- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103129011
感想・レビュー・書評
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手元に置いて、何度でも読みたい本。
絵画や、他の物事に通じるようなエッセンスが散りばめられている。
この本によって多くの気づきを与えられたことに感謝したい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代音楽の楽譜のような宇佐見圭司のカットもよかったです。
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ずっとずっと昔、古本屋で、すごく安い値段で売られていたのを、なんとなく買って、読んだ。
武満徹が有名な作曲家であることは知ってたけど、その音楽は、TVでチラッと聴いたくらいだった。
この人の言葉は、すごいと思った。
詩人のような。
哲学者のような。
すごい力のある、言葉。 -
1033夜
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硬質で思索的な文章は、ちびちび時間をかけて読んだ方がいい気がする。強い酒のように―。
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第1エッセイ集
・発行 1971(昭和46)10/20
・8刷 1975/3/20 定価2000円
・購入 1975/11/10
・年譜事項(秋山)1930-1971
・帯なし
私は中日新聞の書評欄でこの書の記事を読んだ。執筆者は音楽学者船山徹氏。その切抜きが見返しに貼り付けてあるが掲載日付が書き込まれていない。書評なのでおそらく出版直後の1971年であろう。私は16歳の高校生だった。私はこの切り抜き記事を4年ほど保管しておいてから購入したと思われる。記事末尾には(1800円)と記載されているのでこの間に200円値上がりしたようだ。
1800円の本を買うことが出来なかった高校時から、社会人になった1975年、わずかな給料からようやく買ったのだろう。本当に当時の給料はわずかであったが自分の金で本を買えるようになったのは大きな喜びであった。
私の武満体験はこの一書から始まった。しかしこの書にしるされた幾多の美しい言葉も、私の薄い脳髄で十全に理解しえたとはいえないし、現在も同様である。ただその、私には言葉に表現出来ない文章の美しさに惹かれてきただけというのが正直な所。
当時の私は生意気にも前衛芸術に関心があったので、文学では安部公房の小説なども読んでいた。と同時に五木寛之の小説もよく読んだ。五木は問題なしに面白く読めた。
武満徹の音楽についてその作品の“音”を聴くまでにはこの頃からさらにまだ間があった。十代後半にラジオやテレビで氏の作品を聴いた記憶もない。覚えているのはNHK-FM「現代の音楽」に出演した氏の声であった。その時はストラヴィンスキーの逝去を受けて氏が話していたからやはり1971年と思う。その番組で武満作品が聴かれた覚えもない。
氏のレコードを集め始めるのも社会人になってからの1975年以降であった。この年、「カトレーン」の初演放送を聴き、カセットテープに録音した。このテープはずっと大事にしてはいたが聴き返す事もなくなった。それでもその後何十年も経ってIT技術普及の恩恵で私的にCD化し、車の中で聴くようになるのは2008年頃であった。
高校時代から十代前半までを第一次発症とするなら、それから30年以上を隔てて私の武満熱はゆっくりと再発し、細々としたスコア集めや資料収集が始まった。
武満徹のエッセイ集一覧(すべて新潮社刊)
1『音、沈黙と測りあえるほどに』1971・1975年の8刷を購入
2『樹の鏡、草原の鏡』1975・初版
3『音楽の余白から』1980・初版
4『音楽を呼びさますもの』1986・初版
5『遠い呼び声の彼方に』1992/11/20・初版
(1996/2/20死去)
6『時間(とき)の園丁』1996/3/25・初版・遺著
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このように4~6年ほどの間隔をおいてゆっくりと刊行されてきた著書であった。勿論文章は氏の本業ではなく、いわば余技であろうが、間隔が長めとはいえコンスタントに著書を刊行する作曲家も稀であろう。
この間に刊行された対談集は以下の通りで、氏の“ことば”に対する関心の深さや傾注度が察せられるし、他者との対話に大きな意義を見出していたことも明らかである。
座談集一覧
1『ひとつの音に世界を聴く』1975・晶文社・初版
1965年~1975までに雑誌で行われた対談集
2『武満徹対談集・上―創造の周辺』1976・芸術現代社・初版
3『武満徹対談集・下―創造の周辺』1976・芸術現代社・2010/2現在未購入
4『音楽』(小澤征爾との語り下ろし対談)1981・新潮社・初版
5『音楽の庭』1981・新潮社
6『歌の翼、言葉の杖―武満徹対談集』 1993/5・2010/2現在未購入
いずれも中味の濃い対談集であるが、私の薄い脳髄では理解できない高踏的な内容の対談ばかりであった。
これらの著書・対談から小沼選により編まれたのが以下の2集である。2010/2現在未購入。
1『武満徹エッセイ選―言葉の海へ』2008/9・ちくま学芸文庫
2『武満徹対談選』ちくま学芸文庫
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いつ、どのページを開くかはそのときの気分なのですが、その度に気を引き締めてくれる本です。