よるのふくらみ

  • 1114人登録
  • 3.84評価
    • (75)
    • (194)
    • (114)
    • (9)
    • (2)
  • 163レビュー
著者 : 窪美澄
  • 新潮社 (2014年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103259244

よるのふくらみの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ありていに言えば陳腐な話である。
    一人の女性と彼女を好きになった兄弟の三角関係の話なんて少女漫画かメロドラマみたい。
    とはいえ、使い古されたストーリーを窪美澄が描くとどうなるか。

    “「血の通った」とはよく言われる言葉ですが、
    それをここまで体現する作家は、まれだと思います。”

    これは本の帯に書かれている西加奈子さんの文章。
    まさにその通りで、窪さんの描く世界は圧倒的なリアルで胸に迫る。
    生身の人間が傷ついたり傷つけたり恋したり欲情したり・・・。
    どうにもならない人間臭さに登場人物の全員にあますところなく共感してしまった。

    この物語の核とも言える“セックスレス”。
    私の知人にもこれが原因で離婚した人がいる。
    結婚してから一度もないなんてどういう事よ!と当時は妻の立場になり大憤慨。
    でも今自分が歳を取ったせいもあるかもしれないが、この小説を読み改めて圭祐の立場になって考えると、考えがぐらぐら。
    EDで離婚された男ほど辛いものないんじゃないかと。

    でも、夫婦の形は人それぞれ。他人がとやかく言うもんじゃない。
    改めてそんな風に感じさせてくれた小説だった。

    前回の短編集でちょっとがっかり感はあったけれど、この作品はよかった。
    ドロドロしているだけじゃなく、読後感爽やかな窪さんの小説が戻ってきて嬉しくなった。

  • 窪美澄さん作品を読むのは2作目。連作短編集。想像以上にとても良かったです!対照的な兄と弟で同じ女性を好きになり、皆、切ない想いやなかなか言えない想いを抱えています。それぞれの視点で描かれていき、皆の気持ちが良くわかり、読みながらいろんな登場人物の気持ちになり、共感できるところがありました。色々な出来事があり、一体どうなるのかなと気になり、あっという間に読んでしまいました!窪さん、本当にいいですね☆心や性の事など描くの上手いです。本音で兄弟で話すシーンは泣けました。終わり方もとても良く、お気に入りです♪

  • 章ごとに語り部が変わり、それによってそれぞれの本当の感情が明らかになる。
    人と人との結びつきは心だけでも、体だけでもうまくいかない。
    好きな人に求めてもらえない
    好きな人を抱くことができない
    女の人にも性欲がある、その当たり前のようでみんなが避けることを描いていて、とても面白い作品でした。

  • どうしようもない遣る瀬無さ、後悔、でも最後にはほんのりとした救い。こういう小説が最近多いような気がする。時代の求めるところなんだろうか。

  • 気持ち、を書くことがうまい作家だ。

  • 商店街で育った3人の男女。
    兄弟の圭祐と裕太、近所に住むみひろの恋愛模様。
    各章が、それぞれの目線で書かれ、ストリーが進んでいく。
    それぞれの想いがつぶさに語られ、それがとっても切ない。
    誰も悪くない。
    なるべくしてなった。
    そんな感じ。


    著者の本は2冊目。
    前回読んだ「水やりはいつも深夜だけど」よりも、こっちの方がずっとずっと良かった。
    作風が、窪さんらしいとのレビューがあったので、他にもいろいろ読んでみたい。

    もしかしたら、最近読んだ本の中で一番好きかもなので、また読み返してみようかなと思ってます。

  • 久しぶりの5つ星、窪さん。

    朝方目が覚めて、二度寝ができなくて
    ぱらぱら開き始めたら、
    あっという間に引き込まれて
    数時間で一気に読了。

    だれもかれもが抱える不安と、やさしさが
    痛いほど伝わってきて。
    ああ、よるべのない感情だなあ、
    私はこの気持ちに
    どう出口を見つければいいのかなあ、と
    浮かべながら読んでいました。

    窪さんは性描写が多いので
    作品によって得手不得手が明確に分かれますが、
    窪さんが苦手な人にも
    読んでほしい作品です。

    もう一度ページを開きたい。

  • 今回の作品は全てがストレートで心にズーンといろいろな感情が押し寄せてくる。みひろ・圭祐・裕の交錯する気持ちが切なくて、思い通りにいかない恋愛を見ているともどかしい。セックスという身体同士の繋がりも大切なのかもしれないが1番重要なのはお互いの心の繋がりなのかもしれない。この作品から学んだ事は自分が思ってる事や感情をきちんと伝えないと相手には伝わらないという事。3人共、悩みを抱えながらもがき苦しみ、最後には全員救われた。みんな、苦しかっただろうけどこれで良かったんだと思う。

  • 久々に読む窪さん。性を特化させながらも、狭い人間関係の中を生きていく力強さ。個々のはち切れそうな悩みと思いが切々と伝わる恋愛小説。

  • 一人の女性をめぐる兄弟の愛憎劇で、章ごとに語り手がかわっていく。

    兄のほうと同棲していた女性の視点から始まったため、彼女の立場に肩入れしながら読み進めた。
    共に生活していくうちに少しずつ大きくなる違和感、満たされない性欲など、女性の抱える心のうちを真っ直ぐに投げかけているため応援したくなる。

    若いうちは未熟だから、自分の本当の気持ちに気づくのは難しい。迷い悩んで周囲の人を傷つけたとしても、長い目で見たらかけ違えたボタンは勇気をもって直したほうがいい。
    紆余曲折あった分誰もが傷つき、でも最終的には誰もが収まるべき場所を見つけて進んでいく。間違えた分だけ、確実に成長して強くなる、前向きになれる作品だった。

全163件中 1 - 10件を表示

窪美澄の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
西 加奈子
吉田 修一
角田 光代
いとう せいこう
角田 光代
横山 秀夫
三浦 しをん
伊坂 幸太郎
西 加奈子
朝井 リョウ
宮下 奈都
米澤 穂信
吉田 修一
角田 光代
東野 圭吾
湊 かなえ
彩瀬 まる
吉田 修一
有効な右矢印 無効な右矢印

よるのふくらみに関連するまとめ

よるのふくらみを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

よるのふくらみを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

よるのふくらみを本棚に「積読」で登録しているひと

よるのふくらみの作品紹介

その体温が、凍った心を溶かしていく。29歳のみひろは、同じ商店街で育った幼なじみの圭祐と一緒に暮らして2年になる。もうずっと、セックスをしていない。焦燥感で開いた心の穴に、圭祐の弟の裕太が突然飛び込んできて……。『ふがいない僕は空を見た』の感動再び! オトナ思春期な三人の複雑な気持ちが行き違う、エンタメ界最注目の作家が贈る切ない恋愛長篇。

ツイートする