- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103227212
感想・レビュー・書評
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失敗してもめげずに仕事に邁進する、
バイタリティ溢れる女性を描くとピカイチ☆な山本幸久さん。
不幸せというほど不幸せではないけれど
変わらない毎日の中で、小さくため息をついているような
アラフォー女性を描いても、やっぱり上手い!
じわじわとボディブローのように効いてくる憂鬱を抱えた8人の女性を描いた短編集です。
夫が前妻と住んでいた家で、彼女が選んだ家電を買い替えずにはいられなくて
貯金を使い果たし、牛丼屋で女子高生に混じってバイトする悦子。
新しい彼女に結婚を迫られるたび、最初の妻のところに彼女を送り込み
自分のどうしようもなさを説明させる元夫に辟易する恵利。
早朝に出勤し、真夜中に帰宅する夫とはロクに会話する暇もないのに
狭い家で義父と噛みあわない会話をしながら一日中過ごす破目になる真紀。
バイトの同僚の女子高生と店長との恋に振り回されたり
見知らぬふたりのささやかな幸せのため、庭のベリーを摘んでジャムを煮たり
頭に血がのぼったら「象が一匹、象が二匹」と象を十匹数えたりしながら
若い頃のようにがむしゃらに憂鬱をはね返すのではなく
宥めて、あたりをゆっくり見回して、じんわり活路を開いていく姿に励まされます。
仄かな可笑しさと淋しさが絶妙にブレンドされた
『ズボンプレッサー』、『町子さんの庭』、『象を数える』の3篇が素敵です。 -
もがくアラフォー女子を男性目線で書いてあるのが面白くついつい引き込まれてしまう。短編なのが惜しい。どの話もつ
づきが気になりこれからというところで終わってしまう。
頭の切り替えが大変だったりも。 -
ほんのちょっとだけ残念な40代、女。しまい込んでいた何か。妙なエスニック調の生地。といったものがモチーフに織り込まれた短編集。愛は苦手どころかどの作品もさりげなく愛いっぱいで重さはない。
前の家の持ち主とその老女が作るジャムが好きだった少年、見知らぬ二人のためにジャムを作ろうと思い立つ。仕事に疲れた女性が”愉快でならなかったのだ”と感じる「町子さんの庭」わかる。 -
短篇集。
『カテイノキキ』娘の衣類となると捨てられない!? あぁ、あの時に買ってあげたワンピース、可愛かったわとなるのか?
『買い替え妻』前妻の買ったものが残る家での生活、そりゃ、人のだんなを取ったのだから仕方ないんじゃないの? と言っても気分悪いか。
『ズボンプレッサー』夫の浮気相手がこうも次々やってくるというのもまいるわ。3人目くらいから「あぁ、そう」と淡々と対応できるのだろうか。ま、最後に当人がギャフンといってくれればヨシ。
『町子さんの庭』引っ越してきた家の庭を見て、近所の人にがっかりされるって心苦しいわ。それほど人気のある人が住んでいたらその後に住む人にも苦労があるね。自分が手入れできる範囲であれば、色々なものが収穫できるっていいな。庭からご近所付き合いに発展できていいと思う。
『たこ焼き、焼けた?』子供が大人のようにわかったような口をきくってなんかかわいい。自分のやりたいことをあきらめずチャレンジして手に入れた。その時にお世話になった人から貰ったたこ焼き機からその人を思い出す、偲ぶっていいな。お葬式に行かないくても通じるものがあると思う。
『象を数える』義父との暮らしかぁ、想像できない。お互い遠慮が薄れたらうまくいくのかも。象を数えたら落ち着きそうだね。
『まぼろし』政治家の愛人か。お金の心配もなく好きにやれそう(あくまで想像)。でもさ、落選したら……。生活を急に落とすことなんてできないよ。人に頼らなくても生きていけるよう手に職だね、やっぱり。
『愛は苦手』子供のために袋物を作る。ニガテな人には拷問だな。そういうあたしも手芸はニガテ。「自分で作る=愛情」ではないと思うけど。
何かあったときに顔を見せてくれる人がいるっていいな。 -
40代女性の様々な人生模様
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アラフォー女性の短編集。
人生の選択の末、様々な生活を送っている年代かと。
どんな人生でも、幸せも悩みもある。
ささやかな日常を大切にしたいと思った。
どの話もきれいに終わるところが好き。
読みやすかったです。 -
周りの人を大切にする。
時間を大切にする。
男性が、女性を主人公に書くのが面白い。 -
アラフォー女子の日常を描く短編集。
山本幸久氏の作品4つ目ですが、短編はお初でした。
派手になっていく娘を心配する夫婦、
バツイチ夫の元妻との生活が気になり、家財道具を買い替えずにいられない妻、
勤続20年、一軒家を購入した独身女子、
離婚した夫のだめっぷりに振り回される元妻、
義父との同居で、新しい時間を過ごすようになった妊婦、
夫と自分を結び付けてくれた恩人上司の訃報に、過去を思い出す主婦
議員の愛人歴20年、彼の落選により、愛人を廃業となった女性、
職場で、流れからよその子供の入園グッズを作ることになったお直し屋店員、
それぞれの主人公は、みんな平凡で、こういう人いそうだなと思えるようなタイプ。
それを取り巻く人々が、個性的で魅力的なのは、著者の作品にありがちな感じです。
いろいろ読めて、楽しかったですが、短編では、ちょっと物足りなかったかなというところかな。 -
今、とても忙しい。
ほんとうはレビューを書いている場合ではない程
追い込まれている。
完全に逃避。読書も感想書きも!!
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わずかな時間に気楽に読める短編を
と思って読み始めたけど
一気読みしてしまった。
ほとんどの話が読後すっきりするから
ついつい((次は?次の話は〜))
と、止まらなくなった。
最後の「家出(嘘)」の話、
私にとってドンピシャ状態。
どの部分か書く程の時間は今は無いけど
そのうち。 -
結婚、出産、仕事・・・どの局面でどんな選択をしても、順風満帆という訳にはいかないなぁ。
年をとる毎にやり方とか分かっていっている筈なのに、年をとる毎に不器用になっている気がする・・・。
最後は問題が解決したり救われる訳ではないけど、問題と向き合ったり上手に付き合っている感じがして、とても良いお話でした^^
この本も要チェック!!です。
山本さ...
この本も要チェック!!です。
山本さんの本を読むと、私も頑張ろう!!って力が湧いてきます
山本さん、男性なのに、どうして女性の気持ちがここまでわかるんでしょうね。
でも...
山本さん、男性なのに、どうして女性の気持ちがここまでわかるんでしょうね。
でも、ちょっと苦い物語にも、必ずどこかに救いを用意してくれるから好きです♪