妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録

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著者 : 垣添忠生
  • 新潮社 (2009年12月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103212218

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妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録の感想・レビュー・書評

  • 何の予備知識もなく読み始めて、年齢差にはびっくりしたけども、それ以外はとても普通の夫婦で。こんなに奥さんのことが大好きで大切にしている旦那さんがいることに、心が温かくなった。

  • 駆け落ちまでした恋女房と40年、やっとのんびりできると思った定年間近。リンゴの種ほどの影が妻を襲う。がんは猛烈な勢いで命を奪っていった。がんの専門医でありながら最愛の人を救えなかった無力感と喪失感――著者は酒に溺れ、うつ状態に陥り、ついには自死まで考えるようになる。その絶望の淵から医師はいかにして立ち直ったのか、心の軌跡を赤裸々に綴った慟哭の体験記。

  • がん治療にかかわってきた医師がその妻をがんで失うというやりきれない話。自分自身の喪失感を事実関係と共にできるだけ客観的に記述しようという姿勢に心を打たれる。わが身に同じことが起きたとしたらこのように冷静でいられるだろうか。

  • 国立がんセンター名誉総長という要職にあった垣添忠生さんが退任し、
    名誉総長になって間もなく、奥様昭子さんのがんが再発
    短期入院も含む化学療法による治療をするが効無く、
    9月に一緒にカヌー旅行にいった後入院、
    一時帰宅した2007年年末に亡くなられている

    昭子さんとの出会い、親の反対を押し切っての結婚
    医師として忙しかった家庭を支えた昭子さん
    こどもは授からなかったが、
    ずっと「波長があった」という二人の関係
    闘病の経過、喪失感の日々、そこからの再生が語られる

    私にとっては少し年上だが同世代を生きた方のひとつの家庭の歴史でもあった
    文章からは率直、真面目、謙虚な人柄が忍ばれる
    また昭子さんとの穏やかな関係、お互いの信頼関係がうかがわれ、素晴らしい

    この本は新潮社から2009年12月に出されている

  • 20111021 産業カウンセリング287より

  • 国立がんセンターの病院長を長く務められた垣添忠生医師。
    皮肉にも、最愛の妻を小細胞がんで見送ることになりました。
    「国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録」と副題が付けられた本。
    文字通り、妻の闘病から死を看取り、そして、その後訪れたうつ状態に苦しみ、しかし、その中から再び立ち上がるまでを、つぶさに描いています。

    若い頃から膠原病を患い、病弱であった妻、昭子さん。
    それでも元気なときには、夫の忠生さんと一緒に、カヌーに乗り、ハイキングを楽しむ行動的な女性でした。
    しかし、がんに侵されてからは、転移を繰り返し、最先端の陽子線治療も功を奏しませんでした。
    手術に耐え、抗がん剤の苦しさにも耐えてきた昭子さんは、本当は治療を中止し、そのまま静かに残された時間を過すことを望んでいたかもしれません。
    しかし、夫は国立がんセンターの病院長。
    その妻が、なにも手を施さずに馬が、がんに負けることは許されないということもわかっていました。

     本当のところ、妻は抗がん剤の効果を信じてはいなかったのではないかと思う。
     やはり、全身への転移を知った時点で、妻は自分の命をあきらめていたように思えてならない。
     それにもかかわらず化学療法を受け、激しい副作用に耐えたのは、結局は私のためだったのではないだろうか。
     何とか妻の命を救いたいと必死になっている私の期待に、全身で応えようとしてくれていたのだろう。

    垣添さんの献身も、昭子さんのがんばりも空しく、2007年末、外泊を許された自宅で、昭子さんは亡くなります。

    妻を失った後の垣添さんは、いままで以上に仕事に打ち込みます。集中している間は、昭子さんのことを思いださずにすみます。
     問題は、夜である。
     寒風の吹きつける中、コートのえりを立てて帰宅すると、明かり一つ点いていない家が待っている。
     日中、誰もいない部屋の空気は冷えきっていた。
     祭壇の写真の前に座り、妻に今日の出来事を報告する。
     だが、いくら話しかけても答えは返ってこない。妻はもういないのだ。
     この事実が堪え難かった。

     「もう生きていても仕方ないな」
     何度、こう思ったか知れない。
     そして、この考えを打ち消してくれるのもまた、妻なのだった。
     そんなことをしても、妻は決して喜ばないのだから、と自分に言い聞かせた。

    その苦しみの中から、垣添さんは立ち直りました。
    やっと未来を考えられるようになり、いまは執筆や講演活動に忙しい、亡き昭子さんが望まれたであろう生活を送っています。

  • 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録

    12歳年上の奥様を「癌」で亡くし絶望しいきる気力を失った先生が立ち直り生きて行こうと一歩一歩前向きに進んで行く事を、同じ境遇の人たちに向けて語りかけている!

    人それぞれのやり方仕方があるだろうが一筋の光に思える優しさに溢れている先生のお人柄が感じられる作品!

  • 国立がんセンター名誉総長が、がんでご自身の妻を亡くされた記録です。

    「最愛の伴侶をがんで亡くした時、自死すら考えた私は、いかに立ち直ったか」(帯より)

    若いときからがん研究に明け暮れてきた著者、がん医療の最高峰にいる著者が、がんで奥様を亡くされる、、無念さが伝わってきます。
    6ミリの影を確認していたのに、死を防ぐことができないガンもあるのですね。。

    悲しい話が書かれているのですが、素敵な夫婦が描かれていて、ここまで想ってもらったら幸せだろうな、と思いました。

    2年以上、何の検診も受けていませんが、自分だけの体ではありませんので、最低限、毎年1回は検診を受けようと思います。

  • がんの専門医の妻ががんに侵される。
    なんとも、不幸な巡り合わせだ。

    著者は妻との馴れ初めから語り起こし、
    臨終を看取るまでの日々をつづっている。

    それだけに、惜別がどれだけのものだったのか、
    読んでいる者にもぐっと伝わってくるようになっている。

  • 医師である夫が10歳年上の妻を看取る。
    医師であるがゆえに、色々な事が分かってしまう辛さもあると思う。
    最期までこんな献身的な夫と一緒に過ごすことができて、妻は
    幸せに旅立つ事ができただろう。

  • 去年手術をした身として、そして、著者と同じ子供のいない身としても、いろいろと考えてしまいました。
    ガンにたいする恐怖を持っている現在、病気とそして家族とどう向き合うか考えさせられました。

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妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録の作品紹介

定年を迎え、妻とのんびり過ごしていこうと思っていた矢先の出来事だった。わずか六ミリの影が、妻を襲った。一年半にわたる闘病生活、自宅での看取り、妻亡き後に押し寄せてきた絶望感、そして、人生の底から立ち直るまでの道のり-。日本のがん医療の最高峰に立ち続ける著者が、自らの体験を赤裸々に綴った。

妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録はこんな本です

妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録の文庫

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