世界はゴ冗談

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (2015年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103145318

世界はゴ冗談の感想・レビュー・書評

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  • 短編小説集~「ペニスに命中」:認知症の男性が…。「不在」:大災害後の人びとの不在の中、歳を取らない男性が目覚めた「教授の戦利品」(蛇の権威の先生の役得)「アニメ的リアリズム」(確かに)「小説に関する夢十一屋」(夢に逃げるのは狡い)「三字熟語の奇」(2352語の2078語目の無造作までは普通で、2079語目の怪岸線から態と誤変換:いやはや草臥れる)「世界はゴ冗談」(更に短い話を三つで:あれあれ)「奔馬菌」(昔は自由奔放なことを書いていたが今や自己規制が働いて4時半退治の話が進まない…気を取り直して!)「メタパラの七・五人」(娘二人をモデルにした絵本を描いて当たった挿絵画家が死んだ49日の思い出話に故人も加わる)「附・ウクライナ幻想」(イリヤ・ムローメツを書いた舞台が原発事故とロシアの横槍で壊れていく…)~メタ・フィクションからパラ・フィクションへの提案。齢八十、頑張る

  • 難しかった。理解が追い付かない。
    理解しようとするのが間違っているのか。
    まんまと作者の罠にはまったかのよう。

  • 分からない

  • どうした、筒井康隆。
    非常に退屈な作品が多い。文学実験が前面に出ている作品が多いんだけど、実験に重きが置かれすぎてしまって、肝心のリーダビリティがついてきていないように感じる…。策士策に溺れるという印象。今まで結構筒井康隆読んできて、面白いと思ってきたんだけどなあ。それともやはり作中に書かれている通りの自己規制の結果なのか。『モナドの領域』も、なるべく早めに読みたい。

  • 文章が重く感じた。
    せっかくのネタが広がらず、一か所で回っている感じがする。

  •  筒井康隆まだまだ元気。

     「ペニスに命中」。惚け老人の一人称小説らしい。いや、ただの惚け老人ではない。すごい惚け老人である。かつては大学教授だったか警察官だったかよくわからないのだが、漏れ出してくる言葉は教養に溢れかえって意味不明に解体しかかっており、拳銃を手にすると鮮やかに分解し組み立て直してしまう。そして、みながやりたくてもできないあのこと、「あの喋り方の気に食わぬ総理大臣」を殺しにいってくれるらしいという爽快。で、何がペニスに命中?

     「不在」、男が産まれなくなった世界、昏睡したまま年をとらずどこか別世界にいる男の話、マラソン中に消えた女性。これらの話がどう関わっているのかよくわからないが、「不在」ということを変奏しているのだろうか。そしてその「不在」はここにはないがどこかにあるということを示してもいるようだ。

     大蛇を首に巻いている爬虫類・両生類研究の教授が大蛇を楯に無理を通す「教授の戦利品」。蛇が何かの象徴だと考えると寓話になるのだが。

     「アニメ的リアリズム」は酔っ払いの世界。

     この作家は小説に関する夢をいつも見ているのか、「小説に関する夢十一夜」、なぜに十一?

     「三字熟語の奇」は実験的文学とでもいう類か。数字を含む三字熟語から始まって三字熟語の羅列。そのうち政治絡みの熟語、医療関係の熟語と変遷し、最後は同音異字の創作熟語になる。

     「世界はゴ冗談」、これもよくわからん。3つのエピソードが並べられている。太陽黒点の増加で電子機器が一斉に故障した。眠れぬ夜こんな話を考えた、ダニエルは王子である……。電子機器の音声案内の反乱。

     春は化けもの。やうやう白くなりゆく生え際……と始まる「奔馬菌」、甚だ不愉快な午後の四時半を征伐に行こうとしたおれは、子猫を三匹お供に付ける。女性差別、百姓差別、精神異常者差別、老人差別、不具者差別、外国差別、外国人差別、病人差別などブラックな作品を書いてきたおれだが、そういうものを書けなくなった。条例の数が増えるのと比例して良識が作家までをも束縛しはじめたからか。そこへ「政府関係者」がやってくる。弟が帰ってくる。奔馬菌に冒された祖父が二階からどどどどどどと降りてくる。帯によれば「怪物的私小説」らしい。

     「メタパラの七・五人」。絵本作家(死んでいる)、その妻、長女と次女、次女の夫、担当編集者、作者(筒井康隆)、これを読んでいる読者(つまりおれ)、これで七・五人だ。◯・五人相当は作中に登場しそうで登場できない読者のことか。メタはメタフィクションのことで、パラは最近おれがここに書評を書いた『「4分33秒」論』の佐々木敦が提唱するパラフィクションのこと。齢80にしてまだまだ実験しているこの活力をみよ。

     老作家であることをあちこちに記しつつもこの元気にいささかたじたじとなるのだが、エッセイ「附・ウクライナ幻想」では、ウクライナの戦争に思いをはせつつ、『イリヤ・ムーロメツ』とその執筆前に取材に行ったウラジミール公国、すなわちウクライナの回想が情感豊かに語られる。なに、回想は老人の特権だからな。

  • 筒井康隆の新作。9編の短編集。ウクライナに昔行った記録のようなものがおまけでついている。筒井康隆らしい、意味不明なものもたくさん。『ペニスに命中』『三字熟語の奇』とか。80歳でこれを書くのか。『メタパラの七・五人』は面白かった。メタの概念を知ったのは筒井康隆からだったなぁ。ほんと、私は筒井康隆の小説からたくさんのことを学んだのだ。

  • 最早やりたいことをやり尽くしてスタイルの残響と化したような良くも悪くも「御大未だ健在」と確認するのみの短編集だが、一点、『メタパラの七・五人』には(脳内で)あっと言わされた。批評に積極的に耳を傾け貪欲に新しいスタイルを試していく筒井御大からはまだまだ目が離せない。

  • 皮肉なお話が多かったです。痴呆の老人による命知らずの奇行、蛇使いの大学教授、女しか生まれてこない次の世代、自邸や所持する車の音声ナビに乗っ取られる男性…まったくの架空のお話とも思えず本当に起こりそうな筋書きであって恐いと思いつつも面白いです。

  • 筒井ワールドの詰まった短編集。

    ・ペニスに命中
    ・不在
    ・教授の戦利品
    ・アニメ的リアリズム
    ・小説に関する夢十一夜
    ・三字熟語の奇
    ・世界はゴ冗談
    ・奔馬菌
    ・メタパラの七・五人
    ・附・ウクライナ幻想
    の10編収録。
    筒井独特のメタ世界観が満載でした。
    切れ味は一寸弱い感じもしますが、まだまだ元気そうです。
    小説とは言えない「三字熟語の奇」は最後の2ページ分が描きたかったと思われ、「現代語裏辞典」を思い出しました。

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世界はゴ冗談の作品紹介

文学の道化にして帝王。この男のおかげで世界は黒い嗤いに満ちてきた――。巨匠、八十歳。なおも最前衛に立ち、小説の沃野を拡げ続けた末の、悪夢のように甘美で刺激的な果実――。老人文学の臨界点「ペニスに命中」、SFと震災の感動的な融合「不在」、二千以上の三字熟語が炸裂する「三字熟語の奇」、最新の文学理論の小説化「メタパラの七・五人」など、異常なまでの傑作短篇集。瞠目せよ、刮目せよ!

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