- Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103133612
感想・レビュー・書評
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「もし行政の中級管理職が宗教をたちあげたら?」
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いったいどうなっちゃうんだろう~、っていう展開でまずまず楽しめました。ラストの盛り上がり方が鮮烈!
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作家になるはずで都庁を退職したのに出版はキャンセルになり妻には去られ窮地に陥って、破れかぶれで新興宗教を起した主人公。
調子のいい元編集者矢口といい加減さに呆れるような出だしで「聖泉真法会」は始められるが。
もと役人の真っ当さで案外人心を掌握して会はどんどん成長していく。
いい加減な筈の矢口は、その純真さで若い信者の信奉を得る。
上巻はトントン拍子に拡大してい「聖泉真法会」、下巻はスキャンダルに見舞われ信者に去られ、果ては…。
残った信者たちはデタラメで始まった宗教を信じ、さらに異議を唱えると教祖までもリンチするような狂信集団となって行く。
終章に向う迷走劇は、始まりのいい加減さにと対象的に、悲壮を通り越して荘厳ささえ感じられた。 -
下も読了。
途中これで纏まるのかと心配したが、さすが篠田節子、上手い。
宗教をビジネスとしてやっていこうとする主人公が宗教団体を軌道に乗せ、ビジネスとして成功させる前半、足元をすくわれ失墜していく後半、そしてラスト。
これだけの長編を破綻なく仕上げた力量に感服。
性的にえげつないシーンはあまりなく、宗教なんてものに下手に手を出したら痛い目に会う、女性心理はコントロールし難いといった作者の考えが伝わる。
教祖の公務員的な誠実さに途中違和感を感じたりもしたが、こういう人物だからこそ読者が不快感を覚えることなく最後まで読み進めることができるのだと思う。
現代の家庭や若者の病理も巧みに描き、エンタメとして文句のない仕上がり。 -
さすが篠田さん、脱帽です。実際にありそう。
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上下巻ともずっしりとボリュームあり。これは時間がかかると思い、半年ほど手がつけれなかった作品。数日休みがあったので、とりかかる。
宗教、チベット、ネパール、国際問題など、篠田作品の醍醐味が詰まっている。上から下のつなぎも流石。切れ目なく下に突入させてもらった。二日で読み終える。休憩は何度か入れたが、気がつくと三時間休まず読んでいたりと、作品から離れられなくなる魅力がある。 -
いつだったかの"このミス"にランクインしてて気になってた本。宗教と聞いて食わず嫌いしていた。
しかしもっと早く読めばよかった。宗教は宗教なんだけど、なんというか事業的な感じ。もっと言えば人間ドラマ? 昔だったら途中で辞めてたかもしれないが、今なら楽しめる一冊。ぐいぐい読める。宗教ってやっぱり金儲けなのか。