松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクション

  • 14人登録
  • 3.00評価
    • (0)
    • (1)
    • (2)
    • (1)
    • (0)
  • 4レビュー
著者 : 松本清張
制作 : 浅田 次郎 
  • 新潮社 (2009年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103204329

松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクションの感想・レビュー・書評

  • 浅田次郎さん選の松本清張短編集。
    桐野夏生さん選に比べると社会派でちょっと固いお話が多いイメージでした。
    タイトル通り、どの話にも悪いヤツが出てきます。

    収録されているお話は、啾々吟、カルネアデスの舟板、ある小官僚の抹殺、黒地の絵、空白の意匠、大臣の恋、駅路。
    私はこの中では、啾々吟、カルネアデスの舟板が面白いと思いました。

    「啾々吟」は歴史小説。
    同じ日に生まれた三人の男子。
    一人は主君、一人は肥前守直正の嫡男淳一郎、一人は二百俵三人扶持御徒衆のせがれ嘉門。
    この中の淳一郎の目から見た、嘉門の人生がこの「啾々吟」というお話です。
    三人の中で嘉門は一番身分が低いわけですが、子供の頃から利発で聡明。
    将来出世するだろうと思われていたのが、いつも人間関係でつまずいてうまくいかない。
    そして転落の人生を送るようになる。
    この主人公の淳一郎も最初嘉門と会った時、何故かいけすかないヤツだと思う。
    でも同年だけに、つき合ううちにその印象は勘違いだったのかと思うようになります。
    だけど淳一郎だけでなく、周りの人間も何故か嘉門を避けるようになる。
    最初は気に入られても何故か途中から疎まれる。
    「可愛げのないやつだ」と。
    それを嘉門は自分の持って生まれた運命のせいだと呪いますが、その言葉こそが周りから疎まれる原因だったんだろうと私は思います。

    「カルネアデスの舟板」とは、海で遭難した時、一枚の板にすがって浮かんだ二人の男が、二人では板が沈むので一人を海中につき落として自分だけが助かった。それが罪にならないというギリシャの挿話。
    そのお話の通り、このお話の主人公である教授は保身のために恩師を海につき落とそうとします。
    人目には親切にしているようにふるまいながら影では恩師をあざ笑い、果てには罠にはめようとしその罠に自分自身が陥る主人公。
    本当のワルはこういうヤツだな・・・と読んでて思いました。

    あと「黒地の絵」は、朝鮮戦争の最中、北九州の小倉で起きた実際の事件を題材にした作品。
    占領軍のキャンプから脱走した200人もの黒人兵たちがカービン銃、手榴弾を持って各地で暴行を働いたという衝撃的なお話でした。
    後味がすごく悪かったものの、とても印象に残りました。

  • 啾啾吟
    黒地の絵・・強烈だった

    今頃この作家の書かれる人物や事柄に共通しているものが見えてきたような気がする
    それは本当に弱い人間の心の裏の心理が書かれているといってよいのではと実感として感じられる。

  • ある小官僚の抹殺 が読みたい。

全4件中 1 - 4件を表示

松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクションを本棚に登録しているひと

松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクションを本棚に「読みたい」で登録しているひと

松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクションの作品紹介

こんなにも胸を打つ、ワルの哀しみ。-野望と破滅と、語れぬ夢と。最強の読み手が独自の視点で選ぶ"マイ・ベスト"。

松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクションはこんな本です

松本清張傑作選 悪党たちの懺悔録―浅田次郎オリジナルセレクションの文庫

ツイートする