沈まぬ太陽 全5巻

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784103228196

感想・レビュー・書評

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  • 5冊を3日間で読み終わる。
    読みやすいが、かなりハードな内容だった。
    「恩地元」が主人公。

    10年は、仕事に専念しようとしたが、
    8年目に、労組委員長を、八馬という委員長に、無理矢理押しつけられる。友人の行天も職場改革のために立ち上がれと支援する。

    現場での不満が、渦巻いており、その改善のために努力するが、
    会社は、特殊な独立法人であり、問題の解決がなかなかできない。

    スト権を確立し、ストを行使することになる。
    そのことで、アカ呼ばわりされ、2期続け、
    結局、委員長を降りた時点で、カラチ、テヘラン、ナイロビととばされること10年。
    飛行機事故の多発のなかで、裁判の結果、本社にもどされる。
    しかし、純然たる窓際族。

    飛行機が、御巣鷹に激突し、521名のたくさんの命を奪うという事故をおこすなかで、会社のあり方が問われる。

    会長に繊維会社の会長が、三顧の礼出むかえられ、
    その会長の人道主義的采配で、恩地は、名誉回復する。

    会長は、現場に基づき、「絶対安全」と、「公平な人事」を訴える。
    しかし、困難は、さらに、会社の病巣にふれることで、不協和音が出始め、会社の再建は、結局おぼつかなくなってしまう。

    そして、また、恩地が、ナイロビへとばされるところで、幕を閉じる。
    航空行政は、政治と密接不可分の利益が発生するところであり、
    そこから腐敗も生まれる。
    また、労働貴族達の利権も深く絡んでくる。「差別」にめげずに闘う。
    堂本、八馬、三成、岩合、轟。

    行天の不確かな態度と戦術 生き残りをかけて、つねに保身をはかっていく。

    不公平という言葉を日本人は、あまり気にしない。
    公平に見るということの訓練ができていないからだ。

著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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