俺の喉は一声千両: 天才浪曲師・桃中軒雲右衛門

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103245322

作品紹介・あらすじ

ニッポンはこの「声」を待っていた! 曾孫が描く「大衆芸能の神様」の全生涯。寄席にさえ出してもらえず、野天で上演――貧民窟で生まれ、差別されつづけた浪曲。だが、一人の男が、すべてを変えた。歌舞伎座公演、皇族御前公演。落語も講談も吹き飛ばす、浪曲全盛時代がやってきた! 明治から大正を怒濤のごとく駆け抜けた四三年の生涯を、演芸研究家の曾孫が愛情をこめて描いた決定版評伝。

感想・レビュー・書評

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    ── 岡本 和明《俺の喉は一声千両:天才浪曲師・桃中軒雲右衛門 20140630 新潮社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4103245328
     
     桃中軒 雲右衛門 浪曲 18730505 群馬 東京 19161107 43 /籍=山本 繁吉
    /岡本 和明の曽祖父/中岡 俊哉の父
     
    (20151027)
     

  • この一週間、わたしの友だちは雲右衛門だけだった。読みたいけど、終わってしまうから頁を繰るのが辛かった。雲右衛門は享年44歳で逝き、頁も尽き、わたしはひとりぼっちになってしまった。
    落語や講談から「浪花節とは一緒に出られない」と断られた時代から、浪曲の地位を高め、改良・研究を重ね、ついには御前公演、歌舞伎座にまで立ち、”日本一と言えば雲右衛門”とまで言われた桃中軒雲衛門。こんなにも大衆の心をつかみ、まばたきを忘れるほどに夢中にさせた人がいたなんて。今では落語も講談も浪曲も三大話芸と並び称される。なにも不思議に思わないけど、わずか100年前はまったく違った状況だったのか。その出自が上の反骨、衝動、熱気を知ることができてよかった。
    でも、きらびやかな世界にのぼりつめながらも、晩年の雲右衛門はなんだかさみしそうだったな。雲右衛門はしんどいなぁと思いつつ雲右衛門をやめられなかったのかな…もう本名で呼んだり本音で意見してくれる人なんてほとんど誰もいなかったんだろうな。

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著者プロフィール

1953年、東京都生まれ。演芸研究家。趣味が嵩じて落語、江戸小咄等に関わるようになる。父は超常現象研究家中岡俊哉。曾祖父は明治期の大浪曲師 桃中軒雲右衛門。主な著書に、『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』、『俺の喉は一声千両 天才浪曲師・桃中軒雲右衛門』などがある。

「2016年 『小せんとおとき 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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