ダンシング・ヴァニティ

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (2008年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103145295

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ダンシング・ヴァニティの感想・レビュー・書評

  • これ読むと気がおかしくなる妙な感覚になる。それをまた味わいたくて再読。
    やっぱ面白いわ。

  • 繰り返しの表現がたくさん出てきてそれもまた状況の説明になっている。

  • うだつの上がらない美術評論家の中年男。妻、子供、母、出戻りの妹とその七歳になる子供の6人家族。
    「ねえ。誰かが家の前で喧嘩してるよ。」
    という妹のセリフで幕を開け、以降、悪夢のような病的な反復でじりじりと時には大胆に物語が進む。本がベストセラーになったりならなかったり戦争に行って戦争に行って戦争に行って隊長になったり。とにかく僅かに細部を変えながらほぼ同じ文章が何度も続く。まさに悪夢。で、今度はこう来たかなるほどそうなるかという楽しみが延々と続く。めっちゃ面白かった。主人公の選択という視点で繰り返しているだけならよくあるタイムリープものなのだろうけれど、主人公は「選択」はしている。けれどそれは本来絶対に主人公自らが選択できるものではなく、著者だけが選択できる選択肢が混じっていたりして、とにかくそういうカオスっぷりが凄まじかったです。

  • 中期の実験的な諸作品(『虚人たち』とか『エロチック街道』所収の諸短編とか)で培った手法を軽やかにエンタティンメントに適用してしまう。筒井康隆恐るべし。

  • 殆ど大筋が同じシナリオが、ロックバンドのギターリフのように何度も何度も繰り返される。大筋は同じなのだが細部が違っていてその度に新しい情報が与えられる。「ひぐらし」やエロゲのようでもあるが、それよりはるかに短いスパン、数ページ単位で繰り返されるのだ。これにより生じる笑いもあり、流石は筒井御大恐るべし。

    「ダンシング・ヴァニティ」という山下洋輔氏の同名曲があるが、この小説はまさしく「音楽の小説化」に他ならない。音楽の持つ繰り返しの手法を小説に置き換えたのだ。これ以上やると小説では無く詩になってしまうので、その最上のかたちを以て小説にしたのである。

    筒井氏ならではのスラップスティックなナンセンスギャグもあり、思わず爆笑。純文学的要素、私小説的要素、いくつもの要素が詰め込まれていて筒井氏の集大成ともいえるのではないか。

    そしてこの自由闊達さ!
    もう、なんでもありな「自由なカオス」とも「統率されたカオス」ともいうべき有り様である。この自由さこそが小説だ。

    ところでロリ時代の凱子や支七子、コロスのメンバーなどが可愛いが、本作執筆時筒井氏は既に「ハルヒ」にも触れていると思うが、その影響なのだろうか。

  • 2008年1月30日、初版、並、カバスレ、帯付き。
    2014年7月12日、白子BF。

  • 繰り返し繰り返し・・・で読むのが大変でしたが物語の収束にカタルシスを感じて読了後はなんだかスッキリとしました。


    フクロウはどこへいったのだろう?

  • コピペ文学のようでコピペでない。ベンベン。それは何かと尋ねたら、ダンシング・ヴァニティ、ダンシング・ヴァニティ。「あれ、ここもう読んだはず」と何度しおりのはさみ間違いかと勘違いしたことか。とにかく読んでいると進んでいるのか後退しているのか、時間軸をかく乱させる技!腹の底から湧き上がる可笑し味と興奮の心地良さ!をありがとうございます、だ。この日常、いつもかわりねぇ、なんてうらぶれてる場合じゃない。毎秒変化し続けるんだと認識すると面白い!はずなんだけどぉ~~。

  • 何度もリセットしやり直す男の人生。けど最後は、そんな人生なら生死の意味はないと悟る。筒井節すんごい(笑)

  • まるで「脱走と追跡のサンバ」のようw

  • 方法論として面白いのかもしれないが、内容的にこれって何?という感じ。読書体験としてのスリルはあるが、読後感というか実りという点では意味無し。

  •  筒井康隆の『ダンシング・ヴァニティ 』読了。傑作『虚人たち』や『残像に口紅を』に匹敵する面白さ。わずかに差異を孕みながら執拗に反復する物語、と同時に円環をなぞるように進行する物語。著者の物語をコントロールしようとする力量に感服。久し振りに他の作品も読むかな、『朝のガスパール』とか

  • なじ■
    すげーーーーっ。
    読んでる最中とにかく、「すげーーー!!」という感じで、
    読み終えた今も「とにかく凄いものを読んだ」という心地です。
    そしてラストの一文でボロボロ泣きました…

  • 本の表紙にも登場しているが、コロス(合唱隊)がかわいいしおもしろいし印象的。バニィ・ガールのような網タイツをはいた二十歳前後の娘が10人ほど。集団的神出鬼没で「おれ」を焚きつけるようなことを言ったりなだめたり突っ込みを入れたりそれぞれが同時に好き勝手なことを言う。
    コロスはもともと演劇で用いられる手法だが、それらしく自分の役割をわきまえていたりもする。
    ――
    コロスは自分の居場所を心得盡している舞台上の役者たちのように理想的な配置で食卓の周囲に立ち、家族を見守っている。
    ――(P127)
    場面が目に浮かんでふっと笑う。

  • 実験的小説というのか同じシーンが何度も繰り返す。家の前でケンカしていると同じようなケンカが三回ほど繰り返されて次に行く。それ繰り返しが最後まで続く。
    さらに江戸時代に行ったりかなり破天荒な展開となる。病人の夢か混乱した回想という設定なのか。
    その実験性が面白い人も多いようなのだがワタシには単に苦痛でした。ビデオで同じシーンを反復して見せられるようなもの。少しずつ違ってくるので用心しながら飛ばし飛ばし読む。
    それでも何か画期的な話になるのではと期待したのだがそうもならず最後まで苦痛。

    歌の文句が出てきたり、スラップスティク風になったり筒井節は健在です。

  • 2010年3月18日読了。
    夢と虚構の境目が限りなくゼロになっていくような気分のまま読み終えた。
    場面や描写を少しずつ変えながらも反復していくと、ここまで不安定な気持ちになるのだなと思った。
    破天荒な現実なのか、はたまた常識ある夢なのか。どちらにしても最後に待つのは死な訳で。
    こういう、考えるのではなく感じる事が大事な実験作というのは自分の肌に合うらしくとても楽しく読めた。
    分からない事は理解するんではなく、脳のどこかよく分からない個所で吸収する事が大切だと改めて感じた作品。

  • 同じような場面が一続きで繰り返される。一度目と二度目、三度目と微妙に変化してさあどういうことかと思ったら全然違う場面で話が進む。そんなことを何度も何度も繰り返して忘れた頃に唐突に見覚えのあるシーンが出てきたりする。
    途中で「死夢」という意味深な言葉が出てくる。毎夜恐ろしい夢を見ていた人間が夢の中で死んで覚醒しないというものらしく、この解説自体が夢の中でなのか現実においてなのか曖昧なままで反復のルールにのってなされ、いよいよこれがこの小説の核かと思ったらまたさらりと置き去りにして江戸時代に行ったり戦争に行ったり。

    繰り返されるシーンはそれぞれがそれなりに破天荒でおもしろいけど、読めば読むほど微妙な変化にも大した意味合いが見出せず基本的には同じ文面をなぞるのと同じで読むのに根気が要った。つまりくどい。最後まで読んでようやく意図がはっきりする。
    ただの実験小説だったらどうしようという気持ちを払拭できないまま迎えたラストは感動というより安心したというのが本音。
    それでも筒井康隆にはまだまだ死なれては困ると思った。
    (文庫落ち待ちきれず購入ブックオフで750円)
    09.8.10

  • 09/05/29
    ジャズのような、映画のような。
    同じ場面を少しずつ描写を変えて3回程度繰り返しながら、エピソードを連ねていく。そして一生が終わる。思い出と死者と生者が重なり合う。そうとうレベルが高い。

  • 繰り返しながら徐々に変わっていく場面、実は死に臨んでの、という話。またまたやってくれました、筒井康隆。しかし、読むのが苦痛だった。 氏は断筆宣言したことがあったけど、いまでも万年筆派だろうか。まさかね。この作品はワープロでコピーペだとは思うが、読むほうはそうはいかない。こういうことも可能だよ、という意味では凄い。

  • 脅威の反復記述。おそろしや……。

  • 常に何かしらチャレンジングな作品を生み出して来る筒井氏、今回のネタ(技巧面の)は「反復技法」。同じ場面が少しずつ細部を変化させながら繰り返し記述され、その少しずつ変わった部分が新たな場面を導き…筒井作品でしか味わえないメタフィクションの世界。反復技法というスタイルとそこから生まれる世界の鮮烈さに圧倒されつつ、そうしたスタイルを用いて綴られたストーリーの方もインパクトはなかなか。ナンセンスな事象の中に描かれるリアリティ、筒井作品らしい一作。(2008/8読了)

  • すごい。
    でも、もっとコピペが少ない方が好みなのだ。

  • 図書館にて。
    久々にこの人の本を読んだ。ぐちゃぐちゃなようで整った感じ。
    どうしてか最後まとまるような感じがいつも不思議。やっぱり好きだなと思った。
    でも読みにくかった。

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