盲目的な恋と友情

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103283225

感想・レビュー・書評

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  • ある男女の恋愛を、当事者の女性とその女友達との2つの視点から眺めた前後半2部の構成は、大胆な手法だが、重苦しい心理描写の推移がよく伝わり、とても効果的だった。

  • なんとおそろしい。けど、最初は運命だと思えた相手との恋がいつしか執着になって、何が幸せかもわからなくなって泥沼になっていくのってめちゃくちゃよくあると思う。それを友情の話と絡めたところがストーリーとして面白かった。

  • おうおうおう、なんて盲目的な!
    こんな事に巻き込まれない人生に感謝だぜ。

  • なかなかのドロリとしたものを感じる話。
    登場人物たちは、それぞれにドロドロしたものを持ち合わせて 各々 放出してくる感じ。

    でも、何故か「あぁ…そうか、そうだね」みたいな共感?理解?が出来る自分もいる。
    やはり、登場人物たちと同じ 女 だからなのかなw

    個人的に「私たち親友だよね。」という言葉が、昔から苦手だったので留利絵ちゃんが 脅威だった。
    でも、不思議と理解も出来てしまう…。
    こわい!

  • 内容はちょっとブラックで好みとしては星2つですが、サスペンス風で一気読みしたということで結果星4つ。
    「うわー…」と思うことが多いのにおもしろかった、不思議な一冊でした。

  • 星3か4か迷うところだが
    ラストさらっと騙されたので
    4つにしました。


    猟奇的な恋と友情の話。



    前半の恋の話は
    辻村さんでも読んだことのあるような
    男女の狂っていく様。


    後半は歪んだ友情の話。


    この女の人が怖すぎて、、、
    前半でチラッと出てきた内容が
    後半この女性目線になると
    こうなっちゃうわけ?っていうのも
    面白いポイント。



    あーこわいこわい。

  • 自分が考えていることと、他人から見た印象が少しずつズレていて、そのズレが葛藤や苛立ちを生み出す。
    同じ「親友」という言葉を使って表す間柄の濃さも、人によって違う。留利絵が想っているほど、蘭花は「親友」に深い思い入れはない。留利絵にとっての親友は、たった一人にしか与えられないほどの称号。蘭花にとっては、友人よりも仲の良い複数人。
    そんな小さなすれ違いが、二人の人生を変える。
    留利絵にとっては満足のいく結末だったのかな。これから、二人が一緒に過ごす時間は、あるのだろうか。あるとしたら、それは幸せなんだろうか。

  • 傘沼留利絵と一瀬蘭花は学生オケでバイオリンのパートを受け持つが,指揮者の茂美星近が現れて話が展開する.オケ仲間には嫌味な美波がおり,さざ波を立てる.若い女性の生態が克明に描写されており楽しめたが,恋愛感情の縺れなどもあり,やや複雑な感覚も持った.最終的には,落ち目なった茂美が橋から転落して死亡するが,留利絵と欄花の感情の揺れが面白かった.

  • 美しく、人気者で、聡明なあの子。
    自分に無いものをたくさんもっていて、キラキラした世界に住むあの子。

    そんなあの子の1番になることで、わたしは自分の人生を豊かにできる。

    だから
    私の側から離れるなんて、そんなことさせない…

    男女の愛憎をエサにして、女友達の愛憎を描き切った傑作。

    愛と狂気は表裏一体。

  • 黒い。黒辻村深月作品だった。2回読ませる手法は、AパートとBパートから同一時期を描くという形で、あからさまとはいえ楽しんでしまった。
    るりえ、ものすごく歪んでいるのに、その思考をちょっと正しいように感じさせてしまうところが、相変わらずうまいなぁと。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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