盲目的な恋と友情

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103283225

感想・レビュー・書評

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  • GWとは、Government Wrong ですよマジで……

    ってな事で辻村深月の『盲目的な恋と友情』

    恋愛に盲目的な蘭花
    友情に盲目的な瑠利絵
    異性に盲目的な星近

    この3人のそれぞれの自己中心的と言うか、まさに周りが見えない盲目的な思考が何とも言えないムズ痒い不快感を植え付ける……

    盲目的と言うか狂気な独占欲的な、の方がしっくりくるかな(笑)

    ラストの瑠利絵の「そして、 微笑んだ。」に達成感と絶望感と安堵感、色んな感情が込み上げて来たんじゃろなぁとグッときたのと、ゾッとした2つの感情に同時に襲われる

    じゃが、ヒグチユウコさんの装画はええね

    2020年18冊目

  • 蘭花視点の恋愛パートと留利絵視点の友情パートで構成されている。

    私はあまり恋愛経験がないので、留利絵に感情移入してしまった。友情が恋愛に負けるのはなんでだろうって思ったことあるし。

    でも本当にその友達のためを思っているんじゃなくて、友情以外では誰からも選ばれなかったことによる承認欲求のコンプレックスが起点となっているのが気持ち悪かった。物事を自分中心に考えすぎだし。
    こうならないように気をつけよう。

  • 選ばれる者と選ばれざる者のエゴのぶつかり合い。何が恐ろしいと言えば、それを美しい友情の様な感覚でお互いがいる事よ。無意識に相手を蔑んで、一方は無意識に相手を束縛して。私はでもこう言う拗らせに拗らせ過ぎた様な女が出てくる話が大好きなんだとつくづく。正に盲目的。

    なんで私に一番に話してくれないの?親友だと思ってたのに。私の方があなたを気にかけてるのに、どうして、どうして、と友達相手に謎の独占欲みたいなものを発揮する女子って案外居る気がする。時と場合によって、頼る相手を考えるって言うのは有効的な相談方法な筈なのに、なんでも私じゃなきゃ嫌。許さない。みたいな。選ばれずに生きるって言うのは、それ程までに心を捻じ曲げてしまうものなんだろうか。そもそも選ばれるとか選ぶとかいう感覚もよく分からないけど。

  • 装丁のイラストも好き

    やっぱり盲目的なのは恋も友情もだった

    人を好きになるという事は理屈ではないという事がよく分かる
    人間のあらゆる想いと交錯が描かれていてそこが現実的でもあった

    最後の展開は面白く切なかった

  • 恋に溺れ、欲と快楽から抜け出せない蘭花、そして、コンプレックスから歪んだ友情を蘭花に求める留利絵。そのふたりの視点から描かれている。あまりにも歪んだ感情で執着するので、共感はできなかったけど、先が気になり一気に読んでしまいました。この本の装丁、好きだなぁ。

  • 留莉絵さんの気持ちが最後よく分からなかった。
    性的志向の話になるのかと思いきや、そういうことには至らず……。

  • 問題作だ。女性の狂気。コンプレックスから人間依存、歪んだ正義感。えぐられている。人間という社会的動物の危うさが。

    一つだけ事実関係の間違いの指摘を。
    本文中の学芸員の描写は、監視員です。よく間違えられる点が作品として世に放たれてしまったのは残念です。新潮社は校閲部があるのに、何をやっているのでしょうか?

  •  大学のオーケストラ部での恋と友情の話。
    『どうして、いつの日も、友情は恋愛よりも軽いものだというふうに扱われるのだろうか…恋はいつ終わるもと知れない軽いものなのに、長く、ずっと続く友情の方は話題になることが、ない。』と言うところが印象的。
    自分も同じ様な考えだったので共感した。
    でも、友情は恋と比べて責任も約束軽いから、長く続くし、軽く扱われるのかなと思った。
    留利絵(外見にコンプレックスあり、友情に執着してるやつ)が友達にもっと感謝しろよ!とか「もっとこうあれ!」みたいなことを思っていてそれは友達なのかなぁと思った。責任も約束も無いけど、優しさで助け合ったり、思いやれるのが友情なんじゃ無いかなぁと思った。

  • 狂ってるなー
    かなりキツかった

  • どっちも盲目的からくる幸せがある。
    「自分はこんな人間じゃない」と感じるとしても、辻村深月の表現力が天才。だから共感、理解できて、世界に浸れるんだと思う。

    『友情』
    瑠利絵は絶対現実だったら嫌いなタイプだと思ってた。だけど、読んでるうちに「この子はこういうふうに思ってたんだ」って思えるようになった。
    読み終わったあとも嫌いなんだけど。「私達の陰口ばっかり言ってて嫌……」って思ってたけど、それだけじゃなくなった。
    小さな言葉に傷付くのは分かるし、それに傷付き続けてあの性格になるのなら、私は今まで少し酷い事をしてしまった、って思い出すことがいくつかある。
    だからって、美波の気持ちを汲み取らなくて良い訳じゃないから、一生分かり合えないって思うけれど。

    『恋』
    私には蘭花が「盲目的」って思う部分が無かった。苦しいけど、それも幸せなのめちゃ分かる。だから読んでて幸せ。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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