人生が用意するもの

著者 :
  • 新潮社
3.30
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本棚登録 : 587
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103256236

作品紹介・あらすじ

ヨロコビも怒りも、震災も妊娠も、笑いも平安も、静かに忍び寄ってくるから。
読者の意表を突きまくる最新エッセイ六十余篇。
日本経済新聞&週刊新潮好評連載、待望の単行本化です。

感想・レビュー・書評

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  • くだけた他愛のない話ばっかりではあるけれど、未映子節が心地よくて一気読みしてしまいました。ネタの宝庫だなあ彼女、なんだってこんなにトホホなエピソードばっかり(笑)ぐっと親近感が増したよ。ふわっとのほほんとした文体で語られると、それが眉根を寄せてしまうような出来事でも、ちょっと見方を変えて捉えてみようかと思うのだ。
    3.11の頃に書かれた「3月の記憶」、あの頃を振り返るのはまだ辛いところもあるけれど、こうやって時々は思い出しながら、向き合わなきゃいけないよなという気にさせられる。未映子さんがニュートラルな立場で、悩みつつも真摯に向き合ってくれているから、こっちも「うんうん」と頷きつつ受け止められるかな。
    週刊新潮の連載「オモロマンティック・ボム」を中心にまとめたエッセイはこれで3作目のようですが、連載は再開されたのかしら。この連載のくだらなさというか力の抜け具合が大好きである。「ロマンティック」より「オモシロ」の方が炸裂している気がするけど(笑)次作を楽しみにしてます!

  • かねこみすずが服毒自殺だったこと
    シャケを見ると見た事のない少女が頭を過ぎるというエピソードが好き。
    つらつらと書いてるその文章が好きだけど、ところにより読むのが辛かった

  •  いいものもそうでないものもひっくるめて、人生が用意するものはいつだって数えきれずあるけれど、でもやっぱり、遠くを見ても近くを見ても、日常が一色であることはありえない。(あとがきより)

    「川上未映子の文章」のお風呂があったらずっと浸かっていたくなるくらい、心地よい。大阪弁に親近感。
     時事ネタに関するエッセイではハッとするような内容は見当たらず。未映子さんにはもっと形而上的なあれこれを語ってほしいと、一読者として思うのでした。

  • ちょっとひねくれた仲のいい女友達が、横でぺらぺら話してくれている感覚。

    気軽で心地いい。時々感嘆。
    これぞ娯楽。

  • 図書館で、たくさんある本の中から、川上さんの本を手に取った。淡々とした文章に、ユーモアが詰まっていて面白かった!確か10年前ぐらいに川上さんの本(『りぼんにお願い』)を読んだ時に、独特な文章や思考が好きだったのを思い出した。

  • 小説は読んだことがないけども、このエッセイはさらさらっと読めたし、面白かった。
    もう、10年も前の本になるけども、震災後の感情が書かれていて、当時のことを思い出す機会になった。なかなか、人に言えないけど、心の中で思っていることなどが書かれてあり、共感できて、面白かった。これを機に、小説も読んでみたい。

  • 震災の年前後に連載されていたエッセイ。
    震災があった直後は割と重苦しい空気がそのまま書かれていて読んでいて正直しんどかったです。
    それは10年以上経過しても変わりませんね。

    全編を通してできる限りご本人の思想とかは出さないように書かれているように感じます。
    連載されていたものの性質に寄るのでしょうか・・・(何に連載されていたのかは存じ上げませんが)

  • 2011年の時事コラム、エッセイなので古いのだけど、311後の感じと今のコロナ禍は通ずるところがあるし、川上さんが妊娠中のエッセイもあるから今の自分と重なって面白い。

    自分で思っているから言ったことを相手に言われてうっとなる感覚、ラズノグラーシエって言うの初めて知った。

  • さらりと読めた。

  • 軽口のエッセイ。カワカミ節が良くも悪くも天然物であることを感じる。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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