ふがいない僕は空を見た

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著者 : 窪美澄
  • 新潮社 (2010年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103259213

ふがいない僕は空を見たの感想・レビュー・書評

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  • みんなきっと孤独だし、
    強欲で異常でおかしい。
    それでもみんな必死に
    生きてるから成り立ってるんだ。

    救いようのない状況で生きよう
    とする登場人物たちみんな、
    もがいてくじけて、でも前を向こうと
    しててすごく愛おしくなりました。

    すごく好きな本です。

  • セックスって何だろうってずっと考えています。
    誰かを好きになることも。

    今の世の中では、セックスはとても悪いモノのように隠されています。
    でも、お金や暴力や幸福や子どもや生活などなどいろいろなものに絡まって存在しています。
    それがとてもよくわかる作品でした。

    読後感はおそらく人それぞれって感じの作品だと思いました。
    私は恐怖でした。
    それはきっと、私がセックスに近いところにいるからでしょう。

    この作品の登場人物は、みんな悩んで生きています。
    この作品を読んだ方もぜひ悩んでみてください。

  • コスプレ高校生と主婦の密会、
    姑に不妊治療を迫られる主婦、
    呆けた祖母を介護する団地の高校生などなど、
    「性と生」を綴った連作短編集。

    本書のタイトルも、それにぴったり合う装丁も魅力的でずっと気になっていた本です。やっと手にできて大満足。
    登場人物の視点が章ごとに変わるこのような連作、大好きです。

    まず1章目を読み始めてすぐ、あまりのインパクトに、びっくり。
    官能的というより、なんだか生々しい。
    人が繋がって、生まれて、育って、1冊の本を通して人が生まれて生きることについて思いを馳せられます。

    オープンにできない、ちょっと人には隠しておきたいような何か、をそれぞれ抱えて生きている。
    生きる中で、生まれながらの、あるいは突如として登場する困難にぶつかっている。
    そんな場面がすごく人間味に溢れていて、登場する人たちがどうか、幸せでありますようにと思わず願ってしまいたくなるほど。

    それから印象的だったのは、
    「乱暴に言うなら、自然に産む覚悟をすることは、自然淘汰されてしまう命の存在をも認めることだ」という言葉。
    自然派化粧品、とか自然派食品、とか今は「自然」なんてキーワードが注目を浴びることが多いけれど、自然っていうのはそう、いい面ばかりじゃなくて自然の持つリスクだって受け入れてこそだよね、と思ったのです。

    薄暗いようなカラーの中で、とても力強いパワーを感じる1冊でした。

  • 窪美澄さん初読みでしたが、文句なく素晴らしかったです。

    日常に潜むドロっとした暗い感情、心の中に渦巻くモヤモヤ感、だけど静かに日々は過ぎていく。
    もうこの世界観にどっぷりと浸かってしまいました。

    当たり前かもしれないけど、人生って皆何かしら暗いものを抱えているのかもしれない。

    助産院が話の中に登場しているせいか、この堕落した日常の中にすごく生命力を感じました。
    赤ちゃんの力はやっぱり凄いな。

    窪さんの他の作品もぜひ読んでみたいです。

  • ふがいなくても生きていかなくてはいけない
    強い生命力を感じた。

    出てくる登場人物たちがどうしようもないのだけれど引き込まれる。みんなきれいに生きられるわけじゃない、貪欲にあるがままに生きているからこそ壊れたりしてしまう。この本に出会えてよかったと思えるほどこころからただ離れない。

  • 映画を見て感動し本も読んでみた。

    第一章は斎藤とあんずが情事を繰り返す。そんな中斎藤の気持ちが少しずつ変化していく。
    そんなインパクトのある一章目で一気に作品に引き込まれ、そのまま最後までページをめくる手が止まらなかった。

    人間誰しもが背負っていかなければいけない性というもの。
    種を残すという性本来の持つ意味は薄れ、多様化してきているからこそ生じる矛盾。生きていく上で避けては通れない困難、苦悩。一見完璧そうに見える田岡も、誰にでも好かれている斎藤でさえも、そうしたものに不甲斐なさを感じ生きている。

    それでも私たちは親が腹を痛めて必死に生み出した命の一つ。小さな身体で力を振り絞って生まれてきた。だから例え困難にぶつかっても、不甲斐ない自分を認めて生きていこう!

  • 沁みた。痺れた。泣けた。惚れた。性と生と魂のお話。

    誰だってどっこい生きてる、大変なこともたくさんある中で、好きだー!っていう気持ちだけは、真実であり強さであり続ける。

    どうしようもない生き物だけど、同時に美しいのは、この本の登場人物だけじゃなくて、誰だってそうだ。

    娘が思春期を迎える前に、この本に出会えてよかった!

  • おもしろく読んだけど、どうにもなんか暗くてやるせない。
    あんずだけなんか救いがない感じなんだけど、だいじょうぶかな。
    でも、どうも彼女に共感できず。

    齋藤くんのお母さんと松永さんのお母さんがよかったです。
    高校生の彼らはきっと大丈夫だと思う。

  • ありそうで、なさそうな、日常の風景が、読んでてとてもしっくりきて、
    いろいろなことを考えさせられて、
    久しぶりにいい小説を読んだ気がした

    わたしは、この小説がすごく好きだな、て思う。特に、セイタカアダチソウの空が良かった。このごろ子どもの貧困について考えることが多かったから。
    一度読んだらもう読みたくない本が大半で、たまに何度か読みたくなるような作品がある。面白さとかは関係なくて、きっと、雰囲気とかが自分にとって心地よいと思うからなんだと思うけど。
    この本は、何度も読みたくなるわけじゃない。だけど、もう一回、読んでみたいと思えるものだった。

  • 1人の行動が、水面に石を投げたように広がって周囲に波紋を呼ぶ話。前日に「桐島、部活辞めるってよ」を読んだこともあり、少しリンクしたけれど、こっちの方が断然ヒリヒリするし、救いの要素も少ない。高校生のもどかしさと選択の少なさによる閉塞感。「女による女のためのR-18文学賞」受賞作だから、性的な描写が当然あるのですが、次第に、性から生にシフトしていく連作短編ならではの話の運びかたがとてもよかった。R18文学賞出身の作家さんは、本当に良い作品ばかりだなあ。これも確か映画化されることが決まってた気がするけど、どこにフォーカスするんだろ。ミクマリかな。

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ふがいない僕は空を見たの作品紹介

これって性欲?でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。ずっと好きだったクラスメートに告白されても、頭の中はコミケで出会った主婦、あんずのことでいっぱい。団地で暮らす同級生、助産院をいとなむお母さん…16歳のやりきれない思いは周りの人たちに波紋を広げ、彼らの生きかたまでも変えていく。第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞、嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。

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