沈まぬ太陽 全5巻

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著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2000年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784103228196

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沈まぬ太陽 全5巻の感想・レビュー・書評

  • 手法として賛否両論あるようですが、フィクションと割り切っても、「信念を貫いて生きる」ということについて、もう一度考えさせられました。
    この長い物語の中で主人公が心から笑った場面がいくらあったか?御巣鷹山の事故現場の描写も迫力がありましたが、雨の空港での家族との別れのシーンは、心にずっと残ったままです。

  • 5冊を3日間で読み終わる。
    読みやすいが、かなりハードな内容だった。
    「恩地元」が主人公。

    10年は、仕事に専念しようとしたが、
    8年目に、労組委員長を、八馬という委員長に、無理矢理押しつけられる。友人の行天も職場改革のために立ち上がれと支援する。

    現場での不満が、渦巻いており、その改善のために努力するが、
    会社は、特殊な独立法人であり、問題の解決がなかなかできない。

    スト権を確立し、ストを行使することになる。
    そのことで、アカ呼ばわりされ、2期続け、
    結局、委員長を降りた時点で、カラチ、テヘラン、ナイロビととばされること10年。
    飛行機事故の多発のなかで、裁判の結果、本社にもどされる。
    しかし、純然たる窓際族。

    飛行機が、御巣鷹に激突し、521名のたくさんの命を奪うという事故をおこすなかで、会社のあり方が問われる。

    会長に繊維会社の会長が、三顧の礼出むかえられ、
    その会長の人道主義的采配で、恩地は、名誉回復する。

    会長は、現場に基づき、「絶対安全」と、「公平な人事」を訴える。
    しかし、困難は、さらに、会社の病巣にふれることで、不協和音が出始め、会社の再建は、結局おぼつかなくなってしまう。

    そして、また、恩地が、ナイロビへとばされるところで、幕を閉じる。
    航空行政は、政治と密接不可分の利益が発生するところであり、
    そこから腐敗も生まれる。
    また、労働貴族達の利権も深く絡んでくる。「差別」にめげずに闘う。
    堂本、八馬、三成、岩合、轟。

    行天の不確かな態度と戦術 生き残りをかけて、つねに保身をはかっていく。

    不公平という言葉を日本人は、あまり気にしない。
    公平に見るということの訓練ができていないからだ。

  • 3巻目 御巣鷹山篇 が のリアルさ! 520名+1名のご冥福を改めて祈ります。 今年の夏は御巣鷹山に登ります!
    官僚以上の官僚社会!JALの現状はどうなんでしょう?
    長かったですが、約一月で読み切った感じです。
    山崎豊子さんの文章はとっても読みやすい! あっと言う間に読み切れるのは先生の文体のスムーズさなのでしょう。

    また、暫くしたら長編読んでみたいですね。

  • 飛行機墜落してからの遺族の怒号描写が印象的だ。すべてにわたりリアル。

  • アフリカ篇(上、下)、御巣鷹山篇、会長室篇(上、下)の3部、全5巻からなる長編小説である。
    舞台は国民航空(モデルは日本航空)。労働組合の委員長を務めたことから会社の目の敵にされ、10年もの間カラチ、テヘラン、ナイロビと僻地をたらい回しにされた恩地元を主人公とし、巨大航空会社に蔓延する腐敗構造をまざまざと描き出している。
    第二部御巣鷹山篇では、1985年に起こった日航ジャンボ機墜落事件を取り上げる。操縦がきかなくなり墜落していく飛行機の中で書き記された遺書(彼の娘が大学の先輩であることを後に知った)、機長と管制官とのやり取りが記されたボイスレコーダーの記録、事故の衝撃により完全遺体がほとんど残らなかった惨状の中、指一本、歯一本でもと家族を探し求める遺族の姿、事故で一家の大黒柱や心の支えであったわが子、妻を失い崩壊していく残された家族…。ページを読み進めるにつれまるで自分が当時にタイムスリップしたかのような感覚に襲われ、事故の様子が目の前に浮かび言いようもない気持ちに駆られる。
    我々の感覚からすると、これだけの大事故を起こしたのであれば、安全体制を確立し、誠意をもって遺族に償うのが加害者として当然であるが、本書によると、国民航空はその誠意を示していなかったことがうかがえる。事故後の国民航空の対応には目に余るものがある。国民航空はご遺族係を設置するが、ご遺族係が行うのは、傷癒えぬ遺族の戸別訪問、そして補償金の提示。補償金を受け取っても殺された家族は決して戻って来ない。それなのに目の前で電卓をはじかれ、身内の対価を金で示されるのは遺族にとって耐えがたい苦痛であっただろう。一方でご遺族係も会社と遺族との間に板ばさみにされ辛い日々を送る。実際に、自殺したりうつ病になったご遺族係も相当数に上ると言う。
    悲しみに沈んでいた遺族であるが、事後から約4カ月後立ち上がり、おすたか会を設置して事故の原因解明に向けて自ら動き始める。
    筆者は人々の命を預かる航空会社という組織における人間愛の崩壊、それによって引き起こされる様々な不条理な状況に批判をくわえながらも、被害者側と加害者側の双方から物語を展開する。それにより我々読者は客観的に事故、そして巨大航空会社の腐敗した内部構造を捉える事ができる。
    本書は1985年8月12日、520名もの命が奪われたあの日、そしてその後何が起きたのか、その事実をありのまま読者に伝えようとする筆者の熱意が伝わってくる気迫の一冊であると言えよう。
    御巣鷹山篇は一冊完結であるが、アフリカ篇から会長室篇まで読破すると、あの悲惨な事故後も解消されない組織内部の腐敗を痛感し、形容しがたい怒りがこみあげてくる。
    同時にそれが現在の政治の腐敗を想起させ、この国の未来が案じられ焦燥感に駆られる。本書はそれぞれの部で完結するようにみえるが、それでは不十分であり、5冊読んで初めて見えてくるものがあるように思われる。
    最後にあとがきで筆者は語る。「巨大な組織であり、政治と結びついている航空会社の力は、予想をはるかに超え、個人の力など巨像の前の蟻に等しい。一時は挫折しそうになった。…だが、御巣鷹山事故をこのまま風化させてはならない、事故の真相を書き留めて、無念の思いで亡くなられた520名の声なき声に報いるべきと覚悟を新たにした。」
    僻地をたらい回しにされても自らの信念を貫き、事故後はご遺族係として遺族の心によりそい、また会長室のメンバーとして腐敗した国民航空の再建に尽力したにも関わらず、壮絶な結末に追いやられた主人公恩地元。巨大権力に翻弄されながらもなお自らの信念を曲げずに立ち向かう彼の背中に、筆者山崎豊子が重なって見える。

  • 読むきっかけは以下。
    1.JAL再建の勉強用、特に組合について予備知識を身につけたかったこと
    2.御巣鷹山のJAL機墜落を、「ほぼ」知らない1979年生まれの自分にとって、一つの歴史を知るきっかけにしたかったこと

    最近小説を読んでいなかった事と、単身赴任の主人公・恩地と出張の多い自分の生活が妙に重なるところがあって「アフリカ編」はのめりこむ様に読んだ。

    後半「会長室編」は読むのに疲れスピードは落ちた。
    重たい内容であり、登場人物も増えたし、「御巣鷹山編」がヘビーな内容で、そこに疲れたのかもしれない。

    個人的には読むのが遅かったのが恥ずかしいけど、現代人として読んでおく本ではある、と思いました。

  • 3年ほど前に読み終わり、遂に映画を見てきた。3時間という長丁場(途中休憩10分あり)だったが、本を読んでいないと難しいカット割り。本自体は★5つなのだが、映画は★3つ。サバンナのしがらみのない、雄大な風景に没頭、感動できず、残念。

  • 週刊新潮連載時、週刊新潮がJAL機内から姿を消したというエピソードを持つ『沈まぬ太陽』。報復人事、御巣鷹山、利潤追求…、その人間模様と社会性、壮絶な事故の描写は他の追随を許さない生々しさがあります。『白い巨塔』の財前&里見助教授を彷彿とさせる恩地&行天の対決も怖い…。巻末の取材協力者と主要参考文献の一覧も圧巻です。

  • 日本航空をモデルに書かれた小説です。

    労働組合関係、御巣鷹山の事故、政治家とのつながりetc・・・
    大企業の権力構造・利権構造を見せられた。
    元新聞記者の作者が書いただけあり、すごくリアリティ。
    フィクションなのかノンフィクションなのか、読んでいるうちに分からなくなるほどでした。

    御巣鷹山事故について、小説に書かれていることが全てが事実とは言い切れないんだけど…
    あまり詳しく知らなかっただけにショックをうけました。
    “起こるべくして起こった”事故。
    遺族の人たちの気持ちを思うと、決して風化させてはいけない事故だと改めて感じました。

    JAL=悪で書かれていますが、大企業には多かれ少なかれ、このようなブラックな部分ってどこにでもあるような気がします。

    会社の理不尽さに、自分の信念や正義感を貫こうとする恩地さん。
    ココまでは…無理かもしれないけど。
    何時だって恩地さん寄りの人間でいたいな、と感じました。

    5巻まであり、長い小説だけど、読み出すととまりません!!
    内容は重たいけど、読んで良かった本です。

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