よるのふくらみ

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著者 : 窪美澄
  • 新潮社 (2014年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103259244

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よるのふくらみの感想・レビュー・書評

  • ありていに言えば陳腐な話である。
    一人の女性と彼女を好きになった兄弟の三角関係の話なんて少女漫画かメロドラマみたい。
    とはいえ、使い古されたストーリーを窪美澄が描くとどうなるか。

    “「血の通った」とはよく言われる言葉ですが、
    それをここまで体現する作家は、まれだと思います。”

    これは本の帯に書かれている西加奈子さんの文章。
    まさにその通りで、窪さんの描く世界は圧倒的なリアルで胸に迫る。
    生身の人間が傷ついたり傷つけたり恋したり欲情したり・・・。
    どうにもならない人間臭さに登場人物の全員にあますところなく共感してしまった。

    この物語の核とも言える“セックスレス”。
    私の知人にもこれが原因で離婚した人がいる。
    結婚してから一度もないなんてどういう事よ!と当時は妻の立場になり大憤慨。
    でも今自分が歳を取ったせいもあるかもしれないが、この小説を読み改めて圭祐の立場になって考えると、考えがぐらぐら。
    EDで離婚された男ほど辛いものないんじゃないかと。

    でも、夫婦の形は人それぞれ。他人がとやかく言うもんじゃない。
    改めてそんな風に感じさせてくれた小説だった。

    前回の短編集でちょっとがっかり感はあったけれど、この作品はよかった。
    ドロドロしているだけじゃなく、読後感爽やかな窪さんの小説が戻ってきて嬉しくなった。

  • 章ごとに語り部が変わり、それによってそれぞれの本当の感情が明らかになる。
    人と人との結びつきは心だけでも、体だけでもうまくいかない。
    好きな人に求めてもらえない
    好きな人を抱くことができない
    女の人にも性欲がある、その当たり前のようでみんなが避けることを描いていて、とても面白い作品でした。

  • どうしようもない遣る瀬無さ、後悔、でも最後にはほんのりとした救い。こういう小説が最近多いような気がする。時代の求めるところなんだろうか。

  • 気持ち、を書くことがうまい作家だ。

  • 商店街で育った3人の男女。
    兄弟の圭祐と裕太、近所に住むみひろの恋愛模様。
    各章が、それぞれの目線で書かれ、ストリーが進んでいく。
    それぞれの想いがつぶさに語られ、それがとっても切ない。
    誰も悪くない。
    なるべくしてなった。
    そんな感じ。


    著者の本は2冊目。
    前回読んだ「水やりはいつも深夜だけど」よりも、こっちの方がずっとずっと良かった。
    作風が、窪さんらしいとのレビューがあったので、他にもいろいろ読んでみたい。

    もしかしたら、最近読んだ本の中で一番好きかもなので、また読み返してみようかなと思ってます。

  • 久しぶりの5つ星、窪さん。

    朝方目が覚めて、二度寝ができなくて
    ぱらぱら開き始めたら、
    あっという間に引き込まれて
    数時間で一気に読了。

    だれもかれもが抱える不安と、やさしさが
    痛いほど伝わってきて。
    ああ、よるべのない感情だなあ、
    私はこの気持ちに
    どう出口を見つければいいのかなあ、と
    浮かべながら読んでいました。

    窪さんは性描写が多いので
    作品によって得手不得手が明確に分かれますが、
    窪さんが苦手な人にも
    読んでほしい作品です。

    もう一度ページを開きたい。

  • 窪美澄さん作品を読むのは2作目。連作短編集。想像以上にとても良かったです!対照的な兄と弟で同じ女性を好きになり、皆、切ない想いやなかなか言えない想いを抱えています。それぞれの視点で描かれていき、皆の気持ちが良くわかり、読みながらいろんな登場人物の気持ちになり、共感できるところがありました。色々な出来事があり、一体どうなるのかなと気になり、あっという間に読んでしまいました!窪さん、本当にいいですね☆心や性の事など描くの上手いです。本音で兄弟で話すシーンは泣けました。終わり方もとても良く、お気に入りです♪

  • 今回の作品は全てがストレートで心にズーンといろいろな感情が押し寄せてくる。みひろ・圭祐・裕の交錯する気持ちが切なくて、思い通りにいかない恋愛を見ているともどかしい。セックスという身体同士の繋がりも大切なのかもしれないが1番重要なのはお互いの心の繋がりなのかもしれない。この作品から学んだ事は自分が思ってる事や感情をきちんと伝えないと相手には伝わらないという事。3人共、悩みを抱えながらもがき苦しみ、最後には全員救われた。みんな、苦しかっただろうけどこれで良かったんだと思う。

  • 人に言えない女の悩みや戸惑い、どうしてこんなにわかってくれる作家さんなんだろう。ものすごくいい作品だった。

  • 理性と感情、心と体はシンクロしない。自分はこの作品の登場人物ではあきらかに圭ちゃん気質なので、読んでいてちょっと辛かった。

  • 一緒にいるだけでいいと思えなかったのか。
    彼との子供が欲しい、セックスしたいという気持ちが一方に強くあれば、それが叶えられない方が悩むことになる。言いにくくてもここは正直に話し合うべきだと思う。
    後々になって「言っていれば良かった」と後悔するくらいなら。自分の気持ちをごまかすのも嫌だな。

    ”誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。”
    まさにそうではないだろうか。

  • 圭ちゃんには幸せになって欲しいや

  • 最後に出てくる京子が良かった。

  • 圭ちゃんのことをおもうとひたすら切ない…。

  • みひろの夫の圭祐,弟の裕太をめぐる話が6つの短篇で展開されるが,近所のみんながお互いの家の様子を良くしている昔のまちが舞台でほのぼのとした感じだ.みひろの母の失踪事件や圭祐たちの父親の浮気問題など楽しめる話題で話が進む.里沙とショウの母子の話と,最後に出てくる京子の存在が面白かった.

  • 窪さんの本はひりひりしているけれどとても引力が強い。せつない、さみしいだけじゃない生々しさがよい。
    みんながみんな、最後の最後まで考え続けて、考えて考えて行動して、選んだ結果なら、それはもうそれが正解なんだ、と思わないと生きてなんかいけない。
    誰かを悲しませるから、不幸にするからって、自分を消えそうになるまで追い詰めたらだめだ。自分を殺してはだめだ。ということを痛く痛く教えてくれる小説。

    裕太いいよ~よかったねえ、みひろ。
    圭ちゃん、大阪で京子に出会えてよかったね。
    圭ちゃんは嫌いだけど、圭ちゃんの言葉にいちばん共感しました。

    一人になりたくてこの町に来たのに、ほんとうに自分は一人なんだ、ということを思い知らされると、これから先、一筋の光も射さないトンネルの中をただ進んでいくだけの人生が続いていくような気がした。

  • この世のなか真っ当な生き方をしてる人間なんているんだろうかと、窪美澄作品を読むといつも思う。
    みんな何かしらの後ろめたさや秘密を抱えて生きている、そういう闇の部分を描くのが本当に上手だなぁと思う。
    快晴のように晴れやかな気持ちにはなれないけど、雲間から一筋の光がさすような結末に少しほっとした。

  • 誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。

  • 図書館で借りた。ふがいない。を読んで面白かったのでこの人の本を手にとってしまった。
    兄弟で同じ女性を好きになってしまって三角関係みたいな感じが切なくて、表現の仕方がこの人独特の優しさを含んでいて結構あっと言う間に読み進めてしまった。面白かった

  • とりあえず、装丁だけで★6個と言いたい。切なくてやらしいことを書くのがうまい。敢えて言うなら、綺麗にまとまることばかりやないと思う。読後感はそのほうがええけど。

  • 窪美澄の書くままならない人たちがもがく姿が好きだ。

  • 思わず、共感ポイントが多くて、女性の素直になれない愛情とか、じんわり響いて、久しぶりの星五つ⭐︎。
    幼馴染で、親同士も、家族のこともバレバレな恋愛は自分はやだけど、きっと世の中にはたくさんあるし、脇役の健司とかが、いい感じにすごくリアリティーがあった。
    それぞれの視点から書かれてるのもよかった。最後、みひろ視点も欲しかったかなー、いや、なくていいかなー
    こころとカラダは別物じゃないよなーなんて考えた。
    切ないけどあったかい。人肌が恋しくなる本…。

  • 「ふがいない」の時も感じましたが、閉塞する世界の描きかたがぐっとくる。今回は商店街なのだけど、家族のようでいながら、下世話な好奇心むき出しの姿とか。

  • ☆4つ
    やはりなんてことの無いお話なのだけれど、おもしろい。どうやらわたしに合っている作家さんのようだ。しかしそれにしてもお話の内容と題名が、もっと言うと本の名前さえその関連性がよく分からない。加えて物語には「これ」という結末もない。けれど面白い。不思議だ。すまぬ。

  • ミステリー以外では久しぶりにすっごくよかった。
    文章の切なさかなー。
    帯(っていうのかな?)の言葉通り、言葉が沁みてくる。
    最後の黒猫の描写が泣きたくなってきたわー。

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よるのふくらみの作品紹介

その体温が、凍った心を溶かしていく。29歳のみひろは、同じ商店街で育った幼なじみの圭祐と一緒に暮らして2年になる。もうずっと、セックスをしていない。焦燥感で開いた心の穴に、圭祐の弟の裕太が突然飛び込んできて……。『ふがいない僕は空を見た』の感動再び! オトナ思春期な三人の複雑な気持ちが行き違う、エンタメ界最注目の作家が贈る切ない恋愛長篇。

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