本にだって雄と雌があります

著者 :
  • 新潮社
3.74
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本棚登録 : 1051
感想 : 174
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103197225

作品紹介・あらすじ

大阪の旧家で今日も起こる幸せな奇跡。本だらけの祖父母の家には禁忌があった。書物の位置を決して変えてはいけない。ある蒸し暑い夜、九歳の少年がその掟を破ると書物と書物がばさばさと交わり、見たこともない本が現れた!本と本が結婚して、新しい本が生まれる!?血脈と蔵書と愛にあふれた世界的ご近所ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • またまたユーキ本さんの本棚からのチョイスです。
    いやぁーこの御仁、無茶癖あるんですよぉぉお。一人語りでコソコソと話されるのですが聞き耳立てながら聴いてると回りくどい表現に下ネタも絡めてきて、皮肉交じりのおっさん口調でリアルなら距離近そうだし耳元に息吹きかけられるような恐怖でドン引きするところでした。感受性豊かな人なら3Dの臨場感凄いでしょうね。埃だったカビ臭い匂いと口臭が凄そうです。
    相性のいい本を隣り通し並べてておくと夜中にページを絡めあって子作りするとか、知らぬ間に本が増えてゆく蔵書家の言い訳がねっとり迫ってきます。
    なんで子孫でもない私がネチネチとコアな話を聞かなければいけないのかこれはモラハラかも。父親が爺さんの武勇伝を息子に語ってる様子でした。退屈すぎてあくびがでそうでした。
    生まれた「幻書」は、ページを羽ばたかせてパタパタと宙を舞うとか象牙の蔵書印を押すと鎮まるとか、半分以上は意味のない言葉遊びのようなたわいごとなので、うつらうつら読んでも、ページを飛ばして読んでも支障にならない。宿敵苦沙味の話しとか、ミキさんとの出会いとか、戦争のこととか所々つまみ読みしてもボルネオ辺りに白い象が飛んでいくようでぜんぜん心に響かない。すみませんこれ以上読んでられませんし返却期限が迫ってきましたっw
    時間切れギブアップですぅ

    • ゆーき本さん
      ギブアップー!笑
      めちゃくちゃ意味わからん世界でしたよね笑
      ギブアップー!笑
      めちゃくちゃ意味わからん世界でしたよね笑
      2024/02/24
    • つくねさん
      うわぁーーん、最後まで集中力切らさないで忍耐強く読めたゆーき本さんをソンケーします。読んでるとなんかイラってするんですよね。
      とりあえず深...
      うわぁーーん、最後まで集中力切らさないで忍耐強く読めたゆーき本さんをソンケーします。読んでるとなんかイラってするんですよね。
      とりあえず深井家には距離をおこうと思いましたw
      2024/02/24
  • 読みづらかった!
    小田節に慣れるまでかなり読みづらかった笑
    しかし慣れてしまえばこっちのものです。むしろ好きです笑 小田先生は口から産まれたのかしら?と思うほど次から次へとよくそんなに面白い屁理屈でますね笑って感じです。ちょいちょい挟む下ネタにも笑ってしまう(´▽`*)

    さて、本の内容ですが
    これは本当にここだけの話です。誰にも秘密ですよ。
    実は本には雄と雌がありまして...
    相性の良い本を隣同士に並べておくと、夜中にカタコト子作りしてるんです。 見たことも買った覚えもない本が本棚に収まっていたら それは本が産んだ子供「幻書」です!

    うちにもありますよ。
    恩田陸さんの「私の家では何も起こらない」ホラー母と 綾辻行人さんの「黒猫舘の殺人」ミステリー父の間に 「黒猫舘では何も起こらない」という平和な子供が産まれました。気をつけないと幻書はバサバサと飛び立ってしまうので要注意です!

    それはさて置き 本の内容ですよね。
    これも秘密の話ですが、
    「幻書」収集家や、三度の飯より読書好き むしろ活字中毒な人達が亡くなったら その魂はどこへ向かうと思いますか?

    もし あなたが産まれてから死ぬまでの出来事が書かれている幻書が目の前に現れたら あなたは読む勇気がありますか?

    幻書の収集をしていた祖父 深井與次郎の不思議な人生(運命?)と、幻書の超常現象を目の当たりにした話を、孫の土井博が息子の恵太郎に宛てて書き残した書物。それがこの本です。幻書と人生の秘密が書かれています。

    先日読んだ『禍』と同様、摩訶不思議な小田ワールド全開です。何度も「私、何を読まされてるんだろ?」
    となりましたが笑 読み終わった後はなぜかホッコリした気分になりました。
    「自覚のあるなしにかかわらず、誰もが誰かの続きを生きる。人間ってそういうことか。」
    ご先祖さまから脈々と受け継がれてる血。私が死んだら私の一生も1冊の物語となって誰かに読み継がれていくんだろうか?面白い事は何も起こらないけれど笑。 そして最後まで読んだら、また最初に戻りたくなる!あー!そういうこと!ってね。中表紙の與次郎の印も!

    博と奥さんの「一反木綿ギャグ」の話が大好きすぎる!

    『禍』も今回も 小田さんの言葉使いがめちゃくちゃ面白くてツボなんですが、いつか使ってみたい言葉に出会いました。めちゃくちゃ恥ずかしい思いをした際に
    「穴があったらさっさと底に横たわるから土をかけて墓石を乗せて欲しい」
    いつか使う機会が訪れるでしょうか笑
    あと地球儀見て「やっぱりな!」って言いたい!笑

    • ゆーき本さん
      秒で潰れたら物語にならないね(^▽^笑)
      秒で潰れたら物語にならないね(^▽^笑)
      2024/02/10
    • yukimisakeさん
      生まれてきた孤島のQ読まないと!笑
      「我々ミステリ研究会はここではコードネームで呼び合う事にしよう」
      「じゃあ僕は…おい!Qはどこいった?!...
      生まれてきた孤島のQ読まないと!笑
      「我々ミステリ研究会はここではコードネームで呼び合う事にしよう」
      「じゃあ僕は…おい!Qはどこいった?!」「電波が通じない?!」

      つまらなさそう笑
      2024/02/11
    • ゆーき本さん
      孤島ではQの魅力が全然発揮できないっ!笑
      孤島ではQの魅力が全然発揮できないっ!笑
      2024/02/11
  • 小田さんの『禍』を拝読して凄い読書体験をした後、ゆーき本さんからこれまた凄い内容の本を書いていらっしゃるとの情報を頂き気になりすぎてこちらも拝読。
    本と本が子作りをして蔵書が増えるという内容だけ聞いていたので、その内容にこのページ数を使うとは一体?!と秘境に挑む藤岡弘さんのような心持ちで読み始めました。
    蓋を開けてみるとラブラブな夫婦のお話だった気がするし、壮大な魂の記憶の話だったような気もしますが纏まりません。
    どちらにせよ小田さんの書物に対する愛はビンビンと伝わりました。

    語り部のわたしが息子の恵太郎に祖父の與次郎の話を聞かせる構成になっており、この與次郎が愉快な本好きの好人物(そして奥さん大好き)なので好感が持てるのですが、最初の方から途中まではなんだこの話?!と面食らいました。
    先ず與次郎の家は寝室から台所まで蔵書がビッシリで、それをこっそり本が子作りをして増えるからだと述べる與次郎。相性の良い本を隣同士に置くと間の子が産まれ幻書になり、バッサバッサと宙を舞うので捕まえて特殊な象牙で出来た印を押して契約を結び大人しくさせなければならない。
    まさか本同士のいたし方について読む日が来るとは夢にも思っていませんでしたが最初にわたしが目にした幻書は『はてしなく壁に嘔吐する物語』
    なんて汚い本なんでしょう!!「朝も早うから、えずきそうになった」とわたしが述べていますが私も食べたばかりの焼きそばで胸焼けを起こしそうになりました。

    始めからフルスロットルですが、ここから與次郎の学生時代の話や嫁のミキとの出会いの話が始まり、まあ変な人ばかり出てきます。
    百年しゃっくり病と言うしゃっくりが止まらない奇病に罹っている悪友や、3歳で地球が丸い事を知り「やっぱりな!」と発言する叔父、ミキ自身も相当変わっているのですが與次郎とミキが恋愛に発展する前の会話がどえらい事になっています。
    「象する」やら「要する」やら「要されないでください」やらこれは読んで頂かない事にはなんとも説明出来ないのですがなんだこの変人たちは、と笑ってしまいました。

    このまま幻書の話がどう繋がるんだろうと謎に思っていると中盤、突然やって来るシリアス展開。
    昭和20年、與次郎が太平洋戦争に駆り出されボルネオ上陸作戦に補充兵として徴兵されます。
    死の行軍であるこの作戦で與次郎は生死の境を彷徨う羽目に。今までのおちゃらけ下ネタ乗りは一気になりを潜め、あれ私は戦史物語を読んでいたのだっけと突然こちらも違うモードに切り替えさせられます。しかも泣かされそうになる話に展開して行きどことなく悔しく思っていたら(失礼ですけれど)それも束の間。こんにちは、小田さんワールド。お早いお帰りで。

    ここでは宮沢賢治さんと高村光太郎さんの本のお子様が出て来ます。これはもしかすると感動的な話になって行くのでは?!と思っていたらまた濃ゆいギャグを挟みつつ、ああ、愛と人間の生の意味についての話かも知れない…としみじみしてしまったのが本当に悔しかったです(再三失礼ですが)

    手放しで面白いとは言えませんが『禍』と言い、本作と言い小田さんが鬼才なのは分かりました。そして下ネタ好きなんですね。

    本好きの皆さん気を付けて下さいね。うっかり相性の良い本同士を並べると見た事もないタイトルの本が増えているかもしれません。
    我が家には『孤島の鬼』と『Q』が面陳で並んでいますので知らぬ間に『孤島のQ』とかいうクローズド・サークルみたいな本が生まれているかも知れない…。ちょっと、読みたい…。

    • yukimisakeさん
      『黒猫館では何も起こらない』笑笑
      ストーリー5ページで終わりそう(о´∀`о)
      『桜の禍』とか産まれないかな笑。一生遊べますねこれ(>_<)
      『黒猫館では何も起こらない』笑笑
      ストーリー5ページで終わりそう(о´∀`о)
      『桜の禍』とか産まれないかな笑。一生遊べますねこれ(>_<)
      2023/12/27
    • 1Q84O1さん
      『鬼畜の自覚』読んでみたいかも…(*´ェ`*)ポッ
      『鬼畜の自覚』読んでみたいかも…(*´ェ`*)ポッ
      2023/12/27
    • yukimisakeさん
      僕も読みたい…(о´∀`о)
      僕も読みたい…(о´∀`о)
      2023/12/28
  • タイトルで面白そうと思い読もうと本を開くと
    ぎっしり詰まった文字、難解な例え。。
    1/3読み終えた所で挫折(༎ຶ⌑༎ຶ)

    • つくねさん
      栞さん、こんにちわはじめまして!

      この本難解すぎてぜんぜん読み進められなくって私も途中リタイヤでしたよ。
      お仲間がいて嬉しかったです(*⁰...
      栞さん、こんにちわはじめまして!

      この本難解すぎてぜんぜん読み進められなくって私も途中リタイヤでしたよ。
      お仲間がいて嬉しかったです(*⁰▿⁰*)
      2024/03/03
    • 栞さん
      つくねさん!
      コメントありがとうございます!(´▽`)
      お仲間がいてよかった(*´艸`)フフフッ♡
      つくねさん!
      コメントありがとうございます!(´▽`)
      お仲間がいてよかった(*´艸`)フフフッ♡
      2024/03/03
  • 実は、本にも雄と雌があって、
    相性のいい本を隣同士に並べると、跡継ぎをこしらえる。
    だからして、本がいつのまにか増えるのは、致し方ないことなのだ!

    家の床が抜けたら、ぜったいママのせい!と断言される私には
    なんと魅力的かつ便利な言い訳でしょう♪
    (この文章を書いているところを見られてしまったので、娘には試せないのが残念。。。)

    でも、この本の中では、これは言い訳でもなんでもなくて
    主人公の深井博は、遥か昔の小学生の頃、エンデの『はてしない物語』と
    サルトルの『嘔吐・壁』を、禁を破って並べてしまったばかりに
    『はてしなく壁に嘔吐する物語』という幻書を誕生させてしまうのです。
    幻書が背表紙を上にしてぱたぱたと飛び回るのをつかまえて
    真っ白な象牙から掘り出した蔵書印を捺して従わせる。。。
    本好きならば、ひそかに夢見てしまうステキ体験ですよね。

    幻書と深井一族の不思議な繋がりを息子の恵太郎に伝えるため
    博がワープロでこそこそ打った文章、という体裁をとっているこの物語。
    「自叙伝を書こう!」講座に持っていったら必ずや、「一文が長すぎる!」
    と添削されそうにだらだらと長くて、しかも段落もなかなか変わらない。
    ついてこれるヤツだけついてくるがいい☆と言わんばかりの雰囲気が
    楽しそうに悪ノリして書いているときの筒井康隆さんや森見登美彦さんを思わせます。

    歯切れのいい、簡潔な文章を好む方には、深井一族の歴史を延々と描いた
    序盤、中盤はかなり苦痛に感じられるかもしれませんが
    そのあとには、本と家族への愛情が大海原の波のように打ち寄せる
    感動的なラストシーンが待ち受けています。

    本が引き寄せる過去。本が予言する未来。
    未来を綴った本に巡り会ったとき、
    この本の中のヒトラーのように、世界を思うがままに操ろうと野望を抱くのか、
    それとも家族のささやかな幸せが続くよう、節度をもって対処するのか。
    本読みの品性が問われるところでしょうか。
    本への敬意と愛情が、たくさんの幻書となって大空にはばたいていくような
    摩訶不思議な1冊です。

    • kwosaさん
      まろんさん!

      本棚の方への有り難いコメント、恐れ入ります。
      実はこの本、図書館への返却期限ギリギリだったのですが、あまりの密度の濃さに途中...
      まろんさん!

      本棚の方への有り難いコメント、恐れ入ります。
      実はこの本、図書館への返却期限ギリギリだったのですが、あまりの密度の濃さに途中何度も挫折しそうになっていました。
      普段は読了本のレビューしか見ないように心掛けているのですが、これに関しては、まろんさんのレビューをチラ見してしまいました。
      頑張って読めばご褒美があるに違いない。
      そう信じて読み続けてよかった!
      これもひとえにまろんさんのおかげです。
      本当にありがとうございます。

      それにしても読み終えたときの衝撃。
      我々がいま読んでいるこの本自体が、仙吉の代で與次郎が発見した「幻本」であり、彼自身の「予言書」であるという仕掛け。
      『雄雌本』と『捨鳥、赤磨に立つ』の子である『本にだって雄と雌があります』
      『捨鳥、赤磨に立つ』が「にだって、と、があります」のアナグラムであるという凝りよう。ここからもこの本が「二人」の正統な血脈であることが分かります。
      黄表紙と空想小説が混ざりあったみたいな文体すらも、この物語の仕掛けであったと納得。
      永遠に循環するようなラストといい、本の扉の蔵書印といい、メタ的な趣向も満載。
      久々にとんでもない物を読んだなぁ、と呆然としております。
      2013/01/27
    • まろんさん
      kwosaさん☆

      先入観を持たない状態で丁寧に本を読んで
      最初の感動を大切にしていらっしゃるkwosaさんに
      なんとチラ見していただいたと...
      kwosaさん☆

      先入観を持たない状態で丁寧に本を読んで
      最初の感動を大切にしていらっしゃるkwosaさんに
      なんとチラ見していただいたとは、うれしいような恥ずかしいような。

      この本、よほどの本好きでも、かなりの確率で途中で投げ出したくなってしまうと思います(笑)
      私も、読んでいる間、娘に
      「あれ、ママまだその本読んでるの?2日以上おんなじの読んでるのめずらしー!」
      なんて言われましたもの。

      でも、絵を描いている画家の絵、を描いている画家の絵、を描いている画家の絵・・・と
      永遠に続いていくトリックアートのようなラストの感動は
      がんばって読み続けなければ味わえないので、
      そのことだけはレビューで伝わるといいな、と思って必死に書いたのです。
      少しはお役に立てたのなら、とてもとてもうれしいです♪

      そうそう、アナグラム、凝りに凝ってましたね!
      嬉々として言葉遊びしている感じが伝わってくる本でもありました。

      同じ言葉遊びでも回文ですけれど、kwosaさんおすすめの
      『七つの海を照らす星』がやっと手に入って読み終えたところです。
      言葉を見るたび、ひっくり返したくなって、しばらく回文がマイブームになってしまいそうです(*'-')フフ♪
      2013/01/28
  • 横丁のご隠居の昔話を延々と聴かされる気分で読み続けております。
    「ええ、ええ聴いておりますとも」
    姿勢を正して相づちを打ち、時々愛想笑いなんぞを浮かべながら、
    「とんでもない長話につきあわされるぞ」
    しかし年寄りの話はちゃんと聴くもんですな。
    蔵書家の与太話かと思っておりましたら、30ページ辺りでナチスの『予言局』なんてキーワードが。
    ちょっと面白くなってきたぞ、なんて思っておりますとまた昔話。
    結局じっと我慢の子。
    このご隠居のはなしにオチはあるのか、ええい半分までつきあったんだからこうなりゃ一蓮托生だ。槍でも鉄砲でも持ってきやがれってんだ。なんて大口叩いたら、アルファケンタウリの方角から超弩級の隕石が如きファンタジーが攻めて参りました。
    とんでもない奇書でございます。
    読了後、もしやと思い扉を見返すと、やはりそこには『深井與次郎』の蔵書印が押してございました。

    こんなふざけ半分の紹介文を書きたくなるような、いや書かざるを得ないような、なんとも説明のし難い物語。
    百人が百人、面白いと言う本ではないと思う。
    けれども僕はいつの間にか、この本の魔力に取り憑かれていた。

    本の雄と雌が睦み合って子を産む。
    サルトルの『嘔吐・壁』とエンデの『はてしない物語』から『はてしなく壁に嘔吐する物語』が産まれるという展開も、読み終えてみればギャグではなく、とても示唆的な本のチョイスだったと思う。

    講談のような漫才のような昭和の大衆小説のようでありながら、SF・ファンタジーのような時空を縦横無尽に飛び越える、まさに「深井家サーガ」とでも呼ぶべき物語。
    そしてラストのカタルシス。
    いろんな物が渾然一体となった文体もいまならば分かる。
    (こうやって感想を書いていて「あっ、そういうことか」と気づくことがたくさんある。)
    再読するとまた違う景色が見えてきそうだ。

    • kwosaさん
      まろんさん!

      コメントありがとうございます。

      図書館の返却期限ギリギリで読み切ったのが深夜三時近く。
      夜中の魔力でかなり筆が滑った文章を...
      まろんさん!

      コメントありがとうございます。

      図書館の返却期限ギリギリで読み切ったのが深夜三時近く。
      夜中の魔力でかなり筆が滑った文章を書きました。お恥ずかしい限りです。
      実は途中で何度も挫折しかけたのですが、まろんさんのレビューのおかげで読み切ることができました。
      この本の魅力を教えて頂いたのは僕の方です。
      ありがとうございます。
      2013/01/27
    • 円軌道の外さん

      こんにちは!
      ご無沙汰しております(^_^;)

      久々に休みがとれたので
      朝からブクログ三昧でございます(笑)


      て...

      こんにちは!
      ご無沙汰しております(^_^;)

      久々に休みがとれたので
      朝からブクログ三昧でございます(笑)


      てか、この本、
      変だけど面白いという噂は聞いてたけど
      本の雄と雌が睦み合って子を産むって(笑)、

      kwosaさんの
      江戸っ子レビューを読んで
      コレはもしや
      自分のツボにもハマるんちゃうんと
      今ドキドキしております(笑)


      元々自分は
      音楽にしても
      ジャンルの壁なんて
      軽々と越えていっちゃうような
      自由な表現活動が好きなので、
      是非ともチェックしてみたいと思います(^_^)v


      2013/01/28
    • kwosaさん
      円軌道の外さん

      コメントありがとうございます。
      ブクログ三昧、いいですね!

      エセ江戸弁で書いてしまいましたが、物語本編は関西弁で進行して...
      円軌道の外さん

      コメントありがとうございます。
      ブクログ三昧、いいですね!

      エセ江戸弁で書いてしまいましたが、物語本編は関西弁で進行しています。
      とんでもない密度と熱量に圧倒されるかもしれませんが、チャレンジする価値はあるのではないでしょうか。
      是非、ご一読を。
      2013/02/02
  • 本棚に本を並べていたら間に本が増えていた―。
    大阪の四代にわたるある一族の、幻書にまつわる荒唐無稽なファンタジー。

    本にだって雄と雌があり、交尾をすれば相性のいい本の間には子どもが生まれる…なんていう人を喰った与太話が、クセがある文体で長々と饒舌に語られ、もうおなかいっぱい!というほどに楽しめました。

    中盤までは主人公の一族のエピソードが四代にまたがって延々と語られ、ちょっとダレてしまうのですが、後半は怒涛の圧倒的展開となり、ここに至ってやっと前半の無駄だと思った部分が生きてきます。

    私たちは何のために生まれ、どこへ行こうとしているのか。
    一冊の本のように私たちの人生もまた常に誰かの物語の続きであり、それは円環の中で生き続け、やがては永遠へとつながっていく。
    そんな深い思索へと読者をいざなっていきます。

    そしてこの本も、数々の名作の中から生まれてきた――生まれるべくして生まれてきた本なのだと気づかされるのです。

    著者の書物への愛情が随所に感じられる、本好きにとってはたまらなく愛おしい物語だと思いました。

  • 在りもしない書物の引用で物語をぐいぐい推し進めていく構成はまるで『ドグラ・マグラ』のようで、物語中の「読む者」と「読まれる者」がいつしか入れ替わり、ループして、それ自身が果てしなく物語を紡いでいくという展開は『はてしない物語』のようで、祖父から自分を挟んで息子へと至る四代の壮大な歴史物語は、一本の大河ドラマのようだった。本にだって雄と雌があって、従って夜な夜な本棚から這い出して勝手に子供を作ってしまうこともあるのだ、という荒唐無稽な書き出しに、小難しい衒学的な文章、そして人物の喋りが大阪弁、とくれば、まあ森見登美彦とか万城目学ふうなマジックレアリズムなのかな、という印象だったのだけれど、そんな枠組みには収まらない、むしろそんなことどうでもよくなる小説でした。これは「新・日本3代奇書」に数え上げてもいいんじゃないかと思うスケールだ。ほかの2つが何かは知らないけれど。

    死んだ人が本になるのだとしたら、それが読み継がれ、語り継がれ、新たな本の一部になるのだとしたら、それほど幸せな死はないだろう。この世に文字があって、言葉があって、本があって良かった。本好きで良かった。
    書店員という自分の仕事に誇りが持てた一冊だった。

  • 最初はなかなか進まなかったけど、中盤からどんどん面白くなった!
    読み終えた今、たまらずニヤニヤしてしまう。

    「幻書」にまつわる深井一族の話を息子に語る語り手、土井博。
    口調はちょっと森見登美彦とか町田康のようでいて(関西弁だからかも)、そこまでアクが強くはないけどダジャレは次々放り込む、というような雰囲気。最初は「しつこいわー」と思っていたがいつのまにかクセになります。

    小ネタがあちこちにちりばめられていて、電車で読むにはちと危険です。
    『はてしない物語』『嘔吐・壁』のあいだにできたこどもが
    『はてしなく壁に嘔吐する物語』!いやー読みたくない(笑)

    「本好きな夢のあるおじいさんがいたんだよ」というようなファンタジーで終わるのかと思いきや、
    途中から家族の愛や戦争の惨さまでおりまぜて、意外に感動が押し寄せます。ファンタジーなのにいろいろ腑に落ちる。
    本好きにはたまらない本。
    最後はいろんな伏線が回収される感じが心地良い。

    表紙をじっくり眺めてもおもしろいし、中表紙にも意味があります。
    なんて本!
    こいつ本当に飛ぶんじゃないか…

  • 最初の数ページで、なんだか登美彦氏の小説を思い出しました。
    ムズカシイ言葉やヘンテコな理論をこねくりまわす感じ・・・。
    著者紹介を見たら、この著者も日本ファンタジーノベル大賞を受賞されているとのことで、なんとなく納得。

    本にも実は雄と雌があり、そのあいだに子供だって生まれるのだ・・・という奇想天外な話から始まる本書。
    生まれた本は「幻書」と呼ばれ、ページを羽ばたかせて宙を舞う・・・。
    そんな幻書の蒐集家である祖父を持つ語り手が、息子に宛てた手記が本書です。
    祖父・深井與次郎の人生を語りつつ、深井家の周囲で起こった幻書にまつわる不思議な出来事の数々が綴られています。

    ばかばかしいなぁと思ってしまったり、阿呆だなぁと思ってしまうところが多々あるのですが、私はこんな感じが結構好きなのですw
    かの大英博物館長・アントニオ・パニッツィが白い象に乗ってエセ関西弁を駆使したり・・・。
    やや冗長にも感じましたが、楽しく読みました。

  • 本と本から生まれた空飛ぶ本「幻書」と、手記の書き手の祖父や家族を巡るファンタジー。
    本当に面白かった!!読み終わって本を閉じる瞬間、あぁよい本だったぁとため息出ちゃうくらい、とてもステキな本だった。ハードカバーで買おうと決心。

    文章をこねてこねてこねくりまわしているうちに話が逸れていって気が付いたら川向う!といった印象の文章は、語彙に富みユーモアに溢れているけども、人によって好き嫌いがあるのは確か。私はどちらかと言えばかなり好きなのに、最初はなかなか苦戦した。後半尻上がりに面白くなって、ファンタジーで、家族愛でほっこりして、冒頭で文体に苦しめられていたことをすっかり忘れてしまっていた。

    世の中には夥しい量の面白い本があって、人間の短い寿命ではそれらのごくごくごく一部しか手に取ることができないことを、日々悲しく思う私は、ラディナヘラ幻想図書館の司書に選ばれたらなんて楽しいんだろう!と素直に憧れを抱いてしまった。私もいつかラディナヘラの司書になるべく、毎日小賢しく本の並べ替えに勤しみたい。

    本をファンタジーと家族を愛する人に、ぜひおすすめしたい一冊。

    --

    旧家の書斎に響く奇妙な羽音。そこでは本たちが「結婚」していた! 深井家には禁忌(タブー)があった。本棚の本の位置を決して変えてはいけない。九歳の少年が何気なくその掟を破ったとき、書物と書物とが交わって、新しい書物が生まれてしまった──! 昭和の大阪で起こった幸福な奇跡を皮切りに、明治から現代、そして未来へ続く父子四代の悲劇&喜劇を饒舌に語りたおすマジックリアリズム長編。

  • 1ページ当たりの文字数の多さと、ホラまみれボケまみれツッコミまみれの関西感?まるだしの文章に、読み始めはかなり苦労しました。なかなかページが進まない。

    そもそも、本文始まって2ページ目の「チツテト」の意味が分かるまで、不覚にも数分を要してしまった(汗)こりゃ、進まないのも当然だね。

    小説は、「私」が、「私の息子」宛てに書いた 「私の祖父」の一代記の体裁であるが、更に数代前の世代から現在までを行きつ戻りつし、親類縁者のエピソードも詳述されるので、中盤までは 面白いんだけど とりとめなくてごちゃごちゃした印象。

    だが、祖父・深井與次郎がボルネオに出征したあたりから、今までバラバラだったそれぞれのエピソードが、パズルのようにぴたりと組み合わさって、想像もしなかった巨大な世界が眼前に現れてくる。

    「幻書」という、摩訶不思議な存在をめぐる、ありえないファンタジーであるにもかかわらず、読後妙に納得できるのは、そんな「ありえなさ」を超越した夫婦愛、家族愛が描かれているから。かな?

    命のつながり、それ以上に不思議なものはない、ということかもしれません。

    とにかく、本が好きでよかった!!

    これが一番の感想です^^




     

  • 本を題材にした森見登見彦的なファンタジーというよりも
    深井一族の話である事を理解し、
    内容のテンポのわりに回りくどい文章を乗り越えられれば
    面白くてほっこりできる本だと思う。
    仕掛けという程ではないかもしれないけど、最後まで読むとニヤリとして
    また初めのページに戻りたくなる。

    何より登場人物たちと作者の本に対する愛情を感じられるのが良い。
    自分の本棚の本を入れ替えたら「幻書」が生まれるかなー?とか
    自分もラディナヘラ幻想図書館の司書になりたいなーとか
    本好きにとっては妄想が広がるステキなお話。

  • 浪花版『百年の孤独』とでも名付けたい、虚構と現実日常と非日常が交錯しどちらがどちらか判らなくなり、そのうち読んでいるのか読まれているのか自分がいるのは地球の日本という国土の上なのか何処か知らぬ宇宙の彼方を漂っている最中なのかと、己が消えてゆく感覚を堪能できる。
    言葉の奔流凄まじくボルネオのジャングルで遭遇する司書の操る怪しげな大阪弁風魔導言語には関西圏以外に棲息し軽々しく関西弁もどきを発する者に対する揶揄すらも感じさせ猛省を促す力まである。
    わたくしも混書なるものを生じせしめてみたいところだが乏しい蔵書にて期待は持てぬ。かくなる上は最寄の書店図書館にて実験を試みたい衝動に駆られる。
    日本中の書店図書館資料館で蔵書がむやみに動かされる事件が頻発する懸念あり。全国の書店員ならびに司書の方々監視を怠りなく。

    案外著者も司書という職業にある身なのかも知れぬ。

  • 読後、ぷはーっと息を吐き満面ににっこりして「ああ面白かった!」と100%で言えた。久しぶりに。…ここがいいだあれがおもしろいだとぐだぐだ書き連ねるのもなんだかナンセンスに思える本なのだけど。
    地の語りが関西弁の口語体でそれがいちいちニヤニヤしてしまう滑稽さ。だらだらと続くその語りに散りばめられている幻書と人びとの記述が、拡がるにつれ目が回るような惑乱にぐるぐるしながら読み進めれば、最後はくるりと回って見事にきれいな二段オチ。拍手喝采!スタンディングオベーション!
    …ほらなんだか味気ない感想文…だからたぶんこの本の感想は「ああ面白かった!」だけでいいのだ。100%それだけでいい本をもっと読みたいものです。

  • 読んでいてチョト思いついたんどすけどな、このタイトル「オスとメスがあります」やのうて「オンとメンがあります」て読むんやないかいな?

    パニッツィ先生の怪しげな関西弁がウツってしもうた。

    はじめは読みにくくて難渋しましたが「九」くらいから加速度がつき読めるようになってきました。結局これは家族の話です。本の話でさえないかもしれない。深井家サーガなのです。一族のうち何代目かに一人幻想本の図書館司書に任命される性を持つ本好きの家系の物語。

    これだけの家屋敷を実際に維持するのは大変だと思うんです。御祖母さんの一人暮らしだととくにね。草取りだけでもたいそうな労働だ。相続税は…とか出てこないところがファンタジー。

    亀山金吾は結局何者なのかね。また別の系統の不老不死の家系なのか。

  • 最初から三分の一くらいまでは退屈で意味がよくわからない内容。講談師に語ってもらったら面白そうな文章でもあり、そんな様子を思い浮かべながら進んでいった。すると後半から俄然面白くなる。祖父の戦争体験が書物の中の書物として違う字体で表現されていて、そんな構成も楽しめた。部屋を飛び回る「幻書」の様子が手に取るように分かって楽しい。一言でいうなら「深井家のファミリーヒストリー」。ありえない映像なのにリアル感があった。

  • 最近読んだ日本の作家の本の中で一番面白かった。これしか褒めないで今年は終わるかもしれないが、日本文学にも面白い本があった。忘れた頃に図書館から予約の通知が来て、なぜこれを予約しただっけと思い返せばTwitter文学賞1位だった。すごいな、本屋大賞よりはるかに信頼できるぞ。本屋大賞は、翻訳部門は良いが日本のほうがだめだ。
    本書はいわば日本のマジックリアリズム。スケールの大きな幻想の中に家族の歴史と戦争、飛行機墜落事故等が織り交ぜられる。つぎはぎ感はある(航空機事故はもちろんクライマーズハイ)のだが、大局的には生々しく悲惨でもあり、個々の人間たちは愚かに愛おしく日常を刻んでおり、それらをユーモラスな大阪弁と奇想天外なイマジネーションで繋いでいく。饒舌な言葉、山ほどの引用、言葉遊び、著者の博覧強記ぶりがわかる。読んでないけれどジョイスというイメージ。いや読んでないけど。ああ日本にこれだけの書き手がいたんだねと思う。
    そして本を愛する読者に送られた幻書のなまめかしさと可笑しさ、幻想図書館の鮮烈なイメージは至福だ。私が死んだら、墓も何もいらない、一冊の本になってボルネオに飛んで行きたい。

  • 「あんまり知られてはおらんが、書物にも雄と雌とがある。であれば理の当然、人目を忍んで逢瀬を重ね、ときには書物の身空でページを絡めて房事にも励もうし、果ては後継ぎをもこしらえる」。
    とこんな調子で呆れるくらいに抜け抜けと繰り出される嘘八百によって、與二郎とミキ夫婦を中心とする、本にとりつかれた一族の歴史が語られる。駄法螺と与太話の羅列みたいな文章は面白すぎていつまでも読んでいたいと思うくらいだけど、戦地に送り込まれ死の淵まで行った與二郎の切実な思いは、ちっぽけな存在として殺されていった人たちに連なっている。だからこそ、「人は死んだら一冊の本になる」という駄法螺がただの駄法螺ではなく聞こえてくるのだ。

  • 他のレビューにも書いてあったが、とにかく最初は読みづらかった。読んでも読んでも、すすまない。その割りに途中でやめようと思わなかったのはやはり魅力のある本なんだろうなあ。登場人物が皆さん個性的で素敵。私のお気に入りはミキだ。この人の書く短編も読んでみたい。

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著者プロフィール

1974年生まれ、宮城県出身。小説家、ファンタジー作家。関西大学法学部政治学科卒業。2009年『増大派に告ぐ』で、第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、作家デビューした。2013年『本にだって雄と雌があります』で、第3回「Twitter文学賞国内部門」の第1位を獲得した。

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