ふがいない僕は空を見た

  • 4588人登録
  • 3.55評価
    • (347)
    • (764)
    • (726)
    • (199)
    • (54)
  • 953レビュー
著者 : 窪美澄
  • 新潮社 (2010年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103259213

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ふがいない僕は空を見たの感想・レビュー・書評

  • 2017.04
    表題作だけ読んだ。

    描写がかなりエグかったけど、行き場のない息苦しさが悲しかった。

  • 「救い」のものがたり。

    人はみんな不甲斐なさを持っていて、その露呈をごく自然に描いているのがこの作品。登場人物それぞれの視点で語り紡がれるが、すべての章においてじっとりした仄暗さが漂う。語り手口調の文章なので章毎に空気は変わるはずなのに、その仄暗さがすべての章をひとつに束ね、作品を完成させている。

    人のどうしようもなさを読者に見せつけながらも、最後には明るい未来を予期させている。性と生、そしてその救いを知る作品。

  • この物語に関わる人たちはそれぞれに生きづらさを抱えていて、悲しくなるとともにそれが人生なんだと分かった。
    どう乗り越えるかも大切だけど生きづらさとともにうまく生きていくすべを見つけるのも手だと少し思った

  • 狭い人間関係にもかかわらず、それぞれが個性的で薄暗いものを抱えているから、好奇心は湧くが感情移入はできなかった。とびきりなヘビーな環境の福田がいちばんまっすぐで応援したくなる。斉藤、福田、松永、あくつの中で誰があの街から出ていけるかな?大学の入学よりも、高校を卒業して実家から出ていくことが嬉しかったことを思い出した。まあ、実家を出てもいいことばかりはなかったけど、ワクワクしたな。感情移入できなかったのは、彼らにワクワクできなかったからかもしれない。

  • 目次より
    ・ミクマリ
    ・世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸
    ・2035年のオーガズム
    ・セイタカアワダチソウの空
    ・花粉・受粉

    初めて読む作家。なぜか男性だと思っていたら、女性作家でした。

    生と性。
    生まれ出ること。生き続けること。
    男も女も、大人も子どもも、それぞれに悩みながら生きている。

    岡本夫妻については同情の余地があるといえ、いじめられっこだった過去は他人を気づつけていい理由にはならない。
    それは、あくつも同様。

    松永の家族の話を読んで、ともすれば親の立場で考えてしまう自分がいたけど、親だって自信はないし悩むよね。
    子どもにあたっちゃうこともあるし。
    だけど、ここぞという時には全力で子どもを守ろうと思うのさ。
    松永母の健気さに思わず泣きそうになったけど、作品の中で先に斉藤君が泣いちゃったから、私は笑うしかなかった。あはは。

    そして良太。
    読んでいて苦しくて苦しくて。
    誰かに「助けて」って言っていいんだよ。
    「もう無理」って言いなよ。
    高校生って、まだ子どもなんだよ。
    そんなに一人で背負わなくいいんだよ。

    良太の辛さが切なくて苦しくて、なんとか幸せになってほしくて。
    祈るような気持ちで読んだ先は、簡単に不幸とも幸せともいえないものだったけど。

    最後は斉藤君の母。
    大人だって、大人だから、流されることもあるし、逃げることもある。
    斉藤君のお母さんは助産師だから、多くの命がこの世に生まれ出る瞬間に立ち会っている。
    否定されるべき命なんてない事を、実感として知っている。

    簡単に幸せにはなれないかもしれないけど、どん底と思えることもいつかは姿を変えていくのだと思う。
    何かを得、何かを失いながら、それでも生きていく。
    希望も絶望も、安っぽく表現されてはいない。
    生きていく痛みに正面からぶつかって、それでも人生は悪いもんじゃないと思わせてくれるこの作品。
    とっても好きだ。

  • 導入部の性描写が激しく驚いたが、読み進めてくにつれ気にならなくなりました。
    むしろあの描写があるからこそ、この話に意味が出るのではと最後には思うようになりました。

  • ずっと気になっていて、やっと読んだ作品。
    5編の話はそれぞれ違う目線から描かれている。
    最初の話は性描写が激しくて、えー?っていう感じがしたが、読み進むにつれ引き込まれていく。
    最後には同じ年頃の子をもつ私は、母親目線で涙が溢れた。
    それは温かい涙かな。

  • 読後感は、ずっしり、ふわふわした感覚。温かい涙が出た。著者の他の作品も読みたい。

  • あんず(里美):学生時代にいじめにあっていた。大学生の頃はヤリマンと言われていた。
    マンガ、アニメ好き。結婚後は夫の母親の勧めで不妊治療を続ける。コスプレで卓巳とセックス…

    慶一郎:里美の夫。妻の不倫現場を盗撮してネットでばらまく。

    斎藤卓巳:高校1年生。助産院の息子。

  • おすすめされて読んだ1冊。
    窪さんは初読みだったけどとても好きだなと思った。

    ぎゅっと文章が1人称で凝縮されているにも関わらずどんどん引き込まれ、あっという間に読み終えていた。
    あえてどの話も最後の結末をふわりと終わらせていてこう言う結果で解決しましたと言う感じを出していない所もまた個人個人読んだ人が好きに考えられると言うより考えてみなさい。と言う問いかけのような気がして良かった。

  • 現代小説とでもいうのか。
    高校生と不倫している女、あんずはアニメ好き。高校生の男の子、斉藤くんにアニメの格好でコスプレしあって、セックスする日々。

    そんなあんずは旦那、慶一朗との間に子どもはいない。義母はなんとかしてあんずに不妊治療に向かわせるが、あんずにとってはストレスだった。

    斉藤くんには彼女、松永がいた。
    松永の兄は秀才だったが、どこかうつろな感じ。
    また、斉藤自身もあんずと別れてから、家に引きこもるようになる。

    斉藤は母子家庭で、母は助産院を開業していた。


    松永の友達、あくつと斉藤の友達、福田は同じコンビニでバイトをしている。

    福田はバイト先の田岡からのすすめで勉学に励むようになる。

    ある時、斉藤のコスプレ姿が町中にばらまかれる。
    あくつに誘われ、福田も同犯のことをしたが、田岡きらやめるように言われる。
    田岡は福田とあくつに勉強して、この環境から乗り越えるように言われる。

    ある日、田岡は性的虐待で逮捕。


    そして、斉藤たちの担任、のっちーは妊娠が発覚し、斉藤の母が開く病院にやってくる。




    アニメとセックスと貧困と…
    現代の高校生が抱えるような問題を映し出した小説。

    これも日本の一部の光景なんだと思う。

  • 先日、窪美澄さんの「ふがいない僕は空を見た」を読みました。

    「ご本、出しときますね?」で知った窪美澄さんですが、窪美澄さんの小説を読むのは今回が初めてです(タナダユキ監督で映画化されてるみたいですね)。

    連作短編集なんですが、R-18文学賞を受賞した作品なので、性描写が激しいですね。

    で、映画とかでたまにあると思うんですけど、例えば、エロティックだったり、伏線が張ってあって凝った作りだったり、斬新なことやってたりするんだけど、最終的に行きつく先は、例えば、生命の神秘だったり、そういったシンプルなメッセージだったりする、みたいなタイプの作品かなあと思ったりしました。

    パッと思いついたのは、映画「愛の渦」とか?(ちょっと違うかもしれないけど・・・)。

    あと、内田けんじ監督作品とかもそうかも。

    エロくはないですけど、伏線が張ってあって、凝った作りなんだけど、最終的にたどりつくメッセージは、シンプルなものだったりするので・・・。

  • タイトルと話の内容があってると思った。

  • 導入部の性描写の激しさには驚いたが、それぞれが持つ人生への哀歓、諦観が胸を打つ。

  • (2011より転載)
    こういう作品が評価されるというのは良いことだと思う。連作だけど、みんな素直で、がんばってて、一生懸命で、良い。
    2011/7/19読了

  • (2014.06.26読了)
    2011年本屋大賞2位!山本周五郎賞受賞作!
    自分のことを言われているようで、ちょっと気になったタイトル(; ̄ェ ̄)
    たしかに面白いところもあったけど…ん〜なんか中途半端な感じ(^_^;)

  • 同じ町、登場人物もほとんど一緒だけど、一話ごとに違う人物の視点で描かれている短編集。
    あんずのその後が気になる。しかしあの夫は…さすがストーカー、と思った。福田くんには頑張ってほしい。

  • 5編からなるストーリーで1編から続く話が
    いろいろの登場人物の目線から5編で完結、回答する話。
    各登場人物は性欲や欲望に翻弄され、また身近にそんな人がいたりして、間違いと思ってもどうしても抑えられない気持ちが綴られている。
    そんな苦悩に満ちた世の中でも、生きていかないと。
    というのがメッセージかなと思いました。
    最初の描写はうーん?って感じですが、読みやすい文章でした。

  • 性と生。精と制。よかった。

  • やはり、母の心情の場面で涙が出てきた。ハッピーエンドというわけではないけど、それぞれの主人公が一生懸命生きようとするのはわかった。
    ズッシリと心に響いた。

  • こういう、語り手をどんどん変えていく連作短編集は好きだ。登場人物を客観的に、多方面から知ることができる。

     最初のお話は斉藤君とあんずの不倫劇。
    二人の出会いから別れまでが描かれていて、まだこの時点では、あんずは謎に包まれた女だ。
    そんな彼女についてふれていくのが次の章。いじめられた過去があり、今は子どもが中々出来ないせいで姑に責められる日々を送っている。
     お次は斉藤君と一時両想いだった松永さん。頭が良すぎたためにおかしくなってしまった兄の更生、不倫の事実を知ってもなお揺るぎない斉藤君への想いなどが綴られる。
    そして個人的に一番のお気に入り、斉藤君のお友達の福田くん。この章に入るまでの彼の印象は、ほかの同級生より少し大人びた子。その理由を、この回で思い知る。ますます彼を応援したくなった。いい大学を出て、一流企業に勤め、ふつうに結婚してほしい。そしていつか、実家はすごい貧乏で、ろくに帰ってこない母親と、認知症のばあちゃんがいた…でも、今は幸せだって言えるようになってほしい。

  • もっと違った感じなのかと想像していたので、思ったよりも重い展開に驚かされた。でも、なんとなく、なんだか、全て、悪くないなという感じだった。目に見えてるものがすべてではないのだという、当たり前のことに改めて気づかされた。

  • この中で出てくる人って
    マイノリティなカンジに描かれているようだけど
    けっこう親近感湧いちゃう。
    勝手な解釈だけどさw

    いきなりのめり込む気持ちも、
    ヘンタイな心持ちも、
    性欲の対象と好きなる対象が違っちゃったことも、
    羨んで妬む気持ちも、
    生きて行くのがつらいけど、まぁいいやって思うことも。

    「ミクマリ」
    「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」
    「2035年のオーガズム」
    「セイタカアワダチソウの空」
    「花粉・受粉」

  • 物語の作者は自分とどこか似た人物しか書けないと言う文句を聞いたことがありますが、この本には本当に色んな状況の上でのいろんな感情が読み取れます。
    私はこの本の映画が見たいと前々こら思っていたのですが、先に本を見つけたので読むことにしました。
    オムニバスというのでしょうか…一つ一つ、章で視点が変わっていくのですが、人物達はどの人も関係があり、十人十色の人の様が描かれていました。
    最初の話は不倫に関係しているのでHな描写が多くて、最後までこんな感じなのかなぁ…と少しつまらなく感じていたのですが、少し読み進めるとまた違った角度から、また読み進めると今度は全然違う話の合間に前にあった話しが入ってきたりして、人の人生の一部を色んな角度から見られるというのは私個人としてとても好みでした。

    最近は本を読む若者が少ないと言いますが、私もスマホをいじる時間が長くなって、なかなか本を読まなくなりました。
    でも、この本は最後まできちんと読み切りたいと思ったし、あまり本を読まない人でもかなり読みやすい作品だったと思います。
    また読んだ上で映画も見たいと思いました!

全953件中 1 - 25件を表示

ふがいない僕は空を見たに関連するまとめ

ふがいない僕は空を見たを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ふがいない僕は空を見たの文庫

ふがいない僕は空を見たのKindle版

ツイートする