モナドの領域

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103145325

感想・レビュー・書評

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  • バラバラ殺人事件かと思いきや、GODが出てきて、このフィクションは可能世界で、それを読んでる読者の世界も可能世界だと言い出す。

    登場人物のセリフが妙に長ったらしいのが面白い。

    それにしてもこの作家さん、1933年生まれだから執筆当時82歳か。すごいバイタリティーだ。

    https://www.amazon.co.jp/dp/4103145323?tag=booklogjp-default-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

  • GOD

  • 唯野教授は文学を講義。今回は神学講義。エンターテインメントと合わせているが、どうしても神学部分が重くて、そこまでの物語的盛り上がりはないがこれは実験上やむをえまい。メタフィクションは得意分野としてやっている。

  • エスエフというか哲学というか、神とは存在とは世界とはなにか、登場人物の対話形式でこれまで書かれてきた有名著書等にも触れながら語っていく小難しい感じの小説。小難しいことを小説にして少し砕けた感じで書いてくれてて面白く読めた。ちょいちょいメタ要素あり。最後には読んでいる私までgodがいなくなるのが悲しくなってしまった。悪の方が信じられるのではなく悪は真で、モナドは絶対で、godは祝福はしないけど、創造主として被創造物を愛してる。

  • 筒井康隆 「 モナドの領域 」

    神との対話をテーマとした哲学パロディ本。モナドの領域とは 神がプログラムした決定済の未来といったところ、神の話の前提となる。神と人間の関係は ライプニッツの可能世界論を用いている

    ライプニッツの可能世界論
    *神は無数の可能世界を創った
    *現実世界は 無数の可能世界の一つ
    *現実世界は 最善

    隣接する可能世界との破られた接点を縫合する

    GODの存在理由は 愛するため。創ったもの全てを愛する


  • 人生で少なくない影響を勝手に受けた筒井康隆さんの長編を数年振りに、しかも最後になるかもしれない最近作の長編を読んだ。まだ読んでいない長編もあるのに。きっと、ふいにドンドンはドンドコの父であることを思い出したからだ。

    さて、
    久々でも内容はとても筆者らしい。ミステリーの体裁から始まる話は、そのうち深いテーマを語り出す。難しい箇所もあるのに読みやすい。自分が文体に慣れ親しんでいるからかな、と思いながら読んでいたけれど、この筆者のことだから構成含めて色んなバランスを計算して書いているから、なのだろう。とにかく貪るように読んでいた頃、断筆宣言以前の作品と比べると、さらに練られた、ソリッドで簡潔な構成に感じた。「時をかける少女」も含め過去作を思いださせるサービスもあり、最後の長編であることを意識させるが、個人的には、それや本の帯文も含めてのパラフィクションだと解釈させてもらおう。こりゃまだ次があるぞ、いひひひひ。

    でもまずは、サボっていてまだ読みきれていないここ10年くらいの著書を読まないと。

  • 最初の1/5までは陳腐なミステリー小説と思いきや、宇宙意識が憑依、次元の違いなど、目まぐるしく変化する筒井小説。そして、この本の命題の回答の全てが190ページに掻かれているという荒技。
    どうせ、我々の人生なんか、高次元の小説家のなんでしょう。落書きれたり、消しゴムで消されたり、ややこしいことをさせられたり、気まぐれで小説から退場させられたり、本を燃やされるかもしれないね。
    いやあ、小説家は神、Godですよ。
    でも、これって最高傑作かなぁ?まだまだ面白いもの書けるんじゃないですか?先生、その点宜しくお願い致します。私は、先生についていきますよ!

  • GODは どんなクズでも

    最高傑作だと思ってるそうですので

    この作品も勿論傑作ですね

  • 河川敷から女性の片腕が発見され、その事件の真相を追う警部のまえに、「神以上の存在」と自負する男が現れる。
    序盤はバラバラ殺人事件の真相に迫る推理小説風に展開するが、途中からは哲学書の色合いが強くなり理屈っぽくなるが、それなりには愉しめる作品。

  • 絶対的な存在のGOD。存在の理由は?
    モナドの領域とは何なのか?
    アートベーカリーで作られた腕の形のバゲットと事件の関連性は?
    無限大である宇宙のすべてが見えており、そのすべてのものに愛を注ぐ。
    モナドによって定められたことは誰にも変えることはできない。
    神のようなGODでもである。
    哲学や宗教も入り混じった規模の大きな話だった。

著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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