ラブレス

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著者 : 桜木紫乃
  • 新潮社 (2011年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103277224

ラブレスの感想・レビュー・書評

  •  親子3代に亘る、ねじれにねじれた人間関係のドラマです。親子や夫婦の関係がもうどうにもならないほど破綻してしまっていて、最初のうちは読んでいて嫌になります。ところが杉山百合江の人生を軸に物語は次第にスピード感を増し、波瀾万丈の展開となって目が離せなくなっていきます。

     人は人生において、自分自身を苦しめたり身近な人たちを傷つけたりするような選択を時として繰り返してしまうようです。人の行いは理屈ではなくどうにも抑えようのない感情によって左右されるのですから。そうした選択の結果は、周りからはどうしようもない不幸のようにも見えるかもしれません。しかし、結果がどうであれ自分の気持ちに正直になって自ら選んだ人生が、振り返れば幸せな人生だったということになるのかもしれません。あるいは、そのようにしか人は生きられないのかな……

     はっきりいえば好きになれる種類の小説ではありませんが、人間の業(ごう)ということについて強く考えさせられたのでレヴューさせて頂きました。

     百合江の晩年に初めて気持ちを明らかにする高樹老人の姿、そして明かされる綾子の消息は、この物語の中で数少ない「救い」でした。

     あと、百合江の最期の病室に現れる人は、この人じゃあないもう一人の方にして欲しかったなあ……

  • 二人の姉妹の人生を通して、姉妹の切っても切れない絆と主人公百合江の過酷な人生で失われた
    愛と再生の物語。

  • 百合江と里実の壮絶な人生に驚いた。
    死ぬ前になると許しを得たくなるというのはなんか理解出来るかも。
    宗ちゃんが会いに来たことが嬉しかった。

  • 2016.4.3
    優しくて強い主人公の女性が、あるがままを受け入れて生きていく物語
    側で付かず離れず支えていく男性
    ここで、この男性になだれ込むのではなく、あえて一人で生きていくことを選択する。潔い
    !現代にこんな女性はいるのでしょうか?
    近寄り難いかもしれないけど

  • 読み応えがあった。

  • 重たく過酷な人生を軽やかに生きたオンナ、百合江の一生を描いた、2011年下期の直木賞候補となった作品。
    はっきり言ってその2年後に直木賞を受賞した「ホテルローヤル」より、小説としての読み応えがある作品だ。
    (この作品が候補になっていなかったら、2013年の受賞もなかっただろう)
    惜しむらくはラストが、メロドラマ的なハッピーエンドになってしまったところ。
    百合江の「救い」として、このようなラストが用意されたのだろうが、もう一人の男の方が自然だし相応しいような気がする.......のは、男としての同性に対する身贔屓だろうか。

  • もっと早く読めばよかった。こりゃ、やばい。全く関係ない話なのに、ずっと心の底で曖昧にしてきたことを突きつけられた気がする。
    東山さんの流の女&北国バージョンな印象。男たちは弱く、女たちはひたすら強い。
    個人的には石黒みたいな男が気になる。柴門ふみのあすなろ白書に出てくる最初に付き合った人の良い男を思い出す。女の情念は理屈を飛び越えていき、男にとってそれは、ただ悲しい。

  • 肯定してもいけない,否定してもいけない,だって僕らは部外者だから.鏡を割って,もう一度自分が映るのかな.

  • 直木賞を受賞した『ホテルローヤル』よりも先に書かれた作品です。

    装丁と『LOVE LESS』というタイトルから、現代の話かと思ったのだが…

    これは桜木さんの本だ~!と思わされる一冊。
    そして、強烈に印象に残る本になりました。

    桜木さんと同世代で、昭和世代だから、胸をえぐられるように感じることがいっぱい。

    戦後を生き抜いてきた女性って、想像もつかない過酷な運命を背負わされていたんだと、改めて思い知らされた。
    同じ昭和でも、男女平等が当たり前のようになった時代とは全く違う…
    子どものため、夫のため、家のために生きる。
    自分のために生きることは自分勝手なこと、後ろ指を指されること…

    舞台となる北海道、開拓村の生活はどんなに大変だっただろう…
    そんな過酷な生活の中から、旅芸人一座の歌い手となる百合絵。
    表にはみせず、心に秘めた信念のまま生き抜いた百合絵。
    こんなに辛い人生って…と、思てしまうけれど、百合絵は「幸せだった」と答えるだろうなぁ…

    読みながら、何度も胸がつまって、胸が締め付けられて、涙がにじんで、苦しかった…

  • 設定的には、生まれも育ちも恵まれない女たちの哀しくやるせない人生の物語。かと思いきや!深い!
    どんな状況も淡々と受け入れ、達観とあきらめを携えて、とにかく生きる。明日のことだけを考えて、生きていく。哀しみの中で、「愛になれなかったものたち」が降り注ぐ。表現しようのない余韻の残る、素晴らしい作品。

  • 北の大地に繰り広げられる女の物語。貧しい家庭から逃げ出し、女手一つ歌とミシン仕事で娘を育てる姉。手に職をつけ理容店を切り盛りする闊達な妹。姉にはその優しさゆえ言い寄る男が絶えないが娘の幸せだけを望む女にはそうそう幸は訪れない。幼い長女と生き別れてから、その子の幸せを願い自分は身を引く。その娘がエピソードの伏線とは読みかえして初めて気づくほどうまい。どこまでも優しくどこまでも哀しい女の一生が全篇にあふれる。

  • あまりにも酷い、酷すぎる。

  • 2012年読了

    元気でいるなら上等だ。
    歌って踊っているならなおいい。

  • 結構まえに勧められて読んだのが抜けてた。

    やるせない、でも、どこか憧れる。
    彼女のような強さや、健気さ、そして一途さ。
    彼女が、彼女の歩んだ道が幸せかどうかはわからない(どっちかと簡単に言うならば不幸せだろう)
    けれど、〝彼女〟という人物に、ただただ憧れた。

  • ラストのだいすきよは良かった
    百合江の生き方は好きだ

  • 軽薄な恋愛小説かと思いきや。北海道生まれの女性の激動の一代記であった。筆力に、ストーリーにただただ圧倒された。振り返ってみると。百合江の人生もそんなに悪いもんじゃなかったと思う。これはもう単純に面白かった。良かった。この小説に出会えて良かった。最後の方も素晴らしかった。きっと百合江は全てを知ってたんだろうなと。桜木紫乃さん、これは今後も注目の作家。2012/695

  • 百合江はきっと幸せだったと信じたい。まさに壮絶な一人の女性の人生。

  • 辛い話だったな。

  • 勝ち組、負け組という価値観がうまれたのは何時だったのだろうか?
    その価値観の愚かしさ。
    綺麗事で済まない人生を謳う桜木紫乃。

    二番目のダンナ。あんたは私が許さない!

  • 凄いな。何ていうか色んなものが詰まってる。北海道開拓、そして貧しさ。それにしても勝手に子供を売ってしまうとか許せない。でも昔はそうだったんだろうな。それでも百合江は強く生きてた。

  • 北海道の貧しい家に生まれた百合江。奉公先を逃げ出し、旅の一座に拾われる。彼女にできることは、歌うこと。一座が解散した後、子どもを身ごもり、北海道に戻るが、子どもの父に逃げられ、子どもと二人で生きていくことになる。その後も散々な人生を歩むが、他人がどう思おうと、決して彼女は不幸ではない。
    幸せについて考えさせられる話でした。

  • 桜木紫乃初読。『赤朽葉家の伝説』に少し似ている。貧しい家に生まれ、旅芸人になり、二人の娘を産み、高級キャバレーの歌手となりと波乱万丈の杉山百合江の生涯を描いた小説。著者が釧路出身で、釧路も小説の舞台として出てくる。実家が理容室であったせいか、百合江の妹の里美は理髪店に嫁ぐという設定。ところどころ著者の生まれ育ちと小説の設定が被る。幸せってなんなのかという筆者の問いかけを感じる小説。

  • 途中で断念してしまいました。
    逆境をはねのけ強く生きていく女の話、興味があったのですが、この強さは私の好きな強さではなかったです。演歌が入ってるかんじ。
    最後まで読むと違うの?少し気になるからもう1度トライするかも。

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