盲目的な恋と友情

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著者 : 辻村深月
  • 新潮社 (2014年5月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103283225

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盲目的な恋と友情の感想・レビュー・書評

  • 読んでいて軽い既視感。
    なんだかこの話、朝井リョウの「スペードの3」に似てない?
    女性の尋常じゃない自意識だとかスクールカーストのトラウマだとか。
    今この手のテーマが若手の作家の間の流行りなのか。
    ブラックな感じも共通してて作者を伏せて読んだらどっちがどっちだか分からないかも(笑)
    お二人の作家は同期で仲良しらしいから影響されあってるのかな?

    でもね、正直個性が感じられなかった。
    私が辻村さんの作品をほとんど読んでないせいもあるのかもしれないけれど・・・。
    女性独特の心理を巧みに描写しつつもミステリーに仕上げるってのが彼女の特徴なのか。
    この作品以外に読んだことあるのは「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
    これも巷の評価ほど感心しなくてずっと辻村さんから遠ざかっていたけれど今回たまたま手に取ってみた。
    またしても外れちゃったみたい。

    これぞ、辻村!!と言う作品を読まないと。
    以前にブクログ仲間さんにお勧めいただいた本があったはずだな。
    まずはそれを読まないと始まらないか。
    若い作家さんの小説に入り込めないのはもしかしたら自分の年齢のせいかなとも思うけれど。
    どうなんだろう。認めたくないけど・・・。

  • 盲目的な恋と、盲目的な友情。
    美しい女子大生の初めての恋が燃え上がるが‥

    一瀬蘭花は女子高から私立大学に進みます。
    音大ではないけれど、百人を擁するオケ部で、第一バイオリンのメンバーに入りました。
    指揮者は若手のプロがやって来ることになっていて、指揮者は誰とでも選び放題で付き合えるという話は聞いていたのです。
    そんな指揮者でしかもかなりの美形な茂実星近と2年の秋になって蘭花は付き合い始め、あれこれありつつも5年という異例の長さで恋人として続きます。だがそれは‥

    恋に積極的な美波は、初心者だがオケ仲間でもあり、蘭花の親友でした。
    1年生の頃は美波は蘭花のことを、初恋どころか思春期もまだのようだと言っていたりして。
    そんな美波のことを嫌う傘沼留利絵は、群を抜いてバイオリンが上手い。
    痩せていて生真面目で、化粧っ気もない。
    素直な蘭花は、教育熱心な家庭に育った共通点を感じ、演奏会などの話も面白くて気が合うと感じていました。

    世間知らずな蘭花の一人称で語られる出来事。
    初めての恋に縛られ、他の女性の存在に衝撃を受けたり、相手が崩れていっても別れられない。
    ありそうではあるけど、どこかでどうにかならなかったのかと、もどかしい。
    良い面も不幸を招いてしまい、生かされなかった‥
    美しさが災い?

    留利絵の一人称で語られるパートはもっと怖くて、そうなった事情に気の毒さはあるが‥なんとも歪んだ考え方。
    盲目的な友情って‥そういうことだったのかと思うと、恋のパートもさらに怖くなってくる‥?
    人柄のいい男性が一人も出てこなかったような‥
    こうなるしかなかったような書き方で、鮮烈な印象はあるし、なめらかで、わかりやすいけど‥
    後味は悪いですね(苦笑)
    これはホラー?
    普通に成長していると思った女の子が一歩間違えばこうなりかねない、なりますよ~というブラックな味です。
    嫌ミス的な意地の悪さ?‥というほどでもないかなぁ‥こういうのも書けますよ、っていう印象でした。

  • さあ、どっちだ、どっちだ??
    最後に感動の涙を流させてくれる講談社路線か?
    はたまた、じめじめとした女の嫌らしさを描いた文藝春秋路線か?
    といっても、これは実際には新潮社の発行物だけどね------。

    ということで読み始めた辻村深月の書き下ろし最新作。

    冒頭
    あの人が死んでしまったら、とても生きていけないと思った、あの幸せの絶頂の一日から六年が経ち、あの人は死んでしまったのに、私は、まだ、生きている。

    大学のオーケストラに定期的に指導にやってくる指揮者たち。
    彼らは女子大生の憧れの的であり、団員の誰とでも付き合える別格の存在だった。
    なかでも、元タカラジェンヌの娘蘭花の前に現れた茂実星近は完璧な外見を擁していた。
    主人公蘭花と茂実の盲目的な恋、蘭花の周りを彩る留利絵と美波との複雑な友人関係。
    登場人物が個性的で、しかも内面のドロドロというよりも、それを遥かに超えたズブズブの底なし沼のような感性の描き方が、まるで湊かなえの作品であるかのような感覚を覚えた。

    作者辻村深月自身の言によれば、最近の作品は“”白辻村“と黒辻村”があるという。
    デビュー当時から、ベタでもハッピーエンドを書き続けると言っていた作品群は白辻村、最近の、女性の内面をどこまでも深く描く、私にしてみれば読後感のあまり良くない作品群は黒辻村のようだ。
    この作品は明らかに黒辻村。
    だから、読み終わって、がっかりでした。
    私が彼女に求めているのは、あくまでも前半は様々な伏線を張り巡らせ、終盤見事にそれを回収して感動の涙を流させてくれる白辻村作品だからだ。

    ということで、驚愕のラスト、異性への恋と同性との友情の並列的比較という問題提起で話としては面白かったのだが(さらには装丁も素敵だった)、彼女に期待していた作品ではないので、評価は3。
    今年はデビュー十周年記念ということで、あと二冊今年中に発刊されるらしいので、できればどちらも白辻村作品であることを心の底から願うばかりだ。
    “スロウハイツ”や“名前探し”を超える作品の誕生を期待したい。

    でも、辻村さん自身の作品に向かう考え方が変わってきているようなので、あれ以上の感動に再遇するのはもう無理なのかもしれん。
    人間って十年で全く変わってしまうんだね。悲しい。

  • 女の恋と友情。
    これは小説なので、かなり特異で耽美的で、登場人物も現実離れしていて、偏執的で、盲目的なのだけど。
    それでもヒヤリと心を撫でられたような現実的な表現があって、知らぬうちに彼女たちに共感して引き込まれてしまいました。

    勿論わざとミスリードするように書いてあるんでしょうけど、二視点からの書き分けはなかなか面白い。
    まぁ、ラストの展開より、二人の感情の過程や表に出さない部分が面白いんだけどねー。

    盲目的に恋に溺れる美少女、蘭花と、盲目的に親友という関係に執着する地味女、留利絵。
    美波ちゃんが一番普通だったね。
    物語の中では、蘭花がけっこう好きだなと思う。

  • まさに辻村深月といった感じ。
    女の嫉妬とプライド、劣等感が満載です。

    蘭花の友達より恋人が大事という態度は清々しく、
    「恋」での留利恵の影の薄さは可哀想なほど。
    「友情」で語られる留利絵の怒りも最もだと思ったけど、
    留利絵の自意識過剰ぶりが痛々しくて見事でした。

    最後に思い出したように現れるミステリー要素も
    辻村さんらしい。

  • スラスラと読みやすく、ありがちな恋愛に溺れる女性の話。
    読み応えあるし面白いがこれが辻村深月である必要はあるのか?他の名のしれた恋愛作家でも誰でもいいのではないか、そんな感想がよぎった前半の「恋」。
    ところが、後半の「友情」。ここからが本領発揮だったのだと今ならわかる。
    辻村深月得意の、目には見えない環境に根ざすカースト制度によりコンプレックスを抱いた女性のドロドロとした内心を文字に書き起こし、それは読む人の心を抉るのではないだろうか。
    その女性のことを、考え過ぎだよ、と私自身一笑してしまいたくも思いつつ、流すことは出来ずどんどんその女性の目をそらしたくなるような痛い様を綴った文字を必死に追いかけていた。

    そして、最後の最後のどんでん返し。
    まさか、とまた騙されてしまった。『冷たい校舎の時は止まる』の時から辻村深月には騙されて、最後にあっと言わされている。
    そこで、本当にこの2人は救いようがないことがわかり、タイトルがいかに本編とマッチしているか腑に落ち、やられたと思う。
    『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』の読後感と似たようなタイトルと本編の一致であった。

    よくここまで書いたなぁ、と感心してしまいます。
    今作の出版社は新潮社。
    以前の作品だと『ツナグ』が新潮社では刊行されている。
    今作の読後感は前述したゼロハチ〜に似た感じ。
    文藝春秋だともっと読後感悪かった予感がするので新潮社で良かったかも。
    また辻村深月で明るいお話読みたいのでツナグ2は大歓迎です。
    それにしても、本当、久しぶりに楽しめた辻村深月でした。

  • 前半「恋」。完全に共依存な関係。ダメ男に耽溺する主人公。甘美な時期は瞬く間に過ぎ去り、熟れすぎて腐りゆく果実のようなぐちゃぐちゃな関係に。

    恋愛に対して純粋すぎて免疫がほとんどなかったことが、このような関係に陥った要因なのでしょうか…

    後半「友情」。こちらは友人関係に溺れる女の子が主人公。自分がこの人の一番でありたい。ある種の独占欲。

    対象の性別は違っても、相手を思う気持ちが強すぎて、行き過ぎて、一線を超えてしまう二人はとても良く似ていると思います。

    冷静に、客観的に見ると常軌を逸している二人ですが、純粋で真面目で融通が利かない不器用さが招いた結果かもしれなくて、そう思うと二人に哀れみを感じ、悲しい気持ちになってきました。

    いわゆる“黒辻村”作品で、気持ち悪さすら感じる内容でしたが、不思議とページをめくる手を止められず… 不気味でおぞましい印象ですが、どこか美しさすら感じる読後感でした。

  • 黒い。黒辻村深月作品だった。2回読ませる手法は、AパートとBパートから同一時期を描くという形で、あからさまとはいえ楽しんでしまった。
    るりえ、ものすごく歪んでいるのに、その思考をちょっと正しいように感じさせてしまうところが、相変わらずうまいなぁと。

  • 辻村氏の作品に登場する「ダメ彼氏」は、ほんと病的なまでにダメ人間ばかり。こーいう弱い人っているよねー、と客観的に読んでいられるが、
    留利絵のような他者に依存する女性の描写は、自分の中にもその狂気の一片が潜んでいるような気がして、他人事には感じられず読んでいて怖かった。
    「恋」より「友情」の方が怖い。
    2017/04

  • ヒグチユウコさんの装画がとにかく可愛くて装丁買い。初めて読む辻村深月がこれなのはあまり正しくない気はするけどまあいいや。中身は恋パートと友情パートで語り手がチェンジする二部構成になっていて、どちらもタイトル通り「盲目的」。

    大学のオーケストラに所属する蘭花が、イケメン指揮者の茂実星近という男と恋に落ちるも、実はこいつがとんだダメンズでさんざんな目に合わされ、しかしうまいこと死んでくれたおかげで別の人と結婚するまでが蘭花視点の「恋」。「友情」のほうでは、蘭花と同じ第一バイオリンの友人・留利絵視点で、基本的には同じストーリーが繰り返されるのだけれど、茂実の死の真相がこちらで明かされるサスペンス仕立て。

    蘭花は大変な美人なのだけれど、本人はその点に自覚が薄いのか無頓着なのか「恋」ではあまりその点について語られていない。ただただ、うっかりダメンズに引っかかってしまった大学生の女の子の、それでもそのダメ男を諦めきれないダメな恋愛のお話でしかない。

    怖いのは、圧倒的に留利絵の「友情」のほう。容姿に劣等感を持ち、美しい姉と比べられ、しかしその姉が美貌ゆえにある不幸を引き当ててしまうことすら内心羨んでしまうほど劣等感が複雑骨折した留利絵のキャラは大変つらい。恋愛ではなく友情に依存してゆく彼女の心理をこれでもかというエピソードの積み重ねで描写されていて、嫌なんだけど上手いんだなあこれが。

    そこそこ可愛くて軽くて合コンばかりしていて最終的にかなり良い男をゲットする美波というもう一人の蘭花の「親友」がいるのだけれど、彼女のキャラ設定も配置も絶妙。留利絵は美波をライバル視し大変憎悪するけれど、本当に友人にすべきは美波のように偏見もなくバランス感覚の良い子のほうだろう。留利絵は悪意にしか受け止めないけれど、読者には美波が留利絵を思いやる行動をとっていることが伝わるし、花火のとこで出てきた男の子も、留利絵はバカにされた、と被害妄想に陥ったようだけど、もしかしてあの男子は留利絵に好意を抱いているから照れ隠しでとった行動だったのでは?と私は思ったので、つまり結局、留利絵自身の被害妄想体質が、いつまでも彼女を劣等感から抜け出せない元凶だろう。自分を変えるという発想が彼女にはない。

    そして友情の名のもとに留利絵は蘭花に依存したわけだけれど、留利絵がいなくても、茂実というクズ男に恋した時点で蘭花の結末は同じだっただろうし、「感謝」という「見返り」を求めた時点で留利絵の蘭花に対する友情も底が見えていた。読後の後味は大変悪いのだけど、エピソードの構成やキャラ配置が絶妙で非常に巧いので感心してしまい、それほど不快と思わなかったのは救い。

  • *これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への――。一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編*
    こ、怖いーーー!!その一言に尽きます!「恋」と「友情」の二部仕立てで、微妙な女心、独占欲、嫉妬、盲目的な愛の軌跡、などがじわじわと襲ってきます。二部の途中までは、さすが表現力が巧みだなあと思いつつも、まあよくある展開だなとのんびり読み進めていましたが、ラスト30ページからは鳥肌を立てながら一気に読破、で冒頭の感想であります。救いようのない、後味の最高に悪い作品ですが、同時に、蜘蛛の糸のごとく絡み合う女性特有の愛憎を見事に表現し切った作品でもあるかと。特に、留利絵と美波の関係性の描写が秀逸。表紙と題名も絶妙。レビューが低いのは、共感できる登場人物が少ないせいかな?

  •  タイトルにあるが如し。2人の女性を通して描いた恋情と友情。「盲目的な」とあるように、両者をそれぞれ極限的なかたちで描いている。
     大学生のオケを舞台にしているところも、どろどろとした世界に拍車をかけている。少なくとも小説の中では、演奏楽器によってどのパートはどのパートを口説いてよい、等といった恋愛ヒエラルキーが度々描かれているからだ。
     レビューでは、人物に共感できないということで低評価も受けている本作品。とりわけ、男には共感も何もないと思う。男が人間関係の中で気づいていても見て見ないふりをするような関係性・心情を、女性たちを通してこれでもかというくらいに描いている作品だからだ。が、わたしは読み手が「共感」できる楽しみというよりも、読み手が「心にずんとくる」作品こそいい本だと思っている。本作は良くも悪くも"そういう作品"だと思う。
     救いもなにもないようなかたちで結末まで読み終えた時、恋と友情というそれぞれ剥き出しの「情」に圧迫され、そうしてなぜ本タイトルに「愛」の文字が含まれなかったかを実感することになる。

  • まさにタイトルの通りなお話。
    美しかろうと、醜かろうと女は女。
    で、女の敵は女。
    男は馬鹿すぎ。
    登場人物皆自分の事しか考えていなくて、それが原因だろうなと思う。

  • 恋と友情の二部構成。
    そこまで恋に溺れる状況は若いとはいえ、ちょっと引いた。
    しかし後半の友情の物語で、前半の恋の話は伏線だったのだと知る。
    女性の心理を描くうまさに☆☆☆☆

  • こういうの、嫌いじゃ無いですよ?
    読後感は決して良く無いけれども。。。

    前半の「恋」については、久々に音読したいと思いました。
    女々しくて、女子校っぽいどろどろしたところ。(実際の女子校はもっとサバサバしてますが)

    結論が見えてても最後の数ページはゾクゾクする。

  • う~~~ん、なんと表現して良いのか…
    不思議な世界に引き込まれて一気読みしたが…
    茂美との恋に盲目的になってしまった蘭花。
    蘭花への執着を盲目的な友情と思い込む留利絵。
    盲目的になっている自分に溺れ、正しい判断ができなくなる二人。
    ちょっと恐ろしい。

  • 女の美醜は女が決める。まさにそういう話だと読み終えて納得。蘭花の物語に過去の若かりし自分を投影して痛いほど共感するも、留利絵視点からの物語は蘭花がおざなりにしていた側面を深くえぐり出していて、そこに顔を出す美波という女の存在が鍵となる。美波のような、いわゆる一般的な、高尚な世界とは縁のなさそうな女を蔑み嫌う留利絵の感情もよくわかる一方で、美波のように恋愛話に花を咲かせる部分も自分の中にはある。その葛藤に無意識に目をそむけていたが、この小説ではそれをきちんと描き出してくれていて、恋愛の価値なんてものは結局、相手との関係性ではなく女同士の嫉妬や羨望を基準として図っているのでは、という気にさせられる、特に女子の恋愛トークにおいては。それは私だけでなく他の女性の中にも共通してあり得る葛藤なのかもしれないと思いました。その上でのラストのどんでん返しに深いやり切れなさが残る。この読後感、好きです。

  • 元タカラジェンヌの娘であり育ちがいい美女、蘭花。
    外見にコンプレックスがあり男嫌いな、留利絵。
    どちらも極端に恋、あるいは友情に情熱の比重を懸けていて、いびつな執着心に何とも言えない気持ちになりました。もやもや。

    とはいえ、どっちのタイプの友人もいるし、私も昔は恋に盲目になりやすかったので、どちらも「あるなー」と思って読んでました。ただ、ほんと極端ですよね、どっちも。

    なんというか、恋は成熟すると愛と呼ばれるものになるかもしれないけれど、一方で相手の存在が自分にとって大きい関係というのは執着を生みやすい。
    お互いのパワーバランスが取れている時はいいけれど、どちらかの気持ちが冷めたときや気持ちが移ったときなど、バランスなんて簡単に崩れてしまうんですよね。
    そこでじゃあ離れよう、となればいいけど、執着心があるとなかなか離れられない。
    楽しいときはまさに天国ですが、互いに苦しいだけの関係に陥りやすいのは、盲目的な恋のデメリットですよね。

    そして二人の視点から物語が描かれているから、おもしろいのは外見コンプレックスのある留利絵からの視点では、本当に外見に関わる話題が多いこと。
    コンプレックスはきっとプライドの裏返しでもあって、あんまりコンプレックスを前面に出しすぎると引いてしまう気持ちもわかるし、気になってしょうがない留利絵の気持ちもわかる。なんというか、不器用なんですよね。
    でも、優しい子なのはわかります。

    どちらも異常というわけではなくて、相手が違ったらきっとまた全然違う人生を歩んでいたと想像できるくらい、美波たちその他の女の子と彼女たちにそんなに大きな違いはないように思います。
    ネタバレになるので最後については書けませんが、スローモーションで映像が頭の中で再生されて、まるで映画のような物語だとも感じました。

    感情に焦点を当てた世界観をうまく表現した装丁も素敵です。
    ただの恋愛もので終わらせないのがまたいいですね。

  • 蘭花になり得ない私にとって、留利絵は過去の私を彷彿とさせる。
    盲目的に恋愛を信奉し、友情よりも恋を優先させる人々を疎ましく思った。
    結局、私も今の彼に出会い、友情よりも恋が勝った。それは結果、愛に変わることでこの物語とは違う結末を迎えた。
    歪んだ恋も友情も、幸せには結びつかないと思った。

  • 盲目的な恋、と友情だと思っていた。盲目的な、恋と友情だった。
    盲目的な恋、盲目的な友情の二部構成。

    恋も友情も女性ならではの醜さをここまでかというほどに極めた二人。怖いな、女は。

    どちらもお互いの姿は見えていなかった。
    恋しか見てない、友情という形式しか見てない。
    その対比がとても面白い。

    まぁ、わたしはどうしても同性である彼女たちを愚かしいと思いながらも、憎めない。
    ただ茂実は、あいつはクズだろ!

  • とりあえず女って怖い!私も女だけど・・・(-_-;)

    まさにタイトル通りの話。
    美しい女子大生の一瀬蘭花、その恋人となる指揮者の茂実星近、蘭花の親友である傘沼留利絵。
    蘭花と茂実の恋愛についてだけど、恋では蘭花視点、友情では留利絵視点で書かれてる。
    まさにタイトル通り、それぞれ盲目的になってるのが書かれている。
    恋で『?』ってなってたところも友情のほうを読んでハッキリした。
    女の嫌な部分が書かれてて読むのちょっと後味が・・・
    小説の中で留利絵が言ってる『女の敵は女』っていうのもゾクってなった。

    嫌な部分が書かれているけど、それなのに目が離せなくて一気読みしちゃった(・_・;)

  • 結構読むのがきついところもありました。

    自分や周りの人間にもこういう要素あるなと思ったらすごく怖いです。

    恋にも恐怖でしたけどどちらかというと友情の方が怖かったです。

  • 登場人物の世代とだいぶ離れているので入り込めるか心配だったが取り越し苦労でした。自己顕示、自意識、独占欲、嫉妬、コンプレックス・・「恋」にも「友情」にも共感出来る部分が多く一気に読了。

  • 前半が盲目的な恋で、後半が盲目的な友情。
    タイトルどおりのお話で、読んでみて、ゆっくり考えて、タイトルの意味を噛みしめた。
    恐ろしいけど本当にありそうな、すごい話でした。

  • 2014.06.26読了。辻村深月最新作。最近の私的辻村深月ラッシュで多分アンソロジーとホラー覗いて全部読んだと思うけど、最近初期の作品ばかり読んでいたせいか、久し振りに合わない作品。期待していた白辻村さんじゃなく、黒辻村さん。ハッピーエンド好きとしては、残念。
    まさにタイトル通り、恋に、友情に、盲目的になる2人の女性。恋に執着する美女の蘭子と、その蘭子に絶対な友情を求め、恋を否定する留利絵。それぞれの目線から描いた、『恋』章と、『友情』章。2人とも、恋人を、友人を、追い求めているように見えて実際は、そんな特別な自分、も、好きなのでしょう。酔い痴れてる?女って時として、優しい顔して、とても残酷だ。
    装丁が、すごく素敵。

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盲目的な恋と友情の作品紹介

これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への――。一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。そう、女の美醜は女が決めるから――。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編。

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