高峰秀子の流儀

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103222316

感想・レビュー・書評

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  • 「高峰秀子のエッセイは面白い、彼女は頭のいい人である」というのは誰から聞いたのか、あるいは読んだのかわからないが心に残っていた。
    自分にとって大事なものがはっきりわかっていて、それを大事にした人であったのだ。
    生まれ持った利発さは女優として彼女を大成させ、恵まれなかった家庭環境に押しつぶされるどころか逆に人として成長させていて、すごい人だと思う。
    結婚して幸せな生活をおくれるようになったのは、彼女の頑張りがあったからこそであろう。

    でも、私が嬉しかったのは高峰秀子は「本の虫」であったということだ。
    親の目を盗んで本を読む。女優を引退し年をとって原稿依頼も断るようになってからは、するべき家事をすませるととにかく本を読んでいる。「そんなに本ばかり読んで・・・」と周囲の人にあきれられ心配されるほどに。
    手元の本を読みつくして、「もう読んじゃったんだけど・・・。いや、ゆっくり読もうと思っているんだけどね。」なんて言い訳しながら次の本を求める高峰さんの可愛いこと。
    いやもうこれだけで彼女にすごく親近感をおぼえてしまう。

    雑誌の連載が本になったということからか繰り返しも多々あったり、著者が高峰さんに心酔していることがもろにでているような書き方の部分があったりして、そこはもう少し工夫があっていいかなと思う。
    でも本好きの高峰さん、いいなぁ。

  • 高峰さんについて全く知らなかったので、凄い人もいるもんだと感心しましたが、作者の感想はちょっと蛇足かな?

  • 高峰さんが存命のうちに読んでおきたかったです。
    仕事も家庭も完璧にこなす高峰さんのようにはとてもできないけれど、気持ちのもちかたや、家事のことなんかは心がけで少しはまねできそう。
    ぐうたらなわたしにはとても難しいですがね。

  • こんな風に生きられたらと何度思ったか。
    著者と高峰夫妻との交流も羨ましい。

  • 多くの芸能人をインタビューされた斉藤さんならではの切り口でしょうか。
    私は高峰さんが大好き!まん丸の笑顔のなかにある、強くて潔い意思を何となく感じていましたが、これほどまでの方とは思っておりませんでした。
    新たな気持ちで映画と、そして、彼女自身の著書を読みたいと思いました。

  • 高峰秀子が夫・松山善三とともに暮らす日々を描いたルポ。
    彼女の日常は簡素で無駄が無く、サバサバした性格は気持ちが良い。
    高峰秀子は引退後は公の場にほとんど姿を見せず、今はエッセイなどの執筆も
    していない。そんな中で「私だけが高峰秀子の今を知っているのよ、こんなに
    懇意なのよ」と著者の慢心が文章の端々に感じられる。
    まるで「高峰秀子と私」といった風で、「成瀬巳喜男生誕100年にちなんで、
    マスコミからの取材依頼がたくさん来たのを(高峰秀子は)固辞してたが、
    私が頼み倒して独占インタビューを書かせてもらえるようになった」との
    エピソード一つとっても、「私のおかげでインタビューができたのよ!」と
    恩着せがましさが感じられる。そこを我慢すればよい本。あまり映画人との
    エピソードがなかったのも残念。

著者プロフィール

斎藤 明美(さいとう・あけみ):作家。1956年高知県生れ。津田塾大学卒業。高校教師、テレビ構成作家を経て「週刊文春」の記者を20年務める。1999年、初の小説「青々と」で第10回日本海文学大賞奨励賞を受賞。2009年、松山善三・高峰秀子夫妻の養女となる。

「2024年 『高峰秀子 夫婦の流儀 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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