本にだって雄と雌があります

著者 :
  • 新潮社
3.74
  • (95)
  • (86)
  • (63)
  • (32)
  • (15)
本棚登録 : 1051
感想 : 174
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103197225

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小難しい言葉、回りくどい言い回し、軽快なんだか饒舌なんだかくだらないんだかわからないような言葉遊びとダジャレの応酬。
    1ページに言葉がぎっしり詰まっているみたいで読むのに時間がかかった。
    びっくりするくらいページが進まない。
    では、面白くないのかといえばそんなことはなくて、先が早く読みたいのに進まないという、やきもきする感じ。

    本には雄と雌があって、本棚に無造作に並べていると“幻書”と呼ばれる子供ができる…。
    そんな幻書を収集していた祖父のことを、息子に語る手記のような趣の作品だけど、奇想天外な喜劇のような出来事と暗くシリアスな出来事、そして、過去と今と未来が不思議に繋がって、読み終わったときにこれが書かれたのが“いつ”なのかわからなくなったり。
    ハチャメチャなようで計算しつくされた素晴らしい作品です。

    読了するのにすごくエネルギーは必要だけどね。
    途中で投げ出したくなるから、きっと(笑)。
    最後まで読まないとこの作品の本当の面白さに気づけない。
    そういう意味ではちょっと意地悪な作品(笑)。

  • いや~これは本好きにしか楽しめないと思うわ~
    モリミーをさらに饒舌ほら吹きにした感じ。
    面白かったw

    装画 / 龍神 貴之
    装幀 / 新潮社装幀室

  • タイトルにある通り、本には雄と雌があって、
    気の合う本の間には…
    というファンタジーな部分は発想がユニークで興味深い。

    いい意味でアホで腰砕けな文章もなかなか楽しいけれど…
    いかんせん、ちょっと下品なのが個人的に残念(笑)。

  • 読書好きの人が蔵書が増える事への言い訳として、本には相性があって相性が合ってしまうと夜中に子供が出来るから増えると。
    冒頭あたりは面白かったが、中盤からは言い回しもくどいし長い。全体的にもっと短くても良い。
    ストーリーはファンタジーかな。増える本はどこへ行くのか等ファンタジーらしい内容だが、語り手を子供にして経験談ではなくリアルタイム進行の方が纏まった気がする。話が分かり難かった。

  • ん~?あんまり好きくないかも・・・。

  • 一筋縄では収まらないマジックリアリズム小説!?との書評を目にし、書名・装丁にも興味を惹かれ手に。「可笑しくって、ちょっとほんわか」のような内容を予感しながら読み始めた・・・。その予感は外れてはいなかったけれど、当たりでもなかった。可笑しくて笑ったところもあったけれど、本という物を通して描かれる喜び、苦しみ、愛、そして死、に引き込まれていった。本と共に生きる事はもちろん、本と共に死を迎える事も素敵だな、と思った。一冊の本と共に死を迎えるならば・・・、とちょっと考えてみる。

  • とても評判の良い本だったが、私にはどこがそんなに良いのか全く分からなかった。
    読み通せるかどうかが問題だという評もあったけれど、確かに途中で投げ出してしまう人もいそう。
    「本にだって雄と雌がいて、だから子供も生まれるのだ」と言うのだから本が主人公かと思いきや、そうでもない。
    生まれた本を蒐集する與次郎の、生涯の物語と私は読んだ。

    時々あらわれる、作者の語り口の軽妙さと戦争の記述が物語に深みを与えている。

  • なんて素敵なラブストーリー。

    最後まで読んで、また最初から3ページほど読んでしまった。
    気がつかなかった仕掛けがいっぱいあるにちがいない。

    覚えてる間にもう1回読みたい。

  • 四方山話が結構好きなのでこの手の本も面白く読めた。

    系統としては森見さん風味。
    でも真面目部分がもうちょっと多めなのかも。
    戦争の話とか結構ずっしりと重たくてぐったりする。
    それも阿呆で壮大なお話の中のひとつなで、
    暗い気持ちになはならいのが不思議だった。

    人生が終わると1人につき1冊の本になって飛んでって、
    私たちの叡智が到底及ばないようなものたちの暇つぶしになる。
    その部分がすごく好きだ。
    それって神様だったり宇宙人だったりと呼ばれるようなものかな。
    それともそういう人の想像が及ばないようなものなのか。
    考えたらわくわくしちゃうねぇ。

  •  「私の母方の祖父、つまり君の曽祖父ということになるのだが」と、父が我が子に、祖父・與次郎のことや與次郎が集めていた“幻書”のことを書き残した?というような形になっている。本には雄と雌があり、隣り合った本と本から本(=幻書)が生まれる→捕獲し特別な蔵書印を押して我が物に…。では、與次郎はその蔵書印をどのように手に入れたのか?本来あるはずのない本、幻書に書かれているのは!?
     前半は、支離滅裂なことがくどくど書かれているような印象で、話に入り込めなかったのだけれど、最後まで読んでみるとおもしろかった。

全174件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1974年生まれ、宮城県出身。小説家、ファンタジー作家。関西大学法学部政治学科卒業。2009年『増大派に告ぐ』で、第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、作家デビューした。2013年『本にだって雄と雌があります』で、第3回「Twitter文学賞国内部門」の第1位を獲得した。

小田雅久仁の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×