ふがいない僕は空を見た

著者 :
  • 新潮社
3.53
  • (387)
  • (861)
  • (834)
  • (235)
  • (65)
本棚登録 : 5602
感想 : 1060
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103259213

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 窪美澄さん初読みでしたが、文句なく素晴らしかったです。

    日常に潜むドロっとした暗い感情、心の中に渦巻くモヤモヤ感、だけど静かに日々は過ぎていく。
    もうこの世界観にどっぷりと浸かってしまいました。

    当たり前かもしれないけど、人生って皆何かしら暗いものを抱えているのかもしれない。

    助産院が話の中に登場しているせいか、この堕落した日常の中にすごく生命力を感じました。
    赤ちゃんの力はやっぱり凄いな。

    窪さんの他の作品もぜひ読んでみたいです。

    • vilureefさん
      こんにちは(*^_^*)

      私もこの作品大好きです。
      でも好みが分かれるようですね・・・。
      過激な描写もありますからね。
      窪さんの...
      こんにちは(*^_^*)

      私もこの作品大好きです。
      でも好みが分かれるようですね・・・。
      過激な描写もありますからね。
      窪さんの作品は全部読んでいますが、この作品が不動の一位です(笑)

      ああ、そうそう、私も井上荒野さん大好きです。
      「もう二度と食べたくないあまいもの」はずいぶん前に読んだので内容は忘れてしまったのですが、彼女の書く短編には外れがないと思っています。
      2014/09/22
    • フーミンさん
      vilureefさんこんにちわー(^o^)
      いつも花丸ありがとうございます!

      えー、好き嫌い分かれるのか~、私はすっごい好きでした。...
      vilureefさんこんにちわー(^o^)
      いつも花丸ありがとうございます!

      えー、好き嫌い分かれるのか~、私はすっごい好きでした。他の作品も早く読んでみたいです。
      井上荒野さんも最近読み始めたばかりなんですが、とても私好みの予感がしててこれからが楽しみなんですっ☆

      vilureefさんのレビューいつも参考にしてます。その作品の良さを分かりやすく、また人の心を掴む素敵な表現でコメントされているので読みたい本が増えて増えて…困ってます…(笑)

      2014/09/22
  • ありそうで、なさそうな、日常の風景が、読んでてとてもしっくりきて、
    いろいろなことを考えさせられて、
    久しぶりにいい小説を読んだ気がした

    わたしは、この小説がすごく好きだな、て思う。特に、セイタカアダチソウの空が良かった。このごろ子どもの貧困について考えることが多かったから。
    一度読んだらもう読みたくない本が大半で、たまに何度か読みたくなるような作品がある。面白さとかは関係なくて、きっと、雰囲気とかが自分にとって心地よいと思うからなんだと思うけど。
    この本は、何度も読みたくなるわけじゃない。だけど、もう一回、読んでみたいと思えるものだった。

  • 高校生の卓巳を始めとする5人の目線から描かれた連作短編集。
    最初はただの性小説かと思いきや、最後は命や生を考えさせられた。
    救われない登場人物の物語がラスト3ページで、ほんの少し救われる。
    ほんの少しなのが、きれいごとじゃなくて、いいんだろうな。

  • 読み始めてから、映画化されたことがある作品と知った。
    初めの方は、性描写があまりに多くて、どういう作品?って思ったけど、周辺の様々な人の描写があり、その人たちにも貧困で犯罪を悪いとも思ってない育ち方、カルト集団に入ってしまうなどの過去がある中、今どう生きるのか。。徐々に引き込まれた。
    明るさが感じられる最後がよかった。

  • 本作が初めて読む窪美澄さんの小説でした。
    冒頭の性描写で読み進められないというレビューを散見しますが、最後まで読むと、本作は、母親の子に対する深い愛情の物語だと思いました。

    連作短編集で、生きていくことの苦しさをこれでもかと思い知らされます。描写にすごくリアリティーがあるのです。
    それでも、最後の母親の思いに触れて、素直に感動しました。

    人にお勧めしにくいですが、傑作小説です。

  • 初っ端の、性描写の数々…正直「うわぁ読むのシンドイ」って思いました。でも、ここで嫌悪感を抱いて読むのをやめないでほしい‼︎物語の最後に進むにつれて、人間の醜態や性について深く考えさせられる内容になってました。
    これは、全て読み切ってこその作品です。色んな意味で心に残ったなぁ。

    微ネタバレです。⬇︎
    卓巳と母の2人にはこれから先も強く生きてほしいですね。みっちゃん先生もいい味出してました。

  • どうか今夜、あの人が寒い思いをしていませんように。
    好きな作品。

  • 妊娠とか出産とか他にも色々と命の重さを感じる本だった。自分の生きてる世界とは違う感じがした。あと10年で結婚とか子育てとかあるのかと思うとなんだか大変だな。難しそうだほんとに。

  • 救いようがなくて、読んでいて辛くなった。
    特に序盤は、性描写が苦手…。
    でも続きが気になって読んでしまう。
    そんな小説だった。

    最初は、読むのをやめようかと思ったけど、結局読了。小説自体は分かりやすいハッピーエンドではなかったが、そこは主人公が救われるような未来を読者が思い描けばいい。

  • ここ最近読んだ本の中で圧倒的に良い本だった!
    人が生きてゆく中で直面するあらゆる出来事や、
    やり切れない事も
    この物語の中にもあって、
    それでもどうにか生きてゆく様が美しく綴られている。

    自然に涙が出る物語だった。

全1060件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

窪美澄の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×