春風伝

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著者 : 葉室麟
  • 新潮社 (2013年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103280125

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春風伝の感想・レビュー・書評

  • 「素より粗にして狂」「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」「おもしろきこともなき世をおもしろく」長州藩士・高杉晋作、諱「春風」27歳の短い生涯を疾風のごとく生き、時代を変革した男。幕末で一番好きな「高杉晋作」。
    山岡荘八「高杉晋作」から始まり、司馬遼太郎「世に棲む日々」「竜馬がゆく」「十一番目の志士」の晋作、池宮彰一郎「高杉晋作」、古川薫「高杉晋作」と読んできたが、さて、葉室麟先生はどう描く。
    出だしはゆるゆるとしたいつもの書き出し、やはり歴史上の人物は苦手かと思いきや、中盤から後半にかけて、晋作の行動を浮薄な尊王攘夷と区別したり、お得意の女性の描き方をからめて誰の晋作でもない葉室流晋作になっている。
    「この戦は日本国を守る戦である。」

    奇兵隊進発時の土民呼ばわりの差別演説に明確な意味づけ、馬関戦争和平交渉役で高杉が彦島租借問題を頑として受け入れていなければ、香港になっていたことなどの意味づけをきちんと描いている。

  • その男の名は高杉春風、通称は晋作。幕末の激動期において長州藩を倒幕へと駆り立てた時代の風雲児。春風という穏やかな名前とはうらはらに、疾風迅雷の如く時代を駆け抜け、倒幕派の、時代の大きなうねりを巻き起こしました。高杉晋作という人物を知る上ではまとまっていると思いますが、心情の奥行きという面を考えると、史実と人間性と物語性のバランスは難しいところがありますね。「おもしろきこともなき世をおもしろく、すみなすものは心なりけり」長州藩の、日本の行く末を見ることなく、結核により27歳の若さで亡くなった生涯は鮮烈であり、時代に吹く一迅の風でした。

  • 久しぶりの幕末モノ。やっぱり史実に勝るフィクションはない。爽やか高杉晋作のおかげで、颯爽と読み進められた。上海での話は初めてだったのでワクワクできた。

  • 2016.11.07
    幕末の本は結構読んでるが高杉晋作の本は初めてだった。小さい頃、NHKで毎週日曜日だか放送してたが、今になってわかる、この人のやって来たことが。彼がいなければ、ひょっとしたら、我が国はイギリスやフランスの植民地になっていたのではないかと•••。それくらい幕末に貢献した人であったと思える。坂本龍馬がクローズアップされるが、この中の坂本龍馬は実にいいと思う。
    晋作、辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく すみなすものは心なりけり」
    久々に良い本に巡り会えたと思えた。

  • 颯爽とした革命児の原点は上海体験が大きく影響しているとは、、。疾風怒濤の行動力と反転力ながら、結構ハードボイルド!?…先見の目は理念・理想よりも現実的。奇兵隊の構成内部なども描かれ、より晋作を知らされる♪

  • 司馬遼太郎の世に棲む日日には、あまり描かれていなかった、上海の留学についてや、藩の内情について、分かりやすく描かれている。

    幕末の人物はよく聞いた登場人物が出てきて、作家ならではの人物像がそれぞれ違うので、違いを楽しめる。特に龍馬の扱いも、さっぱりとしておりよかったかも。

    個人的には、やはり登場人物たちの若さにあまりある、濃密な人生の激情と、為し遂げたことの大きさに、改めて驚嘆した。
    晋作は、明治の元勲たちのひとつ上の世代であり、やはり生き延びていたらどうなったかに思いを馳せずにはいられない。

    今度は、いかにして元勲たちが身を起こしたか、そして日本がどのように動いて近代になっていったのか、読んでみたい。

  • 高杉晋作の…ますます好きになりましたぁ。
    諱(いみな・本名)高杉春風(はるかぜ)というのですね。
    で、春風伝。
    字・暢夫。通称・晋作。なの、だ、そう。

    驚いたのは、脱藩なんども繰り返しているところ…
    しらなかったぁ。
    そして。呼び戻され、長州を一枚岩に仕立て上げた!

    哭泣
    一掬の涙

    梅と桜

  • 幕末の偉人の中でも思い入れのある高杉晋作を葉室麟が取り上げたので、是非にでも読みたいと思っていた。
    春風とは晋作の幼名だとのこと、ちと意外な名前だったが、代々高杉家では「春」の字をつけるのだという。
    晋作の人生はそれ自体が惹きつけるものを持っており、言うまでもなく本書の筋自体はとても興味深いもの。
    司馬遼太郎の「世に棲む日日」は夢中になったが、読んだ印象は比較的近かったような気がする。
    しかし葉室麟作というからには期待していたのは主人公の感情の動きであり、そこから湧き出るその人に覚えるこれ以上ないという人としての魅力である。
    その意味では今ひとつ欲求不満の残る作品でもある。
    元々、葉室麟は歴史上実在の人物を書くといつもの切れが鈍るというのが定説であり、本書ではまさにそれをまともに味わったという気がしている。
    晋作の伝記として読むには悪くないのだが、葉室麟として期待して読むにはどうしても物足りなさを感じてしまう作品である。
    葉室麟を読むならやはり、実在しない人物を描く作品に絞った方が良さそうだ。

  • 最近アングラな歴史ものを読みすぎて、あんなに好きだった葉室麟に退屈さを感じてしまいました。
    葉室麟すぎる感じが強く、高杉晋作のスピード感が全然な印象で残念でした。
    後半は流し読みでした。

  • 高杉晋作の話。
    父:小忠太、母:道、妻:雅
    周美玲、うの、望東尼、師:吉田松陰
    長井雅楽、玄瑞、周布政之助、来島又兵衛 皆死んでしまった。
    土佐の龍馬と中岡慎太郎も。

    多数の登場人物が入れ替わり立ち代り出てくるので、全体としてちょっと薄い印象を受けた。いつもの葉室麟の良さが出ていない感じ。
    高杉晋作のことは非常に良く分かったが、それだけの伝記物語で終わった。
    まあ、この時代のことを書くのは難しいのだろう。
    あまりあれもこれもと書き綴るのは良くないのかもしれない。

  • 2013.11.6読了
    ちょっと大人しい高杉晋作
    司馬遼太郎ような爽快感を期待していたので、ちと物足りない( ̄ー ̄)

  • 疾風のごとく生きるとは、ひとより先を歩むこと。高杉晋作―時代を変革した男は生き方すべてが新しかった。詩と女を愛し、敵をも魅了した英傑の奇策に富んだ嵐の生涯。この戦は日本国を守る戦である。死しても負けることは許されぬと心得よ。長州藩士・高杉晋作。本名・春風。幕府を守るべき彼が、欧米列強に蹂躙される上海の姿に日本の未来を見た時、「レボリューション」の天命は下った。民衆を率いて四カ国連合艦隊と幕府から藩を守り抜き、徳川治世を散らす嵐となった男の奇策に富んだ戦いと、二十八年の濃密な生涯を壮大なスケールで描く。。。晋作の壮絶な人生に言葉がありません。。。

  • 初めて読んだ、高杉晋作の物語。偉人とは激動の人生だと思います。

  • 幕末に活躍した長州の高杉晋作の物語。
    歴史上の人物で自分が一番好きな人物。初めて本で通して読んだ。イメージ通りの暴れ馬。辞世の句「おもしろき こともなき世を おもしろく」は自分のポリシーとしてる。

  • タイトル通り、高杉晋作の生涯を描いた本。

    高杉に関して、特に詳しいわけではなかったので、それなりに面白かった。

  • 長州藩士の高杉晋作が激動の幕末を駆け抜けた28年の生涯を描く。葉室作品らしく詩や短歌が多く盛り込まれる。しかし、人間の描写などはいつも葉室作品らしくなく淡泊。晋作の行動や政情など歴史的な事実は多く語られるが人自身はあまり語られない。晋作の心情も希薄だし、脇役となる人物は非常に多く登場するが関わりや掘り下げは浅くて存在感に乏しくストーリーを盛り上げ、晋作のキャラを立たせる役目を果たせていない。女性との関わりもキーとなるが上海の女性はともかく、他の3人との関わりはもう1つ踏み込んだものが欲しかった。

  • 488頁の大冊だが、既知の地名もたくさん出てきて楽しく読めた.高杉晋作の活躍が主な内容だが、多くの人と接触し多くの知識を得ているが、それを自分のものとして戦略を決断していく姿勢に感動した.知恵袋としての横井小楠の存在が光っている.商社員として坂本龍馬を扱っているのが面白く、妥当なものと感じた.竜馬自体、あまりにも過剰評価されている傾向なので、納得できた.

  • 488頁と厚い。
    展開とテンポがよく、読み始めながら先が楽しみ。

  • 高杉晋作の物語
    司馬遼太郎の『世に棲む日々』のほうが
    劇的で、私自身の好みとしては上かと思いました。
    個人的には、所謂尊敬する偉人というと高杉晋作
    だと思っています。
    なんとなくカッコいい人だと思います。

  • 直木賞作家による幕末の志士「高杉晋作伝」。
    春風は高杉の本名。
    数々の映像作品でも描かれなかった、上海を訪れた時のことが書かれていて、これでだいぶ引き込まれた。
    今までのイメージは奇兵隊高杉晋作が強かったが(もちろんそこもちゃんと描かれる)、詩人の部分、政治家の部分も同様に描かれていて、今まで知らない高杉晋作を知ることができる作品でもあろうと思う。
    龍馬一人では止められなかった戊辰戦争、もし高杉が生きていたら回避できたのではないかと思わされてしまう。
    改めて幕末の重要人物であったんだと再認識させられた。
    他のレビューでは、この作家による実在人物の物語の評判が宜しくないようだが、なにぶんこの作家の作品はこれが初めてだったので、先入観なく読め、非常に楽しめた。
    個人的にはオススメ!

  • 長州藩士高杉晋作。本名春風二十八年の濃密な生涯を描く歴史小説。長州藩士長男として生まれ幕府使節随行員として長崎から中国の上海へ渡航留学、尊王攘夷に目覚め幕末に長州藩の尊王攘夷の志士として活躍、奇兵隊を結成し幕府の長州征討に対抗するが、肺結核のため桜山で療養生活を送り復活することなく慶応3年(1867年)病没、春風の史実部分が伝えられて残るだけに主要参考文献が多く、葉室さんの物語に自由度が少なく、妻まさ・愛妾うの登場場面も少なく、志し半ばで大政奉還を見ずしてこの世を去る人生同様、残念な作品かと……

    史実を追う葉室さんの作品、読みにくく読了に時間がかかった。参考文献のない作品の方が葉室さんらしさがあるように思う。

  • まさに疾風迅雷の如き人生だ。四境戦争に勝利した直後、若干27歳で死去。成し得た功績を振り返ればとても27年の人生とは思えない。
    最近では「龍馬伝」の伊勢谷友介が好演していたが、実際は遥かに若い、松山ケンイチや山下智久ぐらいの俳優が演じないといけないわけだ。
    司馬遼太郎好きなのでどうしても「世に棲む日々」や「花神」と比べてしまうが、躍動感のある司馬作品から見ると随分大人な臈長けた高杉晋作に描かれている。それが悪いというわけではないが、美玲、おうの、雅、と3人のイイ女を渡り歩いても憎まれない、ちょっとイイ男過ぎ。
    「神に愛された男」は天運に恵まれた故、若くして天に召されたのかな。読後感は爽快の一言に尽きる。

  • 高杉晋作の生涯を描いた作品。
    この時代には日本の将来を憂う熱い男たちが大勢いたのだと思う。いまはどうなのか?自分はどうなのか?
    考えさせられる。

  • あれだけの事をして27歳で散ってしまうのは本当に無念だと思うが、この時代そういう若者がたくさんいたのだと圧倒される。生き残った者が勝ちという考えに納得するが、このように生きぬくことは本当に美しい。

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春風伝の作品紹介

疾風のごとく生きるとは、ひとより先を歩むこと。高杉晋作-時代を変革した男は生き方すべてが新しかった。詩と女を愛し、敵をも魅了した英傑の奇策に富んだ嵐の生涯!満を持して世に送る本格歴史長編。

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