旅する力: 深夜特急ノート

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 826
感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103275138

作品紹介・あらすじ

『深夜特急』では書かれなかったエピソードや、旅に出るまでの経緯、沢木耕太郎ができるまでとも言うべきデビュー直後の秘話など、旅に関する文章の総決算となる初の長編エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「深夜特急」を書くまでの経過、旅のエッセイを書く意味について順を追って書いてある。ドラマ化されたくだりは面白かった。沢木さんが色んな作家や関わった人が影響していることがわかった。

  • 「深夜旅行」以前と以後を著者自身がふりかえった旅行エッセイ。
    深夜旅行のルート選択、資金集め、影響を受けた旅行本、旅で得たものと失ったもの、深夜旅行が与えた影響などがサラリとしたタッチで記されています。
    深夜旅行を読んでおいたほうがいい、というか読んだ人向けの本という感じですが、旅行者がなんとも羨ましくなる一冊です。

  • 深夜特急を書いた沢木耕太郎さんの、アジアからヨーロッパへの旅についてのエピソードが記された本で、旅というキーワードに惹かれて読みました。旅に対しての考え方や経験に共感することが多く、私も20代に旅をして良かったと改めて実感しました。中でも、「吐き出されない思いは深く沈潜し、忘れがたいものになっていく」という表現が一番共感できました。一人旅は感動を共感できる相手がいないため、正直寂しいと感じることもありますが、一人で味わうからこそ、一生忘れない思い出になっているのだと思いました。私も旅をしたのは3年前になりますが、いまだに街の景観や出会った人のことは覚えています。旅で感じたことを言葉で表現するのは難しいですが、この表現は綺麗だと感じました。
    旅は誰がするか、どこに行くかで感じることが全然違うため、自分も旅をしているかのような感覚でワクワクしながら読むことができました。
    旅の良さというのは、旅をしたことがある人は当然のように知っていますが、旅をしたことの無い人に理解してもらったり興味を持ってもらうのは難しいことです。この本を読むと旅の良さを少し知ることができるので、これから旅をする人へ読んでほしいと思いました。また、私も旅の良さを自分の言葉で表現できるようになりたいと思いました。

  • 「深夜特急」にまつわるエピソードを集めた、同作のまとめ的なエッセイで、ファン必読の内容。深夜特急が書かれたのは旅の10年後と熟成期間があったが、今回の回顧録も、この紀行文が出版されてから更に10数年が経っており、旅にたいする見方の深化が伺える。それを踏まえながら、20代でしか出来ない旅があると説くところは、年齢を重ねた著者ならではの説得力があった。

  • 自分も昔、『深夜特急』で旅への夢を膨らませた時期がある。
    約3ヶ月、夢見たヨーロッパを一人で放浪した。
    帰ってきたら書店にこの本が並んでいた。
    すぐに購入した。
    しかし書棚の背表紙だけを眺めるだけで数年が経った。
    気づけば深夜特急の主人公よりも、ひとつ年上になっていた。

    久しぶりに一人旅に出た。
    一泊二日、ずいぶん短い一人旅だった。
    バックパックにこの本を詰めて。

    旅には適齢期がある。
    その年齢でしかできない旅がある。
    読書も同じである。
    深夜特急に影響を受けて長旅に出るには、
    時間もお金も限られている。
    それでも、今の自分にしか得られないものを、
    この本から感じることができたと思う。

    • yuzlogさん
      >のぞみさん
      本当に旅とは、そのときその場所で、その自分にしか巡り会えないものですね。
      だからこそ、普通の日々を旅するように生きたい、そう思...
      >のぞみさん
      本当に旅とは、そのときその場所で、その自分にしか巡り会えないものですね。
      だからこそ、普通の日々を旅するように生きたい、そう思います。
      2013/05/23
  • 『深夜特急』の前日譚、後日談を知ることができる。特に印象に残ったのは、「旅にはその旅にふさわしい年齢がある」という主張。『深夜特急』の旅は、26歳という特定の年齢だからこそできたものであり、年をとってからはできないそうだ。その主張にはハっとさせられるものがあり、「いつか行けるだろう」と考えがちな自分の旅行観を揺さぶることになった。猿岩石に対するコメントだけが少し残念だったが、『深夜特急』を読破した人なら必見の書だと思う。

  • 読書が苦手な私でしたが、深夜特急は夢中で読み進めました。6冊で終止符が打たれた深夜特急の続きを読むことが何故かためらわれました。だけど、読んでよかったです。
    もっと旅についての直接的な記述が多いのかと思っていましたが、
    様々な記述を通して、沢木さんの旅の面白さも恐さも存分に描かれていました。
    旅に限らず、生きている中で感じる様々なことに繋がる気がして、
    旅する気力も生きていく気力ももらいました。
    最後の対談までちゃんと、じっくり読みたい本です。
    深夜特急と併せて、手元に置いて何度でも読み返したい。

  • 新たなエッセイに加え、「深夜特急」に書ききれなかったエピソードも網羅されている。

    「コヨーテ」に掲載されたときも読んだものも含まれており、数分の間、購入するのを躊躇ったが、十分満足できた。

    「深夜特急」を読まれた方も、そうでない方にもオススメの一冊

  • 「旅する力」とは即ち「生きる力」なり

  • 沢木さんの価値観での「旅」の本。
    彼の本を色々読んでいるので、読んだことのあるエピソードなどもいくつかあり、新鮮味はそこまでないかも?
    ただ、やはり旅好きにとっては溜まらない、
    旅行欲を刺激させる一冊。
    最終章の韓国版深夜特急のあとがきの文章が印象的。旅人に向けられた、きらりとセンスの光る言葉達だなあと。
    20代、まだまだ遅くない。
    今の感性でしか見れない景色を見たい、経験をしたい、私も旅に出よう。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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