警察庁長官を撃った男

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著者 : 鹿島圭介
  • 新潮社 (2010年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103235316

警察庁長官を撃った男の感想・レビュー・書評

  • 時効となった国松警察庁長官狙撃事件について、警視庁はオウムの組織的関与を発表したが、実は真犯人と目される人物はほかにいて、証拠も十分であった。その立件を阻んだのは警視庁における公安部と刑事部の組織的対立にあったらしいというのが内容。

  • 中村泰の事を知りたくて手に取った一冊。中村の事はよかったがいかんせんオウムの話が多すぎて辟易してしまった。

  • 8月31日(日)の18時56分から放送の『世紀の瞬間&日本の未解決事件スペシャル』(テレビ朝日系列)が面白かったので。。。と中身おんなじでした。

  • とても面白く読めた。文章も割とキビキビしていてよい。ここまでの情報が揃いながらなぜ本格的な捜査が進まないのか。あるいは捜査せない力が働いているのか。謎が深まる。

  • 今週の週刊文春で立花隆さんが「警察庁長官を撃った男」鹿島圭介著を取り上げて、「これだけ面白い本に、ここ数年出会ったことがない」と激賞されている。テレビのドキュメンタリーでも取り上げられていた推理なので若干いまさら感があるが多分読むだろうな。

    「取り押さえてみると、犯人が老人なので、ビックリしました。拳銃を使ってあれだけの犯罪を行なえる犯人がこんな年寄りだったなんて・・・。まさかと思いました」強盗殺人未遂の現行犯で逮捕された、この犯人こそ、当時齢72歳を迎えていた中村泰だった。(「警察庁長官を撃った男」鹿島圭介)

    「警察庁長官を撃った男」鹿島圭介著を読了。後半失速。立花さん褒めすぎじゃない? 取材内容は相当面白いのだが、時々「空は怖いほど青かった」みたいな文章に出くわしがっかりさせられた。

    Amazonのレビューを見てる。昨日読み終わった「警察庁長官を撃った男」についてだ。すでに時効が成立した事件と思っていたが、紹介されている真犯人は1年近い海外渡航歴があるため、今年の3月20日まで時効を延ばすことができたらしい。それも震災でひっそりとタイムアップ。

    しかしこの本、2010年3月の初版でもうAmazonで買えない状態にあるとは驚きだ。あまりにも早過ぎる新刊本の寿命。立花隆絶賛でも増刷はかからないのだろうか? なんとも寂しい話ではある。

  • Hiroshi Fujiwara氏推薦のこの一冊。
    3ヶ月くらいだらだら読んでたのを読了。
    「こんな男が日本にいたのか!」
    と唸るこの『中村泰』という男。
    「ノーベル賞級の頭脳の持ち主と教授に惜しまれつつ」東大を中退。
    学生運動、共産党地下活動を経て犯罪の道へ。
    ゲバラや南米の革命運動に影響を受けニカラグアのサンディニスタ革命の義勇軍入りを画策。その後のオウム真理教や日本人拉致事件を受け日本に「トクギ」という組織の結成を企て......

    経歴を追うだけでも大変なこの男の明晰な頭脳と極右思想。相反する人間味。危険思想であることは間違いないけれど彼の国を憂うアツさにただただ驚く....
    とにかくメチャメチャおもしろい!
    この「国松警察庁長官暗殺事件」は全然リアルタイムじゃないけどかなり入り込めた。(この1995年の事件が昨年の平田信出頭まで脈々と続いているのもスゴイ)

    警察内部の政治や銃の密輸や地下活動についてもごっつ詳しくなれるしとにかくオススメの一冊!

  •  本書は平成7年(1995年)におきた「警察庁長官狙撃事件」についての本である。
     当時「オウム真理教」の異様ともいえる事件が続発しており、当然犯人は「オウム」であると世間一般に思われていたが、その後の警察の捜査が迷走していたことは、マスコミからながれる報道を見てもよくわかっていた。
     その捜査の混迷は、2010年(平成22年)の本件の控訴時効時の発表でもうかがえた。当時警察の発表内容は「オウムが犯人だったのに証拠を固められなかった」というこれもまた異例の発表だったように記憶している。
     本書は、この事件の詳細な考察を行っているが、警察内部の「公安警察」と「刑事警察」の違い、キャリアといわれる「エリート官僚」と下部の「捜査員」との確執、それら「警察内部」の暗闘による混乱等をも詳細に調査しており、実に興味深い。
     この警察内部の異様な権力構造については、人気エンターテイメント小説である「新宿鮫」シリーズにおいて既に世に紹介されていると思うが、本書で描かれる「公安捜査の大敗北」での「ハムvs.ジ」(公安警察対刑事警察)などの情景はフィクションである「新宿鮫」以上にドラマチックであると思えた。
     本書での「悪役」は、警視総監であった米村俊朗をはじめとした「キャリア官僚」である。
     本書によると、本事件は「オウム真理教」の犯行ではなく、「トクギ」とよばれた「特別義勇隊」の老スパイナーの犯行であり、調書もとられていたのだが、警察上層部の保身とメンツのためにもみ消されて、本件は、オウムの犯行である印象を世間に与えつつ、幕引きとなったというのだ。
     本書の展開は、詳細かつ具体的で、警察内部の動きや犯人とされる人間の調書の内容にまで及び、実にリアリティと説得力に満ちている。
     そして、「オウム犯行」を指摘しつつ「証拠がない」として時効を発表するという本件の異様な結末には、この様な背景があったのかと驚嘆する思いも持った。
     本件が事実ではなく「エンターメント小説」ならば、警察内部の優秀な刑事が確実な証拠を猟犬のように探り出し、保身とメンツのために事実をもみ消す警察キャリア官僚を糾弾するところだと思った。そうはいかないところが、事実と小説との違いか。
     本書は、「警察庁長官狙撃事件」の調査を通して、警察内部の異様な世界をドラマチックに描き出した良書であると思う。まるで面白いエンタメ小説を読むかのように興奮しつつ最後まで一気に読んでしまった。

  • 国松元警察庁長官狙撃事件は時効を迎えたが「オウム信者による犯行」という警察・マスコミ発表情報とは異なり、実は一人の老いた地下活動家による犯行であると云うまさに世にも奇妙な物語だ。

    そんな驚愕の物語が単行本として出たのが2010年なのだが何故か見逃していたとは迂闊だったのも確かだが、此れだけの情報を盛込んだ本書が殆ど話題にならなかったのもまた不思議な話である。

    そもそもこの老人・中村泰は1930年生まれで東大を中退した後、反政府地下活動に入ったとされるがその生活の殆どは闇の中だ。僅かに世の中との接点を持つ期間と言えば1956年からの20年間警官殺害容疑で逮捕・服役していた時期だけでてそこからの30年は再び世の中からは消え去る。警視庁長官狙撃事件はその間の出来事だ。

    その中村が改めて世に出てきたのは2002年。銀行襲撃事件で逮捕され今に至るも服役している期間だ。この事件も単なる老人による襲撃事件と思われたのだが、逮捕後の家宅捜査では想像を絶する量の武器・弾薬が隠れ家から発見され、また謎の支援者・協力者の存在も伺える中村は完全黙秘を続け、その奇妙な活動実態は謎のままとされた。

    その老活動家・中村が口を開く決意を固めるのは国松長官襲撃事件が時効を迎えようとする間際のこと。チェ・ゲバラに憧れ「革命家」を夢見た中村が、年老いてしまった自らの生きてきた証として、国松長官事件について語りだすのだ。

    しかしながら、最後までオウムの犯行説に固執する警察は当初の捜査方針にそぐわないこの自白を採用せず、訴追を断念することとなる。そして時効の日には「証拠はないがオウム関係者の犯行と強く推認される」と最後まで組織防衛の論理で締めくくるのである。

    数十年に亘る地下活動生活からある日ひょこりと現実の生活に出てきた感のあるこの男の物語を読むと、ジャングルに戦後30年も潜伏していた小野田さんを何故か思い出す。だが、この老活動家は国松長官事件以外には全く自らの生活を語ってはおらず、その闇は限りなく深い。

  • この事件は警察が総力を挙げてやるだろうから、早く解決されるのだと思っていた。しかし時効を迎えてしまう。多くの疑問があったけれど、ここに書かれたことが本当であれば納得できる。組織による隠蔽も怖いが、真犯人と言われる人物にマスコミが注目もしないことも怖い。

  • ミステリーを上回る面白さ。
    被疑者不祥のまま公判に持ち込まれた事件の真実追求の姿勢ははくりょくがある。

  • 出版社/著者からの内容紹介
    2010年3月30日に時効を迎えた国松孝次・警察庁長官狙撃事件。警視庁の現職巡査長が犯行を自供したり、当初からオウム真理教による組織的犯行の疑いが指摘されながら、警視庁公安部の捜査は犯人逮捕には至らなかった。
    一方で、2002年11月、愛知県警察に逮捕された一人の男に警視庁刑事部捜査第一課は注目していた。男の名は中村泰。東大を中退したインテリで、銃に対する知識は豊富。何より、逮捕容疑となった現金輸送車襲撃で見せた射撃の腕前は、とても七十歳を過ぎた老人とは思えないものだった。中村の関係先を捜索すると、おびただしい量の銃やマシンガン、実弾が発見され、さらに長官狙撃事件に関する膨大な資料が......。治安機関トップを狙撃するという、重要未解決事件の舞台裏に光を当てる、迫真のドキュメントです。

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警察庁長官を撃った男の作品紹介

犯行の凶器となった8インチ銃身のコルト・パイソンと、ホローポイント系の357マグナム・ナイクラッド弾を所持。犯行前後の足取りなど、犯人しか知り得ない秘密の暴露の数々-捜査班が調べ上げた証拠は、謎の老スナイパーの関与を色濃く裏付けるものだった。だが時効直前、この捜査結果は黙殺される。警察上層部のある目的のために…。

警察庁長官を撃った男はこんな本です

警察庁長官を撃った男の文庫

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