遠くの声に耳を澄ませて

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著者 : 宮下奈都
  • 新潮社 (2009年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103139614

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遠くの声に耳を澄ませての感想・レビュー・書評

  • 「旅」を絡ませた短編集。12編の物語が綴られている。私は「アンデスのの声」が好きだ。高齢の主人公の祖父母が話していた「キト」という街が、祖父母にとっての空想の街であると思い込んでいたが、実は実際に存在した街。祖父母は実際の旅行をすることはなかったが、ラジオから聞こえてくるエクアドルの放送とそこから送られてくるベリカード。これにより祖父母は豊かな「旅」を経験していた。また祖父母がカードのために受信確認の便りをエクアドルに送っていたという驚きもある。
    私は初めて「ベリカード」という者があることを知った。なかなか凝った内容だ。
    この作品集は「旅」のいろいろな形と「物語」を教えてくれる。

  • 遠くの風景が思い描かれる短編集。
    登場人物が少しずつ重なって、あのお話しに出ていたあの人だ、なんて面白さもあった。
    情緒的な作品の数々だった。
    “ミルクティー”の中から、コーヒーは、さあやるぞっていうこれからの飲み物、紅茶はゆっくり振り返る飲み物。なんか納得。

  • こういうリアルだけど少し希望もあるような小さな作品集って読んでいて良いね(((^-^)))
    特に登場人物たちが少しずつ繋がっているのが好き。
    その人の人生に広がりが見えるから、なおさら本が面白くなる!

  • 短編集。
    各編,最後の一言にぐっとくる。

  • 2016/6/16読了
    爽やかな短編集

  • 普通に頷ける本。
    主人公の考えや気持ちに、なんとなくそうかなぁ、と思ってみたり。
    イマドキの日本語という感じで読みやすいけど、力がこもった感じはない。
    結末も、え?ここで終わるの?というオチがはっきりしなかったり。
    作者は、結果に重きを置かずに、心の変化を書きたかったのかもしれない。

  • 1話完結だけど、繋がっている話。
    この登場人物は先の話に出てきた人だ!と、
    繋がりが面白い小説でした。

  • どの登場人物も、何かの壁にぶつかっている。
    でも、何かの拍子に、何かに気づく。
    遠くから聞こえてくる声に。
    そして、前へと進んでいく。

    起伏はないけど、しみじみと「ああ、なんかよかったな」と思える読後感。悪くない。

  • 登場人物が何度も現れる作品。
    タイトルと内容が、読み終わって納得。
    また読み直したい、というより、純粋なものが語られている感じ?
    静かな時間を過ごせた。

  • 旅がテーマの短編集。登場人物が微妙に重なり、次第に作品にのめり込める仕掛けもあります。
    日常の中の何気ない心の動きがよく描かれていると思います。読み終わってなんか心があったかくなります。

  • 内容説明
    瑞々しい感性と肌理細やかな心理描写で注目される著者が紡ぎ出す、ポジティブな気持ちになれる物語。看護士、会社員、母親。その淡々とした日常に突然おとずれる、言葉を失うような、背筋が凍るような瞬間。どん底の気持ちを建て直し、彼らが自分ひとりで人生に決断を下すとき、何を護り、どんな一歩を踏み出すのか。人生の岐路に立つ人々を見守るように描く、12編の傑作短編集。

    内容(「BOOK」データベースより)
    くすんでいた毎日が、少し色づいて回りはじめる。錆びついた缶の中に、おじいちゃんの宝物を見つけた。幼馴染の結婚式の日、泥だらけの道を走った。大好きな、ただひとりの人と、別れた。ただ、それだけのことなのに。看護婦、OL、大学生、母親。普通の人たちがひっそりと語りだす、ささやかだけど特別な物語。

  • 旅をテーマにした連作短編集。独立した話と見せかけて少しずつ話が繋がっているのがなんかいいな。作品の中で緩やかに時間が流れているのが良かった。宮下作品が纏っている独特の雰囲気が好き。2011/355

  • 1967年福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒。2004年デビュー。

  • 長編を書くような文章での短編小説で、登場人物の輪郭やら立ち位置がようやく飲み込めた頃に話が終わるので、なんだかぶったぎられ感・・・。ちょっと読むのに疲れました。登場人物が微妙に絡んでいて、濱岡さんの人生がめっちゃ気になった~~! 「どこにでも猫がいる」というタイトルがすごく気に入ったんだけど、ここに登場している人物が他の作品とどう絡んでいるのかがわからなくて気になる・・・これだけ主要登場人物の名前が出てこなくて、管理人の濱岡さんしか名前が出ていない。管理人としての登場だけが必要だったの??? 気になる~~。

  • 宮下奈都の『よろこびの歌』がよかったので、何か読んでみたいと、図書館で別の小説を借りてきてみた。短編集らしい。

    せかせかとは読めなくて、ゆっくりゆっくり、数日かけて読む。巻頭の「アンデスの声」と、なかほどの「ミルクティー」が、とくによかった。

    そして、本が終わりに近づくにつれて、あれ、たしかこの人は、前の話に出てきたな…ということに、ちらほらと気づき、しまいまで読み終えて、もう一度またてっぺんから読んでいると、やはり、それぞれの収録作は、ひょいと、別の話に出てきた人物があらわれたりして、ゆるーくつながった連作のようでもあった。

    カバーと、それぞれの話の扉につかわれている、網中いづるさんという人の装画もよくて、この人の絵を見てみたいなと思った。扉の絵はおそらくもとはカラーのものが、モノクロで、しかも小さく切り取ってつかわれているのだが、その小さく配された絵は、それぞれの話とゆるく響きあっているように思えた。

    「ミルクティー」で、真夏とみのりが交わす、こんな会話。
    ▼私が飲みたいのはいつもコーヒーで、みのりは紅茶だった。
     「どうしてもコーヒーじゃなきゃ嫌だってわけでもないんだけど」
     私がいうと、みのりはコーヒー豆を挽きながらこちらへすいっと顔を向けた。
     「仕事で煮詰まってるときなんか、一杯の熱いコーヒーに救われることがあるんだ。目が覚めるっていうか、さあもうひと息がんばろうって思えるっていうか。でも、紅茶は、飲んでしみじみおいしいと思ったことってないな」
     「なんとなく、わかるよ。真夏はコーヒー向き。コーヒーって、これからのための飲みものって感じがするもの」
     またみのりがおかしなことをいっている。そう思って、尋ねた。
     「じゃあ、紅茶はどうなの、何のための飲みものなの」
     すると彼女は少し考えるふうになり、ミルを回す手を止めた。
     「紅茶は、どちらかというと、振り返るための飲みものなんじゃないかなあ。何かをひとつ終えた後に、それをゆっくり楽しむのが紅茶」(p.182)

    どっちかというと、コーヒーを飲む私は、こんな会話を読みながら、ミルクティーが飲みたくなった。ミルクティーを飲んで、この一冊の本のことを、ゆっくり振り返りたいと思った。

    巻頭の「アンデスの声」は、年に二回、お盆とお正月にしか休まず、毎日まいにち田畑の仕事に精を出す祖父母、地元からほとんど出たことがないという祖父母を、どこかかわいそうに思う孫娘・瑞穂の視点で、書かれていく。

    「どこにも出かけたことのなかった祖父母に豊かな旅の記憶があった」ということが分かったときの瑞穂の驚き、そして胸の中が甘い花の香りで満たされていく思い。瑞穂がたどる子どものころの思い出が、ふいに転換して見えてくる場面が、とりわけよかった。

    (4/23了)

  • 2013.4.8
    最近はまっている宮下奈都。
    微妙につながってる連作短編集。
    ささやかな気づき、とあるけれど残念ながら私にはよくわからなかった。
    おなじ作家でも受け方が微妙に違う。

  • 波長があってる。
    つまり好きな雰囲気の本。

    人と人って、ちょっとずつ重なって生きてるんだね。
    自分ひとりでは決して築けない、そして気付けない、その重なりが愛しい。

  • 以前から気になる作品だったが、今回、小路氏とのコラボもあり、単独作品を読んでみようかと購入してみました。

  • 宮下 奈都氏2作目読破。(1作目は 「太陽のパスタ、豆のスープ 」)
    私はこちらの作品のほうが好き。1作目で「宮下氏の作品は10~20代前半向けなのかな?」と思いましたが、こちらはアラフォーのワタシでも違和感なく読めました。
    短編連作は、もともと大好きなので甘めの感想ではありますが、この作品の登場人物にときおりある種の毒(嫌味、かな?)を感じるところが、
    以前の作品よりも好き、かな。

  • 2012.8.19 市立図書館

    連作短編集。

    おもしろいんだけど、なんかモヤモヤが残る。なんだろう。

  • 少~しつながっている短編集。
    さらっと読めてしまうので流し読みしてしまいがちにも思えましたが、ほんわかふんわり、でも切なく…。かなり好みの作品でした。
    切ないけれど、それだけではない清々しい気持ちになれる一冊です。

  • 短編集だけど、登場人物がかすかにつながっているしかけもある。

  • このタイトルにすごくあった短編集だと思う。
    場所だけではなく、過去にみた田舎の光景だったり、遠い異国からきた絵はがきであったり。

  • 「流してみよっか」
    「流してしまえ」

    ああ、流してしまいたい。

    「私には私のこの人生こそがふさわしかったという自負がある。でも、どんな人生もありだったと今は思うのだ。」

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