰にも知られていない、まぼろしの廃線跡地がある。それを見つけて始発駅から終着駅までたどれば、ある奇跡がおこる。そんな噂が一部の廃線マニアの間に語り継がれているんですよ。」

    その話に興味をもち もっと詳しく聞きたいと言う「僕」だったが 彼は決してそれ以上は語らなかった・・・

    やがて 平間に導かれるようにして知り合った 菜月という女性と共に 平間の行方を捜し始める

    すこしづつ見えてくる「まぼろしの廃線跡地」

    彼らは そこにたどり着けるのか?
    そして そこで起きる奇跡とは?

    ミステリーというか、ファンタジー?
    そういう意味合いでは とても楽しく読めました。
    しかし 如何せん鉄道にまったく興味のないワタシには ちょっと詳しく語られてる部分が多すぎるように感じてしまいました(-_-;)
    やはり 鉄オタっていうか 鉄道に興味のある方、鉄道に関する知識をお持ちの方が読まれたほうが より楽しめる作品なんじゃないかな~?と思いました(^_^;)

  • 恋愛小説ではない。
    読み終えたあとしばらくは、日常のことに戻りたくはない。
    今、必要でなくとも、今、手に入れておいて損はない、そんな気がする1冊。なぜなら、いつか誰しも、心にどうにもならないすきまができた時、この本のコトバを必要とすることがあるかもしれない。

  • 牧村が廃線を歩いていて出会った、初老の男性平間氏。
    意気投合し飲み友達になったが、「まぼろしの廃線を見つけた」
    と言った後で、平間氏は行方不明になった。

    牧村は、平間氏の行方を捜すうちに親しくなった菜月と二人で、
    まぼろしの廃線を探し当て、そこに向かった。

    鉄道好きにおすすめのお話ですね。

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著者プロフィール

一九六二年、東京生まれ。國學院大學文学部卒。二〇〇八年、選考委員から絶賛を浴びた『天使の歩廊』で第二十回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。綿密な取材と精緻な文章で紡がれる哀切感溢れる世界は、読者の心を優しく掴んで離さない。本作は、ファンタジックな企みとサスペンスフルな展開を融合した、著者の新境地を示す野心作。他の著書に『ロスト・トレイン』がある。

「2014年 『伝書鳩クロノスの飛翔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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